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カラオケ人口が減っても「ビッグエコー」が好調の理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/4 ページ)
カラオケ人口が今世紀に入ってから微減している。そうした厳しい環境で、ビッグエコーが売り上げを伸ばしている理由とは?
第一興商が運営し、今年9月14日に30周年を迎えるカラオケボックス「ビッグエコー」が好調だ。
同社の2018年3月期第2四半期の連結決算によると、ビッグエコーを中心とする、カラオケ・飲食事業は売上高289億700万円(前年同期比6.7%増)、営業利益35億6600万円(前年同期比26.3%増)となっている。
業務用カラオケ事業や音楽ソフト事業が伸び悩む中、カラオケ・飲食事業が伸びたことにより、第一興商全社は売上高、営業利益、経常利益、純利益ともに過去最高を更新した。
全国カラオケ事業者協会によれば、現在のカラオケ参加人口は延べ4720万人。01年には4800万人だったので、今世紀に入ってからほぼ毎年横ばい状態で、むしろ微減している。そうした厳しい環境でビッグエコーが売り上げを伸ばしているのは企業努力のたまもので、同社の成長ドライバーである。
ビッグエコーをはじめとしたカラオケボックスの店舗数は、09年3月に233店だったが、17年12月現在はグループで529店と8年間で倍以上になった。カラオケボックスで業界トップの座を獲得している。
成長の要因について第一興商は、店舗サービスの品質向上に注力して既存店が好調に推移したことと、17年6月に完全子会社化したAirsideが運営するチェーン「カラオケマック」が収益に寄与したとしている。
具体的には、どういうことなのか。今回は第一興商の成長の秘密について解説していきたい。
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