グリーンITは「絵に描いた餅」ではない:「REAL」に体感!――サーバルームの省エネ化

グリーンITへの取り組みが必要なことは議論の余地がない。実現のためにはIT機器そのものの対応だけでなく、省エネ効果を高めるためにファシリティも含めた最適化が必要だ。NECでは、ユーザーがグリーンITへ現実的に取り組むための指標となる施設を自社内に設置したという。


グリーンITの現実を体感できる施設

 現在、IT分野で注目されているキーワードとして「グリーンIT」がある。サーバやストレージ、ネットワークなどのIT機器だけでなく、冷却や電源といったデータセンターのファシリティを含めて省電力化し、CO2排出量を削減して地球環境に貢献することを目指そうというものだ。

 環境への取り組みは、今やCSR(企業の社会的責任)の観点からも、企業にとっては避けて通れない道である。その一環として、グリーンITへの取り組みを掲げる企業も少なくない。しかし、現実にはグリーンITの取り組みが進んでいる企業は、まだ少数派だ。

tu_nec_090202_01.jpg NEC ITプラットフォーム販売推進本部 REAL IT COOL 推進センター 泓宏優センター長

 データセンターのファシリティも含めた省電力化に取り組んでこそ、グリーンITの実践につながると理解しているユーザーは多い。だが「グリーンIT対応」のデータセンターを構築するには、相当のコストが必要になる。それに、グリーンIT対応といわれても、実際に運用してみなければ、効果が測定できない。このような事情から「グリーンITが“絵に描いた餅”ではなく、本当に効果があるのか、周囲の状況を見極めてから取り組もうとする企業が多い」と話すのは、NEC REAL IT COOL推進センターの泓(ふち)宏優センター長だ。

 このような企業のジレンマを解決するものとして期待されているのが、NECが2008年11月に開設した「REAL IT COOLプラザ」だという。東京港区のNEC本社ビル「スーパータワー」1階にあるプラットフォームイノベーションセンター内に構築された同プラザは、グリーンITを実現する低消費電力ハードウェア、電力制御のソフトウェア、省電力を支援するファシリティサービスなどを導入した小規模なデータセンター。グリーンITの効果を実際に体感できる、国内では数少ない先進的な施設だといえる。

「REAL IT COOL PROJECT」を具現化

 REAL IT COOLプラザが開設される契機は、NECが2006年7月に発表したITプラットフォームのビジョン「REAL IT PLATFORM」である。NECはこのとき、「地球に優しい」先進プラットフォームの開発と提供を宣言している。当時はまだ、グリーンITという言葉は一般的ではなかった。

 2007年11月には、省電力を中心とした環境配慮への取り組みを加速するために「REAL IT COOL PROJECT」を策定した。本プロジェクトは、REAL IT PLATFORMのビジョンの下、IT環境の省電力化を実現するための技術・製品・サービスを開発・提供する計画と活動を指す。

 「REAL IT PLATFORMでは、NECが提供する製品についての要件を定めたものであり、IT基盤に必要な柔軟、安心、快適を実現するテクノロジーの開発を宣言したもの。REAL IT COOL PROJECTは、そのビジョンに沿った製品を、さらに省電力化する取り組みだ」(泓氏)

 REAL IT COOL PROJECTは、「省電力プラットフォーム」「省電力制御ソフトウェア」「省電力ファシリティサービス」という3つの要素で構成されている。省電力プラットフォームは先進の省電力技術を採用したサーバ/ストレージ製品を指しており、省電力制御ソフトウェアはIT機器の省電力機能を制御して消費電力量を削減するソフトウェア製品を提供するものだ。また、省電力ファシリティサービスとは、IT機器の冷却/電源設備など、ファシリティの効率運用で省電力を実現するサービスを意味している。

 NECはこれまでも、サーバやストレージといったプラットフォームの省電力に取り組んできた。メインフレームやスーパーコンピュータで培った高密度実装技術や冷却技術を応用することで、徹底した省電力化と省スペース化、軽量化を実現した製品を投入してきた実績がある。また、サーバ管理ツール内に省電力制御ソフトウェアを実装するといった取り組みを重ねてきた。「REAL IT COOLプラザは、従来の実績に加え、省電力ファシリティサービスも含めたREAL IT COOL PROJECTの構成要素がすべてそろうことになる」と泓氏は話す。REAL IT COOLプラザは、REAL IT COOL PROJECTの「あるべき形」だといえよう。

実際の設置イメージまで具体的に体感できる「REAL IT COOLプラザ」

 REAL IT COOLプラザは、企業のITプラットフォームを最適化するソリューションの検証の場としてNECが用意している「プラットフォームイノベーションセンター」の一角にある。もともとは執務室として使われていた、わずか25平方メートル(5メートル四方)の小部屋を改装して設置された。配線や空調のために床上げされているプラットフォームイノベーションセンターとは異なり、床設備は従来のまま。ここに、省電力技術を採用したサーバとストレージ、省電力制御ソフトウェア、冷却効率の高い米国APC社のクーリングソリューション、電力損失の少ない電源設備などを運び込み、省エネデータセンター環境を構築した。

 「グリーンITを実現する理想的なデータセンターを構築します、と触れ込むベンダーも存在するが、言葉で説明したり、絵に描いて見せたりしても、ユーザーの環境に設置できなければ現実感がない。われわれは現実的であることを重視し、実際の設置イメージ、そして省エネ効果を確認してもらうためのデータセンターを作った。構築もわずか8日だ。これなら、例えば生産ラインを海外などに移したために空いたスペースにデータセンターを設置したい、より冷却効果の高い企業内データセンターを短期間で構築したい、といった要望に対しても、単なるショールームではない、データセンターとしての機能を、現実解『REAL』として提示できる」(泓氏)

REAL IT COOLプラザの注目すべきところ

tu_nec_090202_02.jpg 写真1:「ホットアイル」の内部。ラックが背中合わせに配置され、出入口はドアで、天井部分は透明のプレートで覆われている。ここに熱を閉じ込め、集中冷却することで、省電力性を高めている

 2008年11月にオープンしたREAL IT COOLプラザには、すでに60社以上の企業が見学に訪れ、REAL IT COOLプラザをモデルとしたデータセンターの商談も始まっているという。

 そのREAL IT COOLプラザの注目すべきところとしては、まずクーリングソリューションが挙げられる。米国APC社が開発した水冷式の局所冷却装置「APC InfraStruXure InRow RC」およびホットアイルを実現する「APC Hot Aisle Containment System(HACS)」を組み合わせたクーリングソリューションは、高い冷却効率を実現するという。仕組みはこうだ。

 ラックの背面同士を向かい合わせてデータセンター内にホットアイルと呼ばれる熱溜まりを作り、更に側面と上面を壁や扉で密閉する。(写真1)発生した熱は、NEC本社ビルの空調用水を一部活用した局所冷却装置で冷やして冷気として外に排出する。ラジエーターや窓枠設置型のエアコンをイメージすると分かりやすいだろう。しかも、空調用水を活用した仕組みのため、一般的なエアコンタイプのものに比べ、電力効率も高い。

tu_nec_090202_03.jpg 写真2:センサーの配置状況と熱の状況が、リアルタイムに可視化される

 もちろんIT設備としては、NECの最新省電力プラットフォームが採用されている。まずハードウェアの省電力性を高めるため、高密度実装が図られた基幹システム向けのブレードサーバ「SIGMABLADE」および、より進化した電力/冷却効率と省スペース性を持つ「Express5800/ECO CENTER」を実装。SANストレージ(iStorage Dシリーズ)にはアクセスのないディスクの回転を動的に制御するMAID(Massive Arrays of Inactive Disks)技術が搭載され、低負荷時の消費電力低減が図られている。

 発熱の様子はセンター全体に設置された感熱センサーにより、リアルタイムに検知される(写真2)。センサーにより可視化された情報を、IT機器を直接制御/監視する「SigmaSystemCenter」、ポリシーベースの省電力運用を図る「MCOperations」、そして統合運用管理ツールの「WebSAM」にフィードバックすることで、管理者は自律的かつ統合的なサーバルーム運用を行える仕組みだ。なお2009年中には仮想化技術を利用して、負荷の高いサーバで稼働している仮想マシンを再配置する計画だという。

tu_nec_090202_05.jpg 温度変化の監視状況に応じ、高負荷サーバから冷却効率の高いサーバへ仮想マシンを分散することで冷却の無駄を解消する仕組みも実装する計画だ

究極の省エネデータセンターを追求

tu_nec_090202_04.jpg 実験用ミニデータセンターとして使用予定のSIGMABLADE

 REAL IT COOLプラザのエネルギー効率は数字の上でも証明されている。データセンターのエネルギー効率を示す管理指標であるPUE(Power Usage Effectiveness)値は、今の時点で約1.5。これは、データセンター全体の消費電力をIT機器の消費電力で除算した数字であり、1に近いほどファシリティの消費電力が少なく、エネルギー効率が良いことを示している。

 「2009年中にも新しいサーバを追加し、サーバの集積度を上げる予定。その時点におけるREAL IT COOLプラザのPUE値は、1.3から1.4になると予想される」(泓氏)

 そして、PUE値を限りなく「1」に近づける究極の省エネデータセンターを追求する研究が、REAL IT COOLプラザを使って行われる。それが、科学技術振興機構(JST)の産官学共同プロジェクト「戦略的創造研究推進事業(CREST)」だ。この事業においてNECは、産業技術総合研究所および東京大学と連携し、「情報システムの調停消費電力化を目指した技術革新と統合化技術」の研究を推進する。具体的には、COOLプラザに設置されたブレードサーバ「SIGMABLADE」などを使用して省エネ効果を検証する予定だ。

 もう1つ、NECは「RIACUBE」の検証にもREAL IT COOLプラザを利用しようと計画中だ。RIACUBEとは、アウトソーシングの実績やプラットフォーム最適化技術を基に、ITインフラの課題を解決するNECの次世代プラットフォームのこと。REAL IT COOLプラザは、RIACUBEのサービスのうち、SaaSとASPサービス基盤の検証が行われるという。

 「NECグループでは、全国に53カ所ものデータセンターを持つ。そのすべてに、REAL IT COOLプラザで蓄積した運用のノウハウを展開し、NEC自身のデータセンター省エネ化を図る。そしてその結果を、ユーザーにフィードバックしていきたい」(泓氏)

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