特集
2003/08/08 15:43 更新

UNIX USER2003年9月号特別企画より転載:
Gentoo LiveCDでMac OS X/分散コンパイル (5/5)


UNIX USER 2003年9月号より転載

 LiveCDで起動したマシンをコンパイル補助、任意のLinuxマシンをメインとした場合、LiveCD側ではとくに設定をする必要はありません。LiveCDのマシンのIPアドレスを確認しておくだけです。


# ifconfig eth0

 メインのマシン側では、distccが導入されている必要があります。もし導入されていないようでしたら、
http://distcc.samba.org/
や各ディストリビューションのパッケージなどから導入しておいてください。
 導入後は、distccというユーザーを作成し(導入した時点で自動的に登録されているケースもあります)、distccdコマンドをデーモンとして起動します。

# adduser distcc
# distccd --daemon

 次に、分散させる先のマシンを登録します。

# export DISTCC_HOSTS="localhost 192.168.0.10"

 メイン自身(localhost)のほか、分散させる先のIPアドレス(この例では192.168.0.10)を空白を入れて列挙してください。以上で準備は完了です。

分散コンパイル方法
 分散コンパイルを行うには、make時にCCをdistccコマンドに置き換えるように実行します。

# make CC=distcc

 また、並列コンパイルに対応できているソフトウェアの場合、「-j数字」オプションを付けて実行すると、より高速に処理できます。Pentium4/2.6GHz(メイン、Red Hat Linux 9)、Pentium4/1.8GHz(LiveCD)の組み合わせでLinuxカーネルをコンパイルした結果は表3のようになりました。かなり高速化されますので、あまっているマシンを見つけたら、LiveCDをセットして、役立てましょう。

表3 Linuxカーネル2.4.20をmake実行をtimeコマンドで計測した結果

コマンド 結果
make(ノーマル) 180.85s user
13.50s system
96% cpu
3:20.61 total
make -j8(並列コンパイル) 313.40s user
17.20s system
198% cpu
2:46.25 total
make CC=distcc -j8
(分散・並列コンパイル)
211.49s user
16.84s system
187% cpu
2:01.91 total

コラム 次の目標は? Windowsを目指すGentoo/Cygwinも登場

 ここで取り上げているLiveCDが登場する前後から、Gentoo Linuxは従来とはまた違う広がり方を見せるようになっています。PowerMac版Gentoo Linuxの話題とともに、DarwinおよびMac OS X向けのDarwinPorts、Finkと協力して Metapkgプロジェクト を立ち上げました。
 また、組み込み市場向けでは、Gentoo Linuxベースのディストリビューション、 The Zynot Foundation もスタートしています。
 そして、今後に期待したいのが、Gentoo/Cygwin です。
 まだ立ち上がったばかりのプロジェクトで、協力者やバグレポートを求めています。

[UNIX USER特別企画]
Gentoo LiveCDでMac OS X/分散コンパイル
(1)PowerMac版を使おう
(2)Mac-on-Linuxを動かす
(3)PC/AT互換機版を使おう
(4)分散コンパイルにチャレンジ

関連リンク
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付録CD-ROM 2枚組み
・Gentoo Linux LiveCD
 PowerPC版/i386版
・OpenZaurus for C700 ほか

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