エンタープライズ:ニュース 2003/05/20 11:52:00 更新


IBM Software World直前レポート:第2回 DB2 Information Integrator正式発表へ

「Xperanto」データインテグレーション技術の第1弾となる「DB2 Information Integrator」が、7月27日から開催される「IBM Software World 2003 & IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」でどうやら正式発表されそうだ。

 日本アイ・ビー・エムが、「Xperanto」のコードネームで開発が続けられてきたデータインテグレーション技術をいよいよ製品化する。その第1弾となる「DB2 Information Integrator」の国内出荷発表をどうやら5月27日から開催される「IBM Software World 2003 & IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」に合わせてきそうだ。欧州では5月20日、ドイツのミュンヘンで開幕した「Software Symposium」で出荷を発表したばかり。

 日本IBMでインフォメーションマネジメントソリューション事業部長を務める安田誠氏は、「e-ビジネス・オンデマンドを支えるうえで、プログラムをいちいち書いたり、データウェアハウスを構築することなく、情報をきちんとリアルタイムで統合できるInformation Integratorは重要だ」と話す。

 DB2は、その進化の歴史の中で、既に他社RDBMSも含む仮想ビューを実現するフェデレーション(連邦化)機能を手に入れている。IBMは、それらを切り出し、Information Integrator製品群としてさらに拡張しようとしていると考えていい。

 インタフェースとしては、SQLのほか、XML照会言語として標準化が進められているXQueryやWebサービスが使える。

「XQueryやWebサービスへも対応しているInformation Integratorは、他社には同等製品がなく、差別化のポイントとなる」と安田氏。

 こうしたInformation Integratorの最新情報は、「IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」(有償)の2日目、5月28日に集中している。「Information Integrationによる異種データアクセス方法」や「フェデレーションラッパーのアーキテクチャとSDKを用いた開発の概要」のほか、DB2のWebサービス機能に関するセッションも28日に用意されている。

 安田氏は、データベース製品自体の差別化ポイントにも触れ、ライバルであるOracle9iやMicrosoft SQL Serverへの優位性を強調する。IBMでは全社を挙げて、オートノミック(自律型)コンピューティングに取り組んでいるが、DB2にも「SMARTテクノロジー」と呼ばれる機能が盛り込まれている。

 これまでのDBというと、パフォーマンスの最適化が避けて通れない作業だったが、IBM DB2に搭載されたオプティマイザーは、ウイザード形式の質問に答えていくだけで、ほぼフルチューンに近い状態にしてくれるというものだ。IBMによれば、熟練した専門家の作業を100点とすると、SMARTテクノロジーによるパフォーマンスは95点というから驚きだ。

「実は今回のIBM developerWorks Live!では、チューニングのセッションは少ない。コンフィギュレーションやサイジングは必要だが、チューニング自体は意味がなくなっているからだ」と安田氏。

 むしろ、先にも触れた「情報統合」と「XML」への対応を図っていくことの方が重要だと安田氏は強調する。

 RDBMS業界には、デファクトともいえるOracle9iと、OSと一体化された強みを見せるMicrosoft SQL Serverという強敵が立ちふさがるが、安田氏は、「いずれにせよ、将来にわたってソフトウェアの投資に耐えられるベンダーは数社に絞られる。“ミドルウェアすべてをIBMで”と言いたいところだが、メインフレーム、UNIX、そして.NETのPCサーバが混在する異種環境できちんと動くことをアピールしていくことから始めたい」と話す。

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関連リンク
▼IBM Software World 2003 & IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003

[浅井英二,ITmedia]