アデランスとシャープ、“頭皮を活性化”するドライヤー発売:プラズマクラスターとLED
アデランスとシャープが、髪や頭皮の状態を改善する効果があるとするドライヤーを発売する。頭皮を活性化するというLED光「N-LED beam」の光源と、静電気除去や保湿効果があるという「プラズマクラスター」技術を搭載している。
アデランスとシャープは9月26日、共同開発したドライヤー「N-LED Sonic(エヌエルイーディー ソニック)」を10月2日に発売すると発表した。アデランスが開発した、頭皮を活性化するというLED光「N-LED beam」の光源と、静電気除去や保湿効果があるシャープの「プラズマクラスター」技術を搭載し、髪を乾かすとまとまりやツヤが向上するという。
価格は3万7000円(税別)。アデランスが運営するサロンと公式サイトなどで販売する。頭皮や髪のケアに興味を持つ幅広い層をターゲットに想定し、理美容室への導入も見込む。2017年度の販売目標は1万台で、2〜3年後をめどに販売台数を10万台に拡大する目標を掲げる。
N-LED beamは、アデランスが12年から大阪大学と共同開発を進めてきた技術で、頭皮に照射すると毛髪の健康増進効果などが期待できるという。N-LED Sonicの先端部分には光源を計8個搭載しており、髪を乾かす際に効率よく照射することが可能。
中国などで行われている、器具で皮膚を刺激して血行を良くする民間療法「かっさ」にヒントを得て、人の手をモチーフに開発したマッサージツール「かっさアタッチメント」も付属する。N-LED Sonicの先端に装着可能で、髪を乾かしながら頭皮をマッサージできる。
かっさアタッチメントのカバー部分には、保湿効果がある「プラズマクラスターイオン」の吹き出し口が備わっている。イオンは髪にツヤとまとまりを与えるほか、頭皮の皮脂バランスを整えてベタつきを改善するという。除電効果もあり、くしなどで髪をブラッシングした後にN-LED Sonicを使用すると、静電気を抑制して髪へのダメージを軽減するという。
記者発表会で行われたデモでは、約2キロボルトの静電気が帯電する髪に対してプラズマクラスターイオンの放出スイッチをオンにしたドライヤーの風を当て、約0.02キロボルトまで減少させる様子が披露された。
ユーザーのさまざまなニーズに対応する点も特徴で、約65度の温風と冷風を交互に繰り返して髪にツヤを出す「ビューティーモード」、約45度とぬるめの風で頭皮を乾かす「地肌ドライモード」――など、髪や頭皮の状態に応じて13種類の送風パターンを選択できる。
アデランスの津村佳宏社長は「風の温度を一般的なドライヤーより低めに設定する代わりに風量を強力にするなど、髪を傷めずに乾かす仕組みを採用した」と説明する。「医療機器ではなく美容機器として展開するため、(商品コンセプトは)薬事法に抵触しないと考えている。将来的には海外展開も視野に入れている」と話している。
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