エンタープライズ:ニュース 2003/07/02 06:02:00 更新


Itanium 2のロードマップに変化――デュアル版はDeerfieldのほかにもう1系統

インテルはMadison発表に合わせて開催したセミナーで、Itanium 2とXeon MPのロードマップを公開したが、そこには新たなデュアルプロセッサ向けItanium 2が示されていた。

 インテルは7月1日、Madison版Itanium 2プロセッサの発表にあわせてエンタープライズセミナーを開催した

 セミナーの中で米Intelのエンタープライズ・プラットフォーム事業本部エンタープライズ・マーケティング&プランニング・ディレクターのアジェイ・マルフォトラ氏が、Itanium 2およびXeon MPの2005年までの製品ロードマップを公開したが、そのロードマップには、今年春のIntel Developers Forumの時には無かったItanium 2が登場していた。

マルフォトラ氏が示したItanium 2/Xeon MPの最新ロードマップ

マルフォトラ氏が示したItanium 2/Xeon MPの最新ロードマップ(クリックすると拡大します)


 上の画像が、今回のロードマップだ。最上段の「MP&DP(マルチプロセッサ&デュアルプロセッサシステム向け)」とあるのが、“通常版”のItanium 2のロードマップで、1日に発表されたMadisonのスペックが明らかになったほかは特にこれまでと変化はない。最下段のXeon MPのロードマップも同様だ。

 注目すべきは中段の「DP」のところ。さらに上下2段になっているのがわかる。このうち、下段の「低電圧版インテルItanium 2プロセッサ」とあるのは2003年投入時点で動作クロック1GHz、3次キャッシュ1.5Mバイトというスペックから見て、「Deerfield」というコードネームで呼んでいるプロセッサで間違いない。ところが上段のプロセッサのスペックは、動作クロック1.40GHzで3次キャッシュが1.5Mバイトとなっており、通常版Itanium 2/1.40GHz(3次キャッシュ容量は4Mバイト)とも違う。

IDF Japan Spring 2003で公開したItanium 2ロードマップ

IDF Japan Spring 2003で公開したItanium 2ロードマップ(クリックすると拡大します)


 このプロセッサについてインテルに確認したところ、最近になって加わった、デュアルプロセッサシステム向けの新しいItanium 2であることがわかった。通常版Itanium 2(消費電力は130W)よりも消費電力が小さく、発熱も少ないが、低電圧版Itanium 2(消費電力62W)ほどではないのだという。ロードマップが上下に分かれているのを見ればわかるように、2005年までのデュアルプロセッサシステム向けItanium 2は、通常版のほか、この“中電圧版”と低電圧版の3系統となる模様だ。

 米国時間30日に発表となったIntelのリリースで、Itanium 2のデュアルプロセッサシステム向けラックマウント型プラットフォームが第3四半期出荷予定となっていたことから、Deerfieldが9月末までに登場するのではないか、との報道もあったが、Deerfieldではなく、この中電圧版Itanium 2と組み合わせるものという可能性もある。

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[佐々木千之,ITmedia]