NEC SIGMABLADEの電力制御テクノロジー電源容量の課題を一気に解決!

NECの「SIGMABLADE」は、同社の高密度実装技術によって作り出されたブレードシステムである。とりわけ、日本のサーバルームの実情に合わせて開発された省電力テクノロジーは、SIGMABLADEに詰め込まれた多くの機能の中でも、優れた特長として高い評価を得ている。

» 2007年12月03日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

サーバルームの課題を解決する省電力化への取り組み

 サーバコンピュータが高性能化の一途をたどる中、企業のサーバルームは電源容量の不足という深刻な課題に悩まされている。複雑化する業務に対応するためにサーバコンピュータを追加導入したくても、それを稼働させるだけの電源を用意できないのだ。サーバルームの電源容量を増強するには、莫大な投資が必要になる。たとえ投資できる企業だとしても、ITコストの削減、省エネルギーによる環境への配慮が求められる今の時代、それに逆行するようなことはできないという事情もあるだろう。

 そうした企業が抱える課題を解決するために、プロセッサやメモリを供給するパーツベンダーも含めたすべてのハードウェアベンダーが、サーバコンピュータの省電力化に取り組んできた。そのため、ここ1〜2年に発売された新しいサーバコンピュータ製品は、ほぼ例外なく低消費電力が特長として掲げてられている。実際、サーバコンピュータをリプレースした企業のサーバルームでは、効果が得られているという声も聞こえる。

 NECも、そうしたサーバコンピュータの省電力化を積極的に推進してきたベンダーだ。同社では、タワーサーバ、ラックサーバなどすべての製品ラインアップで省電力を実現するさまざまな技術を採用してきた。特に、省電力化に力を注いだのが、高密度実装技術を結集させたブレードシステム「SIGMABLADE」である。

標準的なパーツ以外でも省電力化を実現したSIGMABLADE

 SIGMABLADEは、省スペース・総重量軽減という設置性、パーツの多重化による信頼性、多数のサーバをシンプルに管理できる運用性、稼働中の交換も可能な保守性に優れたブレードシステムだ。2002年1月、NECは日本国内で最初にブレードシステムを製品化したが、それ以来、ブレードシステムの特徴である省スペースだけでなく、運用性や保守性の向上を目指した製品開発を行ってきた。

photo 各モジュールを視覚的に一元管理でき、運用性・保守性を高める統合プラットフォーム管理ソフトウェア「SigmaSystemCenter」
※画像をクリックすると拡大表示します
photo 先進の電力管理機能を備えた中小規模システム向けの「SIGMABLADE-M」
※画像をクリックすると拡大表示します

2006年には、より進化した新ブランド「SIGMABLADE」が登場。現在は6Uサイズで最大8ブレードが内蔵できる中小規模システム向けの「SIGMABLADE-M」、10Uサイズで最大16ブレードが内蔵できる大規模統合システム向けの「SIGMABLADE-H」の2つのラインアップとなっている。

 NECがSIGMABLADEの省電力化を進めるにあたり、注目したのが、プロセッサやメモリ、ファンなどのパーツ以外に起因する「その他」の部分だ。例えばプロセッサならば、インテルが提供する低電圧版のXeonを採用するだけで一定の効果がある。ただし、さらなる省電力化を実現するには、標準化されたパーツのみならず、サーバベンダーが独自の省電力テクノロジーで改善するしかない。

 そこでNECは、ブレード収納ユニット単位による電源制御、ファンの冷却効率、電源変換効率の向上に取り組んだ。その成果として開発されたのが、SIGMABLADE-Mの新機種に搭載された最新の省電力テクノロジーである。−−

3つのモードが用意された電力制御機能

 では、SIGMABLADE-Mに搭載された省電力テクノロジーの特長を紹介しよう。

 まずは、ブレード収納ユニット単位で消費電力の電力制御を行う電力制御機能である。SIGMABLADE-Mには、「EMカード」と呼ばれるブレード収納ユニット全体を管理・制御するためのコントローラが搭載されている。このEMカードでは、管理コンソールを通じてさまざまな電源構成を設定することが可能になっている。

 サーバルーム全体、あるいはラックあたりの電源容量が決まっている場合に有効なのが、天井電源制御機能だ。これは、ブレード収納ユニット全体で制御したいワット数の上限を設定しておき、それを超過しないようにブレードの一部を省電力モードにて起動/運用するというものである(図1)。

photo 収納ユニット毎に電源の上限を設定できる
※画像をクリックすると拡大表示します

photo 利用者の用途や電源環境に合わせた設定が可能  ※画像をクリックすると拡大表示します

 また、用途に応じて電源ユニットの役割を動的に変更する3つのモードが用意されている。プロセッサの性能を優先し、ブレードの電力要求に応えるのが「CPU性能モード」。このモードでは、2+1の冗長構成になっている電源ユニットから十分な電力が供給されなくなった場合、冗長構成を自動的に解除して電力供給を優先するというものだ(図2)。

 逆に、ブレードを増設した場合でも電源ユニットの冗長性の確保を優先するのが、「冗長モード」である。このモードに設定しておくと、ブレードの追加によって電力供給が足りなくなるような場合に、新しいブレードは自動的に省電力モードで起動することになる(図3)。

 また、2+1冗長構成の電源ユニットの1つが故障したときでも、冗長構成を確保したまま運用できるのが、「冗長回復モード」である。このモードでは、すべてのブレードを省電力モードに自動的に変更する(図4)。


photo 各モードは、管理コンソールから動的に切り替えられる。入力電力の上限値もユーザーのニーズに合わせ自由に設定可能だ(画面では5000Wを上限値としている) ※画像をクリックすると拡大表示します

ファン回転やブレード構造にもNECならではの一工夫

 2つ目に挙げられるのが、ファンの電力・騒音削減技術である。EMカードには、ブレード収納ユニットに取り付けられているファンを制御する機能がある。ブレード内部の温度や稼働状況をリアルタイムで監視し、状況に応じてファンの回転数を無段階でコントロールする。特に、稼働率が低いブレード収納ユニットのファンが不必要に高回転にならないようにすることで、消費電力を軽減させているのだ。

 ファンの回転数と密接に関係するのが、ブレードの構造である。SIGMABLADE-Mに対応したブレードは、熱に敏感なハードディスクやメモリを常に冷風が当たる風上に配置し、最も発熱するプロセッサをその風下に置くという設計になっている。さらに、熱風を強制的に排出するファンは、ブレードと直線的に配置されており、熱だまりができにくい。これにより、ハードディスクやメモリの障害発生率は低下し、信頼性も向上している。

 さらに、電源ユニットの変換効率を向上させる工夫も施された。この機能は、稼働しているブレードの数に応じて電源ユニットを自動的にオン/オフし、AC-DC変換効率が最も効率良くなるように制御している。

 このように、多くの省電力テクノロジーが搭載されたSIGMABLADE-Mだが、企業のサーバルーム、特に中小規模事業所にとって有難いのが、100ボルトの電源に対応していることだ。ブレードシステムの場合、サーバ1台あたりの消費電力は、タワーサーバやラックサーバよりも小さくなるが、複数のサーバに一度に電源を供給する構造のため、最小構成でもまとまった電力が消費される。そのため、日本で一般的な100ボルトでは電源供給が安定せず、200ボルトに対応した製品が多い。

 しかし、SIGMABLADE-Mでは、省電力テクノロジーによって100ボルト電源にも対応できた。これにより、200ボルト電源のない中小規模事業所でも、ブレードシステムを導入できるようになったわけだ。

 ブレードシステムは、省電力だけでなく、運用管理性や保守メンテナンス性の高さ、あるいはサーバ仮想化などの新しいソリューションによって、今後ますます発展が期待される分野である。サーバのリプレースの際には、近い将来の電源環境を考慮し、SIGMABLADE-Mの導入を検討してみてはいかがだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本電気株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年12月25日