RIZAPが赤字転落、急ピッチのM&Aがあだに 瀬戸社長「見通し甘かった」:多くの子会社が損失計上(1/2 ページ)
RIZAPグループの上半期の連結決算が赤字転落。通期業績予想も赤字を見込む。記者会見では瀬戸健社長が登壇し「見通しが甘かった」と謝罪した。
「ステークホルダーの皆さまの期待を裏切る結果となり、おわび申し上げる。ここ1〜2年はM&A(買収・合併)に注力して(傘下の)会社を増やしたが、見通しが甘かった」――。RIZAPグループの瀬戸健社長は、11月14日に開いた決算会見でこう謝罪した。
同日発表した2018年度上半期(4〜9月)の連結決算は、売上高が前年同期比74.3%増の1091億500万円、営業損益が88億2900万円の赤字(前年同期は49億8700万円の黒字)、純損益が85億3200万円の赤字(前年同期は29億3200万円の黒字)に転落した。
多くの子会社が損失計上
RIZAPグループはこれまで、主力のボディーメーク以外に事業を広げるため、アパレル企業、出版社、エンターテインメント店などを傘下にするM&Aを積極的に展開。経営再建ノウハウを生かして立て直しを図り、成長の原動力とする施策を採ってきたが、今期は再建の進捗(しんちょく)が当初の見込みから遅れ、多くの子会社の赤字幅が拡大したことが響いた。
不調だった子会社は、CD・DVD・書籍販売店「新星堂」などを展開するワンダーコーポレーション、化粧品販売のジャパンゲートウェイ、フリーペーパー制作のサンケイリビング新聞社とぱど、住宅会社のタツミプランニング――など、過去1年以内に傘下に迎えた企業。
一時は再建が進み、成長を遂げつつあった婦人下着販売のMRKホールディングス(マルコから社名変更)の業績回復も、新商品の生産遅延の発生や、新CMなどの投資がかさんだ影響で減益となった。
関連記事
- 経営陣と松本氏は「健全な対立関係」にある――RIZAP両トップ、赤字転落の裏側語る
RIZAPグループの上半期の連結決算が赤字転落。通期業績予想も赤字を見込む。会見では瀬戸健社長・松本晃代表取締役が登壇し、その裏側を語った。経営陣と松本氏は「健全な対立関係」にあるという。 - 「経営のカリスマ」カルビー松本会長に聞く、RIZAPにコミットする理由
日本を代表する経営者として知られる、カルビー会長 兼 CEO の松本晃氏。松本氏はなぜ、カルビーを去り、RIZAPグループに入ることを決めたのか。インタビューで経緯と今後の展望を聞いた。 - RIZAP、「新星堂」運営元のワンダーコーポレーションを子会社化
RIZAPグループが、ワンダーコーポレーションを連結子会社化すると発表。TOBと第三者割当増資によって株式の58.0%を取得する。両社の強みを組み合わせ、18年度の売上高を前年度比1.5倍に増やす狙い。 - 社長が語る「ライザップ経済圏」とは
なぜいまライザップグループはアパレルに参入するのか。また、住関連領域から介護まで多角的な経営を推し進める裏にある競争優位性とは何か。瀬戸健社長に今後の展望と戦略を聞いた。 - 社員の働き方を変える実にシンプルな方法 カルビー・松本会長
「プロ経営者」として日本を代表するカルビーの松本晃会長兼CEO。今月末でカルビーの会長職を退任予定の松本氏に、同社での9年間を振り返ってもらうとともに、注力した働き方改革についてインタビューした。 - 残業手当はすぐになくしたほうがいい カルビー・松本会長
日本を代表する「プロ経営者」として、さまざまな経営改革を推進してきたカルビーの松本晃会長兼CEO。働き方改革にまつわる日本企業の問題点について、真っ先に「残業手当」を挙げる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.