仮想化もパフォーマンス指標も:CTCが新世代Sun SPARC Enterpriseサーバの環境を検証

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)はサンの協力を得て、“SPARC+Solaris環境”における最新版へのバージョンアップに必要な条件を検証。情報システム部門にとって頭の痛い、サーバの更新作業における有用な検証データが得られたという。


販売終了となる旧機種の移行が急務

 現在、サン・マイクロシステムズ(以下、サン)のサーバ製品群は、ラインアップ交代の時期を迎えている。かつての主力だったCPU「UltraSPARC IIIi」を搭載したサーバが販売終了となったのに続き、今後は「UltraSPARC IV」「UltraSPARC IV+」搭載サーバも徐々に移行が必要となってくる。移行先として、サンは「UltraSPARC T1」「UltraSPARC T2」そして「SPARC64 VI」の各CPU搭載サーバを挙げる。ハードウェアだけでなくOSも、Solaris 8や9から、Solaris 10へと移行する必要がある。

 しかし、新しい環境で既存アプリケーションがきちんと動作するのか、ユーザーにとっては不安なもの。またサイジングの目安となる指標も欲しい。そこでCTCでは、サンの協力を得て検証を進めているという。

Sun SPARC Enterprise T5240 Sun SPARC Enterprise T5240

パフォーマンスに加えて旧バージョンOS環境の仮想化も検証

 CTCは以前から、サンの各種サーバについてパフォーマンス検証を継続的に行っている。検証手法は、ベンチマークテストとしてbzipによる整数演算、姫野ベンチによる浮動小数点演算のパフォーマンスを計測するほか、ユーザーが一般的に使っているApacheやOracleデータベースなどのアプリケーションを用い、実際の環境を模したものまで幅広い。検証メニューは基本的に変えていないため、過去のメニューと比較することで、サーバを移行する際の的確なサイジング指標が得られる。

 なお、検証に際しては、サンからの支援が重要な役割を果たしたと、CTC ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 サーバ技術課 青山直樹氏は話す。

 「アプリケーションのパフォーマンス検証に際しては、利用するアプリケーションに特化したチューニングが不可欠です。社内にも各アプリケーションのスペシャリストがいますが、最新サーバのチューニングに関しては、サン、特に米国の技術陣からのサポートがあったからこそ、パフォーマンスを引き出せたと思います」(青山氏)

 今回は、「UltraSPARC IV」「UltraSPARC IV+」搭載サーバと、推奨される移行先として現行世代の各種CPU搭載サーバとを比較した。仮想化環境下で利用するCPUコア数を制限した状態も比較している。

 「例えば16コアのSun SPARC Enterprise T5240 サーバは、8コアの同T5220の約2倍となるスコアを出すなど、ほぼ想定通りの結果でした」と、CTC ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 サーバ技術課の加納愛氏は話す。UltraSPARC T2+を2基搭載しているT5240などは、Apacheを用いたHTTP負荷テストにおいて、CPUパフォーマンス一杯の負荷をかけることが難しく、通常の検証よりも時間を要したとのことだ。

Apacheを用いたHTTP負荷テスト Apacheを用いたHTTP負荷テスト

 「Apacheを単一インスタンスで実行していては、そこがボトルネックになってしまう。HTTPサーバなどの用途においては、T5240のような機種は、仮想化して複数サーバを1台に統合し、フルにパフォーマンスを引き出すような使い方が基本だと考えるべきでしょう」(加納氏)

Solaris ContainerでのOracle8i HA構成も対応を確認

 「UltraSPARC IV」「UltraSPARC IV+」搭載サーバのユーザーにとって、特に気になるのが、最新OSへの移行パスだ。CTCは今回、Solaris 10上に旧バージョン相当の仮想化環境を作り出す「Solaris 8/9 Container」を用い検証を行った。

 Solaris 2.6以降は、最新のSolaris 10までの互換性が確保されている。Solarisリファレンスマニュアルに沿って作られたプログラムであれば、基本的には容易に移行できる。さらにサンでは、パートナーに対して、OSの移行に必要な工数を検証するツールを提供しており、移行前のアセスメントから支援できる態勢を整えている。

 とはいえ、現状のアプリケーションに手を入れず稼働できるならば、移行作業を段階的に進めるなど柔軟な対応が可能になる。また、まずハードウェアを更新してパフォーマンスを向上させ、その後Solaris 10ネイティブへの移行作業を進める、といった戦略も採れる。そこでCTCでは、仮想化環境での移行を検証したという。

 今回の検証では、「Solaris 8上でApache 1.3やOracle8iを使っていて、それをSolaris 10上で稼働させる」というケースを想定した。まず、Apache 1.3をSolaris 8 Container上に移行させるパターンでは、ほぼ問題なく実現できたという。

 次に、Oracle 8iのシングル構成を移行するパターンでは、VERITAS Volume ManagerおよびVERITAS File System(以下、VxVM/VxVF)がContainer上に移行できないことから、Container外のグローバルゾーンでそれらを稼働させてボリュームを管理することにした。同時に、Solaris 10に対応したバージョンに入れ替える必要が生じた。このとき、Container外のVxVM/VxVFが、Container内のOracle 8iとうまく連携できるかどうかが懸案となるが、幾つかのコマンドをVxVM/VxVFに対して実行してやることで、動作を確認できた。

 最後に、VERITAS Cluster Server(以下、VCS)を用いてOracle 8iをHA構成とした環境の移行について検証した。VCSもVxVM/VxVFと同様にグローバルゾーンで稼働させ、Solaris 10に対応したVCSのバージョン5.0を用いなければならない。そのために一手間かける必要があったと加納氏は話す。

Oracle8i + VCS3.5 の移行検証構成図 Oracle8i + VCS3.5 の移行検証構成図

 「VCS5.0にはOralce8i用の監視エージェントがないので、社内のVeritasスペシャリストがOracle8iプロセスの死活監視を行うスクリプトを開発しました。これで、2台のサーバがストレージを共有した構成のまま、移行できました」(加納氏)

新機種についても先行して検証

 サンとCTCの関係には長い歴史があり、その中で深い信頼が培われてきた。今後も、サンから新製品がリリースされるたび、同様の検証作業を行う計画だという。「現在もサンが将来的にリリースする予定のサーバ製品について、そのパフォーマンスを検証中です」とITエンジニアリング室プラットフォーム推進部ベンダーコラボレーション第2課 鈴木淳氏は現在進行中の取り組みについて話す。

 CTCのグループ会社であるシーティーシー・テクノロジー株式会社も、“SPARC+Solaris環境”の保守において、長年に渡る実績を誇っている。その関係は今後も発展していくことだろう。



提供:サン・マイクロシステムズ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年10月25日