Fusion Middlewareへの統合で「How」を提供する次世代EPMを実現:「Howが分かるBI」が導くマネジメント・エクセレンス

これまでのBIは「何がおきているか?」つまりWhatまでだった。本当に知りたいのは「どうすればいいか」つまりHowだ。OracleはHowの提供に向け、万を持してOracle Fusion Middleware 11gをリリース。経営者がHowを考える際に、アイデアをリアルタイムにシミュレートできる。自動車での移動中でも可能だ。OracleはHowを知るための新たな考え方「マネジメント・エクセレンス」を推進する。マネジメント・エクセレンスについて、ITmediaエンタープライズ編集長が日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 Fusion Middleware-ビジネス推進本部 本部長の安藤秀樹氏に聞いた。


オペレーショナル・エクセレンスからマネジメント・エクセレンスへ

 「景気後退で企業のコスト削減への意向は強いのですが、BIは例外です」

tu_0901_oracle_01.jpg 日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 Fusion Middlewareビジネス推進本部
本部長 安藤秀樹氏

 不確実性が高い時代の中、企業はさまざまな経営リスクを抱えている。ビジネスの先行きの予測は困難であり、経営者が適切な判断を下すのは極めて難しい状況だ。日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 Fusion Middleware-ビジネス推進本部 本部長の安藤秀樹氏は、経済環境が厳しい状況だからこそ、経営の的確な判断をサポートするBI(ビジネスインテリジェンス)が注目を集めていると説明する。

 多くの企業は、ERPなどの業務アプリケーション製品の導入などにより、企業のオペレーショナルなプロセスの効率化を進めてきた。生産や調達を最適化し、コストの削減や品質の向上を図ってきたのである。Oracleはこれをオペレーショナル・エクセレンスと呼ぶ。だが、企業にとってオペレーショナル・エクセレンスは今となっては当たり前。それだけでは企業間の競争での勝利は難しい。競争力のさらなる強化が求められている。

 経営環境は複雑化している。意志決定において考慮するべき事柄は多岐にわたり、情報を的確に把握した上でタイムリーな決断を迫られるのである。これを実践するための考え方が「マネジメント・エクセレンス(経営管理の最適化)」だ。マネジメント・エクセレンスの実現に必要となる方法論がEPM(Enterprise Performance Management)であり、具体的な手段となるソリューションがBIなのである。

マネジメント・エクセレンスを実現するためのBIの課題

 マネジメント・エクセレントを実現するBIと、従来のBIの違いは何か。安藤氏は「従来のBIは“What”は分かるけれど“How”が分らなかった」と指摘する。Whatとはビジネスにおける現状認識のこと。例えば「売り上げのトップテン」「利益が落ち込んでいる地域」は従来のBIでもすぐに分かった。ここ数年で、可視化というキーワードとともにこうした仕組みの整備をした企業も多い。

 だが、売り上げが落ち込んでいる時に「どうしたら改善できるか」が分からない。リスクを伴う事態が発生した際に生産工程にどのような影響があり、その場合どうすれば改善できるのかが分らないのである。つまり、Howである。「もしこうなったら、あるいはこうやったら結果はどうなるのか」というHowについて示唆するシステムが求められているのである。

 従来のBIはそのような要求に対して十分であったとは言い難い。可視化の要望が企業のさまざまな部署から上がってくれば、情報システム部門はBIツールを与え、エンドユーザーの要望に応えてきた。こういったユーザーの要望を実現するだけでも苦労をするのに加え、部門ごとにレポートを作るようなやり方をせざるを得ない状況に陥っている。こうなると、企業としての情報の一貫性が保てなくなり、情報の正確性も犠牲になる。適切な経営のための意志決定もままならない。

tu_0901_oracle_02.jpg ITmediaエンタープライズ編集部
編集長 怒賀新也

 即時性にも課題があった。データを基幹系システムから抽出して分析できる形に加工するのに手間が掛かるため、日ごとに数字を見たくても実際は週や月単位の情報であることも多い。BIツールを駆使してきれいなレポートが提供されたとしても、情報が古ければ経営判断を支援できない。

 従来のBIは、レポーティングの機能とデータを抽出したり蓄積したりする部分をバラバラに構成している製品が多い。そのため、分析の見方を変えたいといった要望があったとしても、BIの構成要素ごとに修正する必要があった。ビジネスの変化に柔軟に対応しきれない面があったのだ。経営判断を行う重要なデータを扱うので、高いレベルのセキュリティ機能も必要になるが、それについても統合化されていなければ個別の要素ごとにセキュリティ機能を作り込む必要がある。これらの実現は、容易なものではなかった。

OracleのBIはこの課題に対する一つの解答を示している。

Oracle Fusion Middlewareとの融合で実現する統合的ソリューション

 Oracleは、Oracle DatabaseとFusion Middlewareの組み合わせで、統合的なBI環境に必要なIT基盤を提供している。Oracle Databaseや昨年リリースした大規模データウェアハウス向け専用マシンであるExadataなどを活用し、これまで以上に強力なデータウェアハウス構築も容易にしている。一方で、無理にすべてのデータをデータウェアハウスに統合せずとも、Fusion Middlewareの機能を活用して仮想的なデータ統合が実現できるのも大きなメリットだ。

 「仮想的なデータ統合は、データウェアハウスで物理的に統合するよりもはるかに早く実装できるメリットがあります。見たい情報がすぐに見られるようになる。正しい情報をいち早く知りたいというのはすべての経営者の要求です。この要求に対してシステムが追いつかないという言い訳はもはや通用しなくなります」と安藤氏は言う。

 この仮想的なデータ統合は、企業統合の際にも威力を発揮する。企業が異なれば利用するBIの仕組みも異なる。それを無理矢理1つにしようとしても、簡単には実現できない。経営者は企業統合という大きなビジネスの変化が起こった時にこそ大事な意志決定を下さなければならないのに、必要なBI環境がなかなかそろわない。そうしたリスクを回避することも可能だ。

 Oracle Fusion Middlewareには、ETLなどのBIのためのデータ抽出機能だけでなく、SOA(サービス指向アーキテクチャ)機能なども豊富にそろっており、それらを活用してデータの仮想的な統合を柔軟かつ容易に実現できる。Fusion middlewareがOracle EPM Systemをサポートしていることこそが、他社BIソリューションに対する大きな優位性となっている。

tu_0901_oracle_04.jpg 業界初の“統合”された EPM System(画像をクリックすると拡大表示)

Hyperionの買収でWhatだけでなくHowも提供

 OracleのBIを考える時に、最も大きなニュースはHyperionの買収である。Howの提供はまさに買収したHyperionのBI製品「Oracle Essbase(以下 Essbase)」によるものだと安藤氏は指摘する。OracleはWhatについては従来から強力なBI製品「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition Plus」を提供してきた。さらにOracleにはOracle Databaseという強力なエンジンもあり、それらを組み合わせリアルタイムで正確な情報活用が実現できた。これにさらにEssbaseが加わったことで、予測をし、次に何をすればいいかのHowまでサポートできるようになったのである。

 仮に年初に設定していたドル/円の為替レートが、10円上がったらどうなるのか、逆に下がったらどういった影響が出るのか。そういった予測をEssbaseでは容易に行える。1つの変数が変わると、関連する数字すべてが変化する。一見、表計算ソフトでも計算できそうだが、例えば、製造原価を算出するには関連する部品や輸送費、エネルギーコストなど数多くの要素があり、それらすべてを関連づけてシミュレーションするのは容易ではない。Essbaseでは、複雑に多くの要件が絡み合う状況でも、素早く予測できるのである。

 その際に、WhatとHowの部分をうまく連携させるのもOracle Fusion Middlewareの役目である。正確でタイムリーな情報を基に可視化し、そこから予測を行う必要がある。これをIT基盤の面からFusion Middlewareが支えている。

 EssbaseのFusion Middlewareへの統合で、顧客の望むBI環境を柔軟に実装できるのも大きなメリットだ。PCで予測や複雑な分析を行いたいユーザーもいれば、経営者は移動中の自動車の中でタイムリーにレポートを参照したいかもしれない。Fusion Middlewareなら、例えばiPhoneを使った情報検索やレポーティングも可能にする。プログラムを新たに作り込む必要もない。

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 Oracle Fusion Middlewareには、Oracle WebCenter Suiteという製品があり、これを利用すればオープンで包括的な標準準拠のユーザーインタラクションを提供でき、Web統合や多様なソリューションを展開するインタフェースがプログラミングなしに実現できるのだ。

 「WebCenterはいわゆるポータルをさらに進化させたものであり、動画や地図などを簡単にマッシュアップしBIのダッシュボードに融合できます。ユーザー状況に合わせ的確な表現を提供できるのです」と安藤氏は説明する。

マネジメント・エクセレンスを実現する唯一のソリューション

 最後にOracleのBIを選ぶ最大のメリットはどこか安藤氏に聞いた。それは、経営者や意志決定者が見たいと思ったことをすぐに見えるようにできることであり、手組みの開発ではなくミドルウェアを活用することにより開発のスピードと生産性を大きく向上をできるところだと安藤氏は言う。

 BI個々のパーツが優れていることは確かに重要だが、それだけで本当の価値は提供できない。むしろ、データがバラバラに存在していることが問題であり、それを瞬時に統合できないとBI本来の効果を発揮できないのである。

tu_0901_oracle_05.jpg OracleのBIアプリケーション。包括的、事前定義されたべスト・プラクティスに基づく分析(画像をクリックすると拡大表示)

 OracleのBIでは、情報を扱う基盤とBI環境が一体化している。表現部分だけでなく正確な情報を素早く集めることが容易なのである。これを一気に全部Oracleで構築しなければならないわけではない。既存BIへの投資を生かしながら基盤を強化していくこともできるのである。表現部分から入ることも可能なのだ。中核にミドルウェアが存在するために生まれる大きな優位性でもある。

 「Hyperionの買収によりOracleのBIブランドはより確立され、強力で柔軟な基盤と予測を可能にするHowの部分も提供できるようになりました。これがOracleのBIの強みです」と安藤氏。オペレーショナル・エクセレンスで業務の最適化を図り、その上で経営層の判断の質を高めるマネジメント・エクセレンスへ。強力なIT基盤がありマネジメントの最適化が実現できる唯一のソリューションが、OracleのBIなのである。

編集長インタビュー企画 INDEX
【第1回】
SOA&グリッド――使いこなしのポイントは一元管理にあり
(@IT情報マネジメント Special)
【第2回】
オラクルのインメモリ・データグリッドがシステム設計と運用を激変させる
(@IT Special)
【第3回】
「Howが分かるBI」が導くマネジメント・エクセレンス
(ITmediaエンタープライズ Special)

ホワイトペーパーダウンロード

NTTドコモなどのリーディングカンパニー4社が語るオラクルのミドルウェア導入事例(SOA/ID管理)

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 【事例1】SOAによってもたらされた価値と、失敗しない導入
 ─成功ユーザーに聞くSOAの効果と評価─
  出光興産株式会社、エヌ・ティ・ティ・ドコモ

 【事例2】情報システム部門が取り組むべきSOA
 ─ビジネスプロセスのコントロールを取り戻せ─
  インテリジェンス

 【事例3】グローバル・エンジニアリングにおける人と情報アクセスの管理
  千代田化工建設

 (2009年4月実施「Oracle OpenWorld Tokyo 2009」セッションレポート)

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年9月14日


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