エンタープライズ:ニュース 2003/05/29 02:25:00 更新


ラショナル統合が国内正式発表、IBMブランドでライフサイクルソリューションを提供

ラショナル統合によりライフサイクルの開発支援ソリューションを手中に収めたIBM。UML開発の優位性とは? オンデマンドに向けた同社の戦略はいっそう具体化される。

 米IBMと米ラショナルソフトウェアは、先に発表された米国での買収手続きが進められ、米国で2月21日に統合、国内においても5月1日付けで統合が行われた(関連記事)。今後、ラショナルの各種ツール群は、Eclipce 2.0を介した他のブランドとの協調性がいっそうクローズアップされる。

 「IBM Software World 2003」開催に合わせて行われた発表会では、日本ラショナルソフトウェア、代表取締役社長・齋藤 肇氏 が会合され、今後のIBM、ラショナル部門としての意向が表明された。現在は、日本ラショナルソフトウェア(以下、ラショナル)としても業務継続がされているため、齋藤 氏は現在、部門とを兼任しているという。

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 今回のカンファレンスにおける基調講演や、エンタープライズによるインタビューでもランボー氏が語られたように、ラショナルの持ち味はモデリング言語「UML」、そして「RUP」(Rational Unified Process:反復開発)の推進にある。IBMが掲げるオンデマンドビジネスにおいて、設計段階におけるモデリングが今後いっそう重要視されることが明らかだとコメントする。

 齋藤 氏から語られたオンデマンド開発へのキーワードは4つ。「トレーニングにおける習熟性」、「プロセスの改善」、「再利用」、「チームにおける情報共有」だ。このキーワードからは、ラショナルにおけるライフサイクルソリューションへのゴールが垣間見られる形だ。

 また開発そのものを「総合的に支援する」ことが、IBMのラショナルブランドにおける役割だとコメントされた。ラショナルのツール群を、従来まではIBMソフトウェアでカバーされていなかったビルド部分までをカバーする存在とし、オンデマンドビジネス実現を支援する上では欠かせないものだと強調する。5ブランド内での役割を明らかにさせた。

 UML開発におけるラショナルのビジョンとしても3つが挙げらた。競争力として重要となる「タイムトゥマーケット」、反復開発を行うことで実現する「品質の向上」、そしてビジネスとして成り立つかを判断する「適正なコスト」である。ラショナルブランドでは、下写真に挙げるツール群を基にライフサイクルの自動化が支援されていく。

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[木田佳克,ITmedia]