Sun Storage Solution Day Report:サーバ、ネットワークに続きオープン化が進むストレージ

2月26日、サン・マイクロシステムズは「Sun Storage Solution Day」を開催した。広範なストレージ・ポートフォリオを持つ同社では、エコだけでなくオープン化を進めることがストレージ市場において重要だと考えているという。


ストレージにも「エコかつオープン化」の流れを

photo 代表取締役社長 末次朝彦氏

 サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長の末次朝彦氏は、「参加する人数が多くなればなるほど、ネットワークの価値は高まるが、現在のインターネット人口は10億とも15億人ともいわれる。1982年に設立されて以来、サン・マイクロシステムズは“The Network is the Computer”をビジョンに掲げてきた。それが、ようやく現実になってきた」と、今のネットワーク社会を語る。

 その一方で、トラフィックやデータ量は爆発的に増加、データセンターでのリソースは枯渇してきているのが現状だ。末次氏は、60%以上のデータセンターでは電力あるいは冷却能力不足に陥りつつあり、2010〜2015年頃にはIT機器コストをITエネルギーコストが上回ると予測されていることを紹介した上で、企業はファシリティ系コストに注目する必要があると説明した。

 「企業市民として社会から認められるためには、環境の面でも社会的責任を果たさねばならない」(末次氏)

 サン自身も、エコへの取り組みを進めており、技術的な革新だけでなく自社でのエコ活動、さらにはエコ関連技術のオープンソース化を通じて社会に貢献しているという。

 この、オープンであるという点についても、末次氏はサンの特徴として挙げた。

 「サーバやネットワークと同様に、ストレージに関してもオープン化の革新“Open Storage Innovation”を進めていく。ストレージOSに関しては、いまだに10年前のサーバOSのような世界。我々はオープンソース化したOSであるOpenSolarisと、非常に先進的なファイルシステムであるZFSとの組み合わせをストレージ管理の基盤に取り入れた。そして、経済性とエネルギー効率の両方の“エコ”に優れたネットワークコンピューティング環境を実現できる製品を提供していく」(末次氏)

システムアプローチがストレージのエネルギー効率を向上

photo ストレージ・ビジネス統括本部
ストレージ・ビジネス開発本部
工藤宣慶氏

 「インターネットで双方向にデータがやり取りされる新しいアプリケーションは、まるで津波のように、保存すべきコンテンツを生成する。これまでとは違ったアプローチで対応しなければならない」と語るのは、サン・マイクロシステムズ ストレージ・ビジネス統括本部の工藤宣慶氏。

 これまでのアプローチとは、記憶容量やI/O能力などの物理的な性能向上を指す。それに対し工藤氏は、これからは仮想ストレージ・ソリューションが不可欠だとした。さらに、エネルギー効率の問題も大きくなってきている。

 「ディスクストレージは、データセンターのエネルギー消費の実に30%あまりを占めている。テープストレージなら、静止状態のデータであればエネルギーを消費せず、CO2も排出せずに保管できる。こうした特徴を踏まえ、適切なストレージを選択することが重要」(工藤氏)

 テープストレージはデータのアクセス性能の面でディスクより劣る。しかし近年では、法的規制や内部統制上の目的で大量のアーカイブが発生するなど、アクセス頻度の低いデータも大きく伸びている。こうしたデータは、テープストレージを上手に使うことで、「環境にやさしく経済的で効率的なエコ・ストレージ」が実現するというわけだ。そこに、同社の幅広いストレージ製品群が役立つという。

 「最近では、仮想テープソリューションが注目されている。サンでは、サーバのコンパクト化や低消費電力化の技術を仮想テープ装置に生かし、競合製品より73%のスペース削減、16%の消費電力削減を実現している」(工藤氏)

 同社の製品群には、多彩なストレージのハードウェアに加え、「SAM」(Sun StorageTek Storage Archive Manager)製品もある。これらを組み合わせることで、ILM(Information Lifecycle Management)の実現も可能だ。

 「サーバとソフト、ストレージ、そしてサービスを統合化していくシステムアプローチによって、サンは最高水準のエネルギー効率を実現していく」(工藤氏)

オープン環境のストレージがアーカイブの戦略投資にも役立つ

photo ストレージ・ビジネス統括本部
ストレージ・ビジネス開発本部
ストレージ・コンサルタント部
竹下雄輔氏

 サン・マイクロシステムズ ストレージ・ビジネス統括本部の竹下雄輔氏は、アーカイブにおけるデータ管理の課題と解決策を紹介した。

 まず、デジタルアーカイビング、すなわち情報システムにおいて行われる狭義のアーカイブについて、「共通神話というか、誤解が多い。アーカイブは、データプロテクションすなわちいわゆるバックアップとは違い、データのオリジナルを長期的に保存するもの。技術的にはデータプロテクションとも共通する部分は多いが、例えば透過性を備えたアクセスが望ましいなど、異なる部分も大きい」と説明した。

 アーカイブにおけるTCOを考えると、テープは最も安価なソリューションとなる。そのデータを透過的にアクセスできるようにするためには、ILMの考え方が役に立つ。特にユーザーの立場からみると、ILMの重要性が大きいと竹下氏は言う。

 「ベンダーの立場では、システムに関わるのは導入前後のみ。だがユーザーはずっとデータの面倒を見る。ユーザー自身がデータの動きを管理でき、内外に対してそれを説明できるようなシステムが不可欠」

 その上で、サンのストレージ製品では、他社の製品も組み合わせたオープンな環境でのアーカイブシステム構築が可能だと説明する。

 「電子メールやデータベース、ERPなど業務アプリケーションを第一層、そこからアーカイブを作成するサーバを第二層、そしてそれらとの連携が可能なインフラ、すなわちストレージ製品群が第三層。この三階層アーキテクチャのソリューションを、サンおよび各社の製品で構成できる」(竹下氏)

 アーカイブは法令遵守や企業の社会的責任を果たすことなどが主な目的だ。それに加え、最近では環境対策の視点も欠かせなくなってきた。守りの姿勢になりがちな企業に対し、竹下氏は次のように締めくくった。

 「むしろアクティブな気持ちでアーカイブに取り組み、戦略的な投資に生かしてほしい」

ストレージのブレークスルーを実現するイノベーションとは

photo ストレージ・ビジネス統括本部
ストレージ・ビジネス開発本部
ストレージ・コンサルタント部
小須田哲朋氏

 IT業界は、分散と集約の間を揺れ動いてきた歴史がある。どちらにも一長一短あり、企業の成長ステージに応じた的確な投資を目指す上で、その切り分けが大きな課題となっている――サン・マイクロシステムズ ストレージ・ビジネス統括本部の小須田哲朋氏は、このような常識を覆す、革新的なストレージを同社が作り上げたと説明した。

 「新しい会社、あるいは新しい事業やプロジェクトを立ち上げたときのことを想像してほしい。このときのシステム投資は、いきなり大きな資金を集めて大きく行う方法もあるが、まずは小さな資金規模で、小さなシステム投資を行うとする。そのプロジェクトが順調に成長してくると、システム投資を追加して拡張していくが、いずれはどこかでキャパシティ上のボトルネックに突き当たる」(小須田氏)

 ボトルネックを打開したいとき、どうするか。より大規模なキャパシティを持つ新たなシステムに切り替えて集約するか、あるいは小規模なままのシステムを新しく追加して水平展開していくか、という選択に迫られる。

 「人的コストはハードウェア購入費用より高い率で上昇し続ける傾向にある。水平展開ではシステムが分散してしまい、管理に要する人的コストが大幅に増大する」と小須田氏は指摘する。

 しかし、より大規模なシステムに集約するよう切り替えるとしても、大きな投資が必要になることは変わらない。

 「既存のマシンはどうするのか。ゴミになるようではエコではない。どちらにせよ、初期投資を完全に捨てることになる。データなどを集約する作業にも大きな手間がかかり、それもまた投資額を押し上げる」(小須田氏)

 つまり、分散と集約、どちらを取るにしても、コストがかかるというわけだ。このような課題に対し、Open SolarisとZFSの組み合わせがブレークスルーとなるのだという。ZFSの「Z」は、単位の接頭辞だ。「T」(テラ)の1000倍が「P」(ペタ)、さらに1000倍が「E」(エクサ)だが、「Z」(ゼッタ)は、そのさらに1000倍である。

 「ZFSは、その名の通りゼッタバイトまで対応可能な拡張性を持つファイルシステム。ディスク容量は、JBOD(Just a Bunch Of Disks:複数のディスク容量を合成し、単一の大容量ディスクとして扱う手法)のように、いくらでも増やすことが可能。これがオープンソースで提供されている。それを、Open Solarisで扱う。一方、データ保護やキャッシュなどの機能は、高価なRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks:複数のディスクにデータを分散して管理する手法)コントローラを使うことなく、マルチコアCPUの余剰コアで管理する。CPUの進化は早いのだから、エコの観点からも、適切な対応だ」と小須田氏は主張する。

 RAIDによる既存のストレージでは、データ保護などの機能を実現するため、ベンダー各社が機能を作っている。そのため、オープンにすることができなかった。ZFSの採用と、マルチコアCPUの有効活用であれば、自由度は高まる。ストレージに求められる機能は、オープンなOS上のソフトウェアで実現できるからだ。ストレージのオープン化を可能にするというわけである。

 「20年くらい前を振り返ってみると、ダウンサイジングの流れ強まってきた時代だったが、『オープンなんて使えない』という声もあった。それが使えるという信頼を勝ち得るまで、10年くらいかかっただろうか。ストレージにおいても、これからもっと広くパートナーやユーザーの協力を得てコミュニティを作り、オープン化の道筋を一緒に作っていきたい」(小須田氏)

可搬性と高密度実装という新たな可能性も、エコに役立つ

photo マーケティング統括本部
システムズ・マーケティング部
佐藤英樹氏

 最後の講演は、サン・マイクロシステムズ マーケティング統括本部の佐藤英樹氏が行った。内容は、ストレージそのものではなく、先日米国で発売が開始された「Sun Modular Datacenter S20」開発コード「Project Blackbox」と呼ばれるモジューラ型データセンターに関してであった。

 Project Blackboxは、20フィートの標準規格コンテナにラックを組み込んだものだ。外部から電源と冷却用の水、そしてネットワーク回線を供給するだけで使える可搬型データセンターである。全部で8つのラックのうち7つにユーザーの機器を自由に搭載できるため、合計で280RUの搭載能力となる。

 ちなみに、ストレージでいえば、「Sun Fire X4500」を最大限に搭載すると約3PB分の容量に相当するという。

 「Project Blackboxは、さまざまな用途に応用できる。従来のデータセンターに比べると10分の1の期間で展開できるので、例えば既存データセンターを短期間で拡張したい場合、あるいはシステム移行期間や工事現場における暫定的な利用、急成長が考えられるサービスプロバイダのインフラ、さらには災害時に移設可能なデータセンターなど。可能性は無限大だ」(佐藤氏)

 またProject Blackboxでは、エネルギー利用効率を改善しており、高密度コンピューティングを実現できるという。

 「通常のデータセンターの約4倍となる、ラックあたり25kWの電源供給が可能だ。ブレードサーバも高密度に配置できる。可搬型だから、風力などの代替エネルギーを発電する場所の近くに持って行って、送電ロスなく利用するといった使い方も考えられるだろう」(佐藤氏)

ユーザーに利益をもたらす2つのキーワード

 本イベントの中心となったキーワードは、「エコ」と「オープン化」であるといえる。エコについては、環境問題とセットの文脈で語られることも多いが、当日は各セッションを通じ、電力消費やスペースの削減など、経営資源の効率化につながることがコミットされた。

 またオープン化(Open Storage)についても、ベンダーによる制約を回避でき、多くの人が優れたテクノロジーを利用できるというアドバンテージが述べられた。

 有効に活用できるシステム投資をするためにも、サン・マイクロシステムズのストレージ・ソリューションを検討してみてはいかがだろうか。

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提供:サン・マイクロシステムズ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年3月26日

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