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携帯キャリアVS.格安SIM 月額料金はどれくらい違う? ユーザー2000人に聞いた結果は……「4割値下げ」発言の賛否も聞いた

菅官房長官の「4割値下げ」と発言以降、「日本の携帯キャリアの料金は高すぎる」との批判が強まっている。では実際に、キャリアの料金は格安SIMと比べてどの程度高いのか。ユーザーはこの発言をどう捉えているのか。MMDLaboが調査結果を発表した。

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 8月末に菅義偉官房長官が「携帯電話料金は4割値下げできる」と発言して以降、「日本の携帯電話事業者(キャリア)の料金は高すぎる」との議論が加熱している。では、日本のキャリアの料金はMVNO(仮想移動体通信事業者)などの“格安SIM”と比べてどの程度高いのか。また、契約者はどのような不満を抱えているのか。

 調査会社のMMDLaboが、2000人のユーザーを対象に調査した結果、キャリアに支払っている月額料金は「7000円〜9000円未満(25.6%)」が最多。「5000円〜7000円未満」(19.9%)、「3000円〜5000円未満」(13.4%)、「9000円〜1万1000円未満」(13.1%)と続いた。

 一方、格安SIMの月額料金は「1000円〜3000円未満」(57.9%)が最多。「3000円〜5000円未満」(22.8%)、「1000円未満」(8.2%)、「5000円〜7000円未満」(5.6%)と続いた。格安SIMへの流出を防ぐため、キャリアも安価な料金プランを充実させているが、キャリアユーザーの方が高い料金を支払っていることが分かった。

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キャリアと格安SIMの月額料金の違い(=MMDLabo調べ)

 またキャリアは、値引きを受ける際に複数の条件が課されるなど、料金プランの複雑さが批判を集めている。一方、格安SIMは比較的簡易な料金プランを設定している。調査では、これに対するユーザーの評価も聞いた。

 その結果、「自分の契約プランと毎月の月額料金を把握している」と答えた人は、キャリアユーザーの52.6%、格安SIMユーザーの75.7%となり、後者が前者を大きく上回った。「契約プランの内容は把握していないが、月額料金は把握している」人はキャリアユーザーの25.1%、格安SIMユーザーの11.6%だった。

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キャリアと格安SIMのプラン・支払額の把握度の違い(=MMDLabo調べ)

「4割値下げ」発言には賛成意見が多数だが、そうでない意見も

 こうした状況を踏まえ、スマホユーザーに菅官房長官の「4割値下げ」発言の感想も聞いた。その結果、「携帯料金は水道・光熱費と並ぶほど生活の一部となっていて、それが4割も下がるのならば、将来的にも金銭面での負担は非常に軽減されると思うので、素晴らしいと思う」「格安SIMから大手キャリアに戻ることを大いに考える」といった賛成意見が多く挙がった。

 「そもそも『実質ゼロ円』というキャッチフレーズをやめてほしい」「端末割引きは、不要な買い替えを促すだけで、多くの利用者には大したメリットはない」といった不満の声もあった。

 ただ、「実情も把握せず、数字だけで述べられている印象がある。下がる余地はあるかもしれないが、4割は言い過ぎだと思う」「海外出張であちこち行くが、日本の電波環境は世界に類を見ないほど充実していてどこでもつながるので、使用料が高いのは妥当」と、発言内容に疑問を呈する声も出た。

 「格安スマホと変わらなくなり、何を選んだら良いか分からなくなる」「格安SIMに乗り換えれば済む話なら無理に下げる必要はない。無理に下げてサービスやプランが改悪されるのであれば意味が無い」と、値下げによって事業者ごとの特色が薄れることや、サービスの品質が低下することを懸念する意見もあった。

 調査は2018年11月9日〜16日にかけて、15〜69歳の男女を対象にインターネット上で実施した。

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「4割値下げ」発言に対するユーザーの反応(=MMDLabo調べ)

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