アプリケーション・デリバリの品質向上には“高性能”が最適解加速するデータ容量とトラフィックの増加に、ネットワークはどう対応すべきか?

クラウドコンピューティングや大容量データストリーミングなどの普及に伴い、ネットワーク越しのアプリケーション利用には、さらなる安定化や品質向上が求められている。ユーザーの体感速度を向上し、期待を上回るサービスレベルを実現するために今、ネットワークには何が求められているのだろう? 現状の課題とその解決策について解説する。

» 2009年07月16日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 さまざまなシステムがWebアプリケーションベースとなり、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)に代表されるクラウドコンピューティング、ブロードバンド回線の普及に伴う映像配信などの大容量データストリーミングサービス、さらにはモバイル端末の利用拡大などにより、企業か個人かを問わず、ユーザーによる快適で安全なネットワークサービスへの要求は一層高まっている。

 こうしたユーザーのニーズを受け、サービス提供者はデータセンターの回線容量やサーバの増強といったシステム拡張で対処しているが、一方で肥大化したシステムの統合や電力消費の削減といった課題に、コストを削減しながら対応しなければならない。サービス品質の向上とコスト削減という、言わば相反する課題を解決しなければならないのが今のデータセンターが抱える至上命題の一つである。では、こうした課題に対応するためにアプリケーション・デリバリ・ネットワークには何が求められるのだろうか?

いま、「高性能」が求められる理由

 インターネット越しでのアプリケーション利用であっても、快適で安定して使いたいというユーザーニーズは昔も今も変わることはない。従来、多くのデータセンターがこうしたニーズに応えるために、高性能・高信頼のネットワーク機器を導入してきた。そして、昨今のさらなるトラフィックの増加やコンテンツの大容量化を受け、「性能」という指標は、質の高いサービスを提供するという観点でますます重要となり、また投資に対する効果を図る上でも最も分かりやすい基準になる。

 ブロケード コミュニケーションズ システムズ(以下、ブロケード)でアプリケーション・デリバリ・スイッチ製品を担当する成田憲吾氏は、「Webベースのサービスが一般化し、ユーザーはさまざまな場所からまさに“いつでも、どこでも”アクセスできるようになりました。つまり、サービスを支えるネットワーク基盤には、より多くのアクセス要求に対してリアルタイムにレスポンスを返し、より高速に多くの処理ができることがますます求められているのです」と、現在の状況を分析する。

 こうした状況は、ネット証券やオンラインメディアなどのサービス事業者においてはより重要度が高い。例えば、ユーザーが実行したあるトランザクションに対して、ネットワーク性能の問題でリアルタイムなレスポンスを返せなかったとすると、サービスに対するユーザーの満足度低下を招くことになる。結果的にはビジネスの根幹を揺るがすことにもなりかねないからだ。しかし、こうした状況は何もサービス提供を生業としている企業だけの問題ではない。というのは、社内システムにおいてもWebアプリケーションの利用が普及の一途をたどり、トラフィックの増加はさらに加速しているからだ。従業員がリモートでアクセスする状況も拡大する中、今後は社内システムにおいてもサービス品質を維持・向上するためにアプリケーション配信における「性能」はより重要度を増していくだろう。

コスト削減とサーバ仮想化をめぐる2つのアプローチとは?

 コスト削減の課題に対応するため、現在多くのデータセンターで進められているのがサーバ仮想化を活用したサーバ統合だ。しかし、アプリケーション・デリバリ・ネットワークの観点で考えた場合、サーバ仮想化をめぐっては2つの考え方が存在することを忘れてはならない。

 ブロケードの成田氏は、「実際にはサーバ仮想化の導入、構築自体にコストが発生する。仮想化システムの運用管理は物理サーバだけの環境に比較すると複雑になり、場合によっては期待したコスト削減効果が得られないこともがあるだろう」と指摘する。つまり、一辺倒にサーバ仮想化を導入するよりも、アプリケーション・デリバリ・スイッチによって物理サーバの負荷を圧倒的な処理性能をもって適切に分散させ、将来のシステム増強にも耐えることができるコストパフォーマンスに優れたネットワークを構築することが、現実的なコスト削減の手段になる場合もあるということだ。

 とは言え、サーバの仮想化は今後もさらに普及していくと考えられており、仮想環境への対応がこれからのアプリケーション・デリバリ・スイッチに求められてくるのは間違いない。この点に関してブロケードの成田氏は、「例えば、各種サーバ仮想化ソリューションと連携しながらレイヤ7で柔軟にロードバランシングを制御することなどが重要となってくる。ブロケードでも、ServerIron ADXシリーズと各種ハイパーバイザーとの連携を進めている」と話す。

Brocade ServerIron ADXシリーズ

 つまり、アプリケーション・デリバリ・ネットワークにおいては、サービスの安定性や継続性に対するリスクやシステムの複雑性、運用効率などを総合的に判断した上で、適切なアプローチを選択することがコスト削減への近道であると言えるだろう。

なぜ、ブロケードは“圧倒的”な高性能とコスト削減を実現できるのか?
〜システムスループットを最大限にする企業DNA〜

 ここまで、アプリケーション・デリバリ・ネットワークに関する重要なキーワードとして性能とコスト削減を取り上げて現在の状況を解説してきた。そして、この2つの要件を満たすべく最先端のアプリケーション・デリバリ・スイッチを提供しているのがブロケードだ。

 ブロケードが提供するBrocade ServerIronシリーズは、1998年に発売されて以降、幾つかのモデルチェンジを経ながらも10年以上にわたって世界各地のデータセンターでアプリケーション・デリバリの品質向上を支え続けてきた。ServerIronと聞いてピンと来た人もいるかもしれないが、実はこのServerIronシリーズは、ブロケードが2008年12月に統合を完了したファウンドリ・ネットワークス(以下、ファウンドリ)が提供していた製品である。

 「ブロケードもファウンドリも“最高性能”を追求するという企業文化を持つ点で共通のDNAを持っていた。もともとストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)という高性能・高信頼が求められるネットワークを実現するためのスイッチ製品で圧倒的なリーダーとしてのポジションを確立しているブロケードと、IPネットワークにおいて高性能なスイッチ製品をいち早く市場に投入してきたファウンドリが統合することで、これまで以上に最高性能を実現した製品の提供が可能になった」と、成田氏は統合のメリットを語る。

 具体的に見てみよう。ブロケードが新たに発表したBrocade ServerIron ADXシリーズは、シャーシ構造を採用し、最大320Gbpsのスイッチング容量を持つ。レイヤ4〜7スイッチングにおける最大スループットは70Gbpsで、DNSクエリ処理は毎秒最大1400万、レイヤ4のトランザクション処理で同1600万、レイヤ4接続では同160万に対応する。各種性能は旧ServerIronシリーズの10倍以上であり、業界内でも最高クラスの性能を実現している。

ServerIron ADX 8000と従来製品(ServerIron 450P)との性能の違い

 実際、米Tolly Groupが5月に実施したアプリケーションスイッチの評価テストでは、レイヤ4トランザクションが500万の場合でのServerIron ADXのCPU使用率はわずか28%程度だったとの結果が出ている。DNSクエリ処理の場合でも550万クエリ時で同33%だったといい、成田氏は「市場で提供されているほかのアプリケーション・デリバリ・スイッチ製品と比較しても、圧倒的な性能を実現している」と、その数値に絶対の自信を持っている。なお、試験環境では測定できなかったが、CPU使用率が100%の場合ではレイヤ4トランザクションが最大1800万、DNSクエリ処理が同1710万に達するとの推測値を発表している。

 さらにServerIron ADXシリーズのモジュラ型モデルにおいては、将来的に100Gbpsを超えるスループットへの対応も予定する。100Gbps超のスループットに対するニーズは、現状では極一部の巨大なデータセンターに限られているが、トラフィック量の増加ペースは年々上昇し続けているため、近い将来に一般企業のデータセンターでも対応の必要が迫られる可能性がある。同社では基本的にスイッチングモジュールやラインカードを交換するだけで、処理能力や回線帯域の増強に対応できるようにする計画だ。

ServerIron ADXのシステム構成と主な機能

 もちろん、ServerIron ADXの特長は性能だけに限定されているわけではない。アプリケーション・デリバリ・スイッチに求められるもう一つの重要なポイントであるセキュリティ面においても、DoS(サービス妨害)攻撃やSyn Flood攻撃にハードウェアベースで対処するアプローチを採用し、他社製品に比較して圧倒的な安全性を実現している。こうしたセキュリティ対策は独自開発のASICで処理しており、スイッチングやロードバランシングの処理へほとんど影響しない仕組みとなっている。

 また、ハイエンドモデルのBrocade ServerIron ADX 8000では最大32基のマルチコアCPUを実装できるため、ロードバランシングの処理を仮想的に1CPUごとに割り当てることで、最大32種類のサービスを1つの機器で対処できるようになる。

【Brocade ServerIron ADXの特長】

  • 圧倒的な性能 : 70Gbpsスループット と 1600万 L4トランザクション/秒を実現

  • 圧倒的な安全性と信頼性 : 1億2000万 SYN/秒のDOSプロテクション、標準ベースのネットワーク監視と広範なヘルスチェックによる即時の障害検知

  • 圧倒的なコストパフォーマンス : 1ギガビットL7 スループット当たりのコストで他社製品比約35%、L4トランザクションあたりコストで他社製品比約40〜70%

  • 圧倒的な相互接続性 : MicrosoftのExchange Server、Office Communications Server、OracleのDatabase Server、BEA WebLogic Server、Hyperion、PeopleSoft、SAPのBusiness Server、SCMなどとの相互接続検証済み


 ブロケードは7月30日に東京、8月4日に大阪でそれぞれユーザー企業が自社のデータセンターにおける取り組みを紹介するセミナーを開催する予定だ。ネットワーク大手2社が一つになったことで、Webサービスを支えるデータセンター・ネットワークは今後どのように変わるのか、ユーザー企業がどのように先端のソリューションを活用しているのかを紹介する。コスト削減とネットワークサービスに品質向上について課題を抱えるデータセンター担当者にとって、今後の方向性を知ることができる貴重な機会となりそうだ。


セミナー情報
タイトル
圧倒的な性能で、圧倒的なコスト削減を!!
データセンターの進化を支える次世代アプリケーション・デリバリ・テクノロジとは?
日時

会場

定員
【東京】
 ・日時 : 2009年7月30日(木)
 ・会場 : グランドハイアット東京(地図
 ・定員 : 100名

【大阪】
 ・日時 : 2009年8月4日(火)
 ・会場 : リッツ・カールトン大阪(地図
 ・定員 : 50名
参加料
無料
主催
ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
協力
アイティメディア株式会社 イベント運営事務局


ホワイトペーパーダウンロード

アプリケーション・デリバリ・コントローラ 10GE L4-7性能&拡張性検証レポート

データ量とトラフィックの増加に対応する次世代アプリケーション・デリバリ・コントローラ「ServerIron ADX」。圧倒的性能を特長とする同製品の、第三者機関による検証結果レポートを公開する。

 データ容量とトラフィックの増加を受け、アプリケーション・デリバリの品質向上のためには圧倒的な高性能を実現するアプリケーション・デリバリ・コントローラが求められている。さまざまなシステムがWebベースとなり、SaaS型サービスの拡大なども、こうした要求の背景にある。

 2008年12月、ファウンドリ・ネットワークスとの統合を完了したブロケードは、次世代のアプリケーション・デリバリ・コントローラ「Brocade ServerIron ADXシリーズ」をリリースした。Brocade ServerIron ADXは、そのアーキテクチャから高性能を実現する設計となっているのが大きな特徴だが、果たして実際はどうなのだろう?本ドキュメントでは、米国の第三者調査機関であるTolly Groupが実施した性能&拡張性検証の結果をレポートとして公開する。

TechTargetジャパン ホワイトペーパー ダウンロードセンターにて入手できます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年8月31日