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2004/05/26 01:21 更新


「セキュリティ対策にも説明責任が求められる」、エンテラシス、セキュリティ フォーラムを開催

エンテラシス・ネットワークスは5月24日、「2004 エンテラシス・ネットワークス セキュリティ フォーラム」を開催した。昨今のセキュリティ事情と、エンテラシスのロードマップが一目で分かるフォーラムとなった。

 エンテラシス・ネットワークスは5月24日、「2004 エンテラシス・ネットワークス セキュリティ フォーラム」を開催した。同社のパートナー企業をはじめ、300人以上がひしめく会場では、同社の掲げる「Secure Networks」戦略が昨今のセキュリティ事情とどうマッチするのかを確認しようと熱気に包まれていた。

 オープニングの挨拶に立ったエンテラシス・ネットワークス代表取締役社長、土本良司氏は、「後付けのセキュリティ対策により、いたるところに脆弱性が存在する」と現在のネットワークを酷評する。

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「信頼できるマシンという考え方自体もはや通用しない」と土本氏

 同氏によると、セキュリティ違反の70%が組織内部で発生しているという。これは現在のネットワークが内部から発生するトラブルに対して非常に脆いことに起因しているが、こうした例から信頼できるマシンという考え方自体もはや通用しない概念であることを強調する。

 「ネットワークセキュリティに『絶対』という言葉は存在せず、脅威による事故は必ず起こりうるもの、という認識が必要であり、被害からの回復力が最適に組み合わされた対策をとることが大事」(土本氏)

 また、特に株式上場企業であれば、トラブルの発生時に、株主に対する説明責任(アカウンタビリティ)がこれまで以上に求められることになると指摘、この状況になると、「どこまで事前予防策を実施していたか」「どこまで事故対応策を実施していたか」が重要になるという。

 だからこそ、部分的、単発的なネットワークのセキュリティではなく、人間のように考え、理解し、対応するセキュアなネットワークソリューションである「Secure Networks」を選択することで、急がれるセキュリティ対策を進めるべきであると述べた。

現在のネットワークの状態は「混沌」の1歩手前

 土本氏の後には、米Enterasys Networksの社長であるマーク・アスレット氏が登場した。同氏は「現在、ネットワークとセキュリティに根本的な変革が行われている」と話す。

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「エンテラシスは他のベンダーと比べ、18〜24カ月先んじている」とアスレット氏


 同氏は、2003年に報告されたウイルス件数が2000年の6倍、そしてその対策に必要なコストに至っては5倍になっていることを述べ、2004年におけるCIOの最優先事項として、「セキュリティ」「障害復旧」といった事業継続性に関わる点を挙げる。

「さまざまな企業のCIOに話を聞くと、現在のネットワークの状態は「混沌」から1歩離れた程度の極めて深刻な状況にある」(アスレット氏)

 また、ネットワークに対する脅威は日増しにその巧妙さとスピードを増しており、これまで通用してきたセキュリティモデルではもはや通用しないと指摘、今後求められるのはセキュリティの機能自体をネットワーク全体にエレメントとして「組み込む」ことで、高度なインテリジェンスをネットワークに備えさせることであると主張する。

 そうした市場に対して同社では、「Secure Networks」戦略とともに、ユニークで差別化の可能な製品を提供していくことで、2006年までの自社の年平均成長率(CAGR)を11.9%と想定しているという。

 他社との差別化のポイントとして、同社のテクノロジーロードマップとソリューションロードマップが示された。以下に示すものがそれである(いずれも出典はエンテラシス。このロードマップは現時点の予定であり、状況により変更になる場合がある)。

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テクノロジーロードマップ(クリックで拡大します)

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ソリューションロードマップ(クリックで拡大します)

「声だけでなく、現時点ですでに実際のソリューションとして提供できる点で、他のベンダーと比べ、18〜24カ月先んじている」とアスレット氏は自信を覗かせる。

 また、「Secure Networks」戦略は、その価値を認める多数のパートナーによって推進されると同氏は話す。ちなみに、エンテラシスのパートナーは2層に分かれている。戦略アプライアンス、Secure Networks認定パートナーおよびテクノロジーパートナーとグローバルセールス&サービスパートナーである。役割を明確化したパートナーシップを通じて、顧客に対して最適なものを提案していくという。

 他者に先んじて提供される技術の多くに魅力を感じ、同社の顧客となった企業は世界中で2万5000にものぼる。また、新製品の売り上げも2003年第4四半期から10%増となる45%に向上したほか、SI見込み数とその案件規模も増大しているという。

 アスレット氏は「エンテラシスは世界で最もセキュアなネットワークを構築する」と話し、これまでコストや帯域に購買基準を据えていた日本のCIOに対し、同社が10年以上かけて培ってきた信頼性のあるアーキテクチャを求めるべきと再考を促した。

[西尾泰三,ITmedia]

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