シン・クライアントでブレードPCを採用するこれだけのメリット

» 2008年06月23日 10時00分 公開
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今、シン・クライアント導入が求められる理由

 実際のエンドユーザーはなぜシン・クライアントの導入に難色を感じるのだろうか。それは、ローカルPCが持つ高い処理性能やソフトウェアの互換性、何よりも長く慣れ親しんできたPCそのものを業務に使いたいからである。従来はシステムの導入にこうした声が入る余地もあり、シン・クライアントの導入に至らなかったケースが多くあるが、昨今、個人情報保護法やJ-SOXといった外部的な必要性から、シン・クライアントを積極的に検討しなければならない方向に進みつつある。

 IDC Japanの予測では、シン・クライアント関連ソリューションの市場規模は、2012年に約1770億円に達するとしている。これは現在の市場規模からいえばかなりの成長を遂げる市場の1つであり、ベンダーもシン・クライアント事業に対して本腰を据えて取り組む構えを見せている。

「2007年〜2011年の国内シンクライアント市場予測」 「2007年〜2012年の国内シンクライアント市場予測」
(出典:IDC Japan, 2008年4月「国内シンクライアントソリューション市場 2007年下半期の分析と2008年〜2012年の予測:ユーザーニーズと導入事例」(J8090103))

 さらに、シン・クライアントの導入を促進しそうなのが、日本政府が策定している「テレワーク人口倍増アクションプラン」。少子高齢化や雇用の流動化への対策として、在宅勤務などのテレワークを掲げる同プランで推奨されるシステムはシン・クライアントである。総務省も「テレワーク環境整備税制」という税制優遇措置でこれを後押ししており、今後、多くの企業でセキュリティとテレワークをより意識しなければならないことだろう。

 そんな中、日立製作所は2007年、「シンクライアントによるフリーアドレス、高セキュリティ新ワークスタイルシステム」「コミュニケーションを活性化させるワークスタイル改革の実践」といった表彰を受けている。つまり、シン・クライアント、そしてテレワークについての知見を豊富に備えているわけだ。そんな日立製作所が一押しのシン・クライアントを紹介しよう。

ブレードPCでシン・クライアントを構築する時期が来た

 一押しのシン・クライアントを知る前に、そもそもシン・クライアントにはどんな方式があるのかを確認しておこう。

 シン・クライアントを大別すると、「ネットブート型」と「画面転送型」に分類できる。十分に高速なネットワーク内であれば、ローカルのクライアント上にOSをダウンロードして利用するネットブート型は有効だが、外部からの接続などより広い利用範囲に対応できるなどの理由で画面転送型が現在の主流となっている。より集約性を持たせようと思うなら、ここで仮想化環境の利用も考えられる。

 画面転送型では、サーバベース型と呼ばれるものが多くの方にとってなじみの深いものだろう。Citrix Presentation Serverで構築されるものなどがこれに当たる。

方式 メリット デメリット
画面転送方式(サーバベース型) シン・クライアントの実装方式としては普及しており、安心感がある サーバリソースを複数ユーザーで共有することによるパフォーマンス低下のリスクがある。アプリケーション側の対応を確認する必要性がある
画面転送方式(ブレードPC型) サーバベース型のメリットに加え、アプリケーションのインストールなど、クライアントユーザー側の自由度が高い 搭載されるCPUが低速な場合が多い
画面転送方式(仮想PC型) より高密度なシンクライアント環境の構築が可能となる サーバベース型以上に仮想マシンのパフォーマンス管理がシビアになる
シン・クライアントシステムで主流の画面転送型とそのメリット・デメリット 

 

 そして、画面転送型で注目したいのがブレードPC方式である。データセンターなどに設置されたブレードPC1台とシン・クライアント端末1台を対にして利用する方式だ。独立した物理ブレードを各自に割り当てるため、処理性能はそれなりに確保できる。

 しかし、従来のブレードPCにはある弱点があった。限られたスペースの中に、発熱や消費電力などを最小限に抑えたシステム設計を余儀なくされるため、搭載されるCPUがデスクトップPCと比べて非常に低速なものばかりだった。これが先ほど“それなりに”とした理由だ。シン・クライアントによってデスクトップPC以下の処理性能になっては、ユーザーは移行する気になれないものだ。

FLORA bd100 FLORA bd100

 しかし今年4月に、日立製作所が発売した「FLORA bd100」は、インテル Core2 Duoプロセッサを搭載可能なモデルを用意することでこの問題を見事に解決した。これがユーザーにもたらすものは大きい。それは、「Windows Vistaもストレスなく動作」する処理性能を持ったことにほかならないからだ。読者がブレードPCによるシン・クライアント環境の検討を進めれば、Windows Vistaでもストレスなく動作するインテル Core2 Duoを搭載したブレードPCはFLORA bd100以外に存在しないことに気づくだろう。もちろん、メモリも2Gバイト搭載可能になっているのはいうまでもない。

 企業でも、Windows Vistaへの移行タイミングを計っているところは多い。Windows Vistaへの移行はハードウェアの変更と併せて行われることが多いため、経営層としては、ここでシン・クライアント&Windows Vistaという環境へ移行するのがベストであると判断するのは当然だろう。エンドユーザーにしても、デスクトップPCからの移行を阻む壁はもう存在しない。

 日立のセキュアクライアントソリューションは、HDDが付属しない「セキュリティPC」と、本人認証のための「KeyMobile」と呼ばれるデバイスで実現されるが、FLORA bd100には、現在利用しているPCでも接続可能となっている。既存のIT資産も無駄にすることなく、Windows Vistaでもストレスなく動作するシン・クライアント環境を段階的に採用していくことが可能となっている。

必要でないときは電気を消す――これを実現するソフトウェアの魔法

 一般的に、大手ベンダーは多くの顧客のニーズを満たすために、複数のシン・クライアント戦略を推進しており、上述したような方式をメニュー化していることが多い。例えば、総務などあまりPCリソース的に負荷の高くない業務処理はサーバベースの画面転送型、開発など特定の部門や企業の重役が使う場合は個別環境の方を勧めるといった具合だ。そして、他社との差別化のポイントには、独自のミドルウェアによる運用管理面での優位性を挙げて、それぞれ異なる戦略としている。

 ここで、日立製作所が強く打ち出しているのが「グリーンIT」。具体的には、省電力運用ソフトウェア「SAVINGDA Pro」と合わせて使用することで省電力化を実現するものだ。

SAVINGDA Proを利用することでの消費電力削減効果 SAVINGDA Proを利用することでの消費電力削減効果

 SAVINGDA Proは、あらかじめ指定した時刻にクライアントモジュールの電源を自動的にオン/オフすることで省電力化を図るという簡単なソフトウェア。文字にすると当たり前に感じるかもしれないが、旧来のブレードPCを使うユーザーに話を聞くと、デスクトップPCでないためか、電源を切らずに稼働させたままにするケースが多いと聞く。必要でないときは電気を消す――わたしたちが昔から教えられてきたにもかかわらず、いつの間にかできなくなってしまったことに対し、ほんの少しだけソフトウェアの力を借りてその行為の重要性を日立製作所は教えてくれている。

 そうした行為は当然企業としてのコスト削減にも影響を及ぼすことになる。日立製作所の試算によると、デスクトップPCでの運用と、ブレードPCによる運用を比較すると、4年間の電力消費量を控えめにいっても約半分に削減できるとしている。


 画面転送型のシン・クライアントでブレードPCを選択すべき理由はすでに見てきたとおりだが、最後の一押しとなる安心感もお伝えすべきだろう。

 現在、FLORA bd100の最大のユーザー、それは日立製作所自身である。4万台以上のFLORA bd100が同社社員の業務を支えている、当然ながら、信頼できるものでないと自社で採用はしない。そうした自負が製品にも現れている。企業の情報システムとして安心して導入できる1台だろう。

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提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年9月24日