導入は最短、成果は最速――新しいBIの選択肢「IBM Smart Analytics System」分析機能の追加/拡張も自在

9月30日に発表された「IBM Smart Analytics System」には、情報系システム投資に対するIBMの先進的ビジョンが詰め込まれている。それだけでなく、実装面までも完全にフォローすることで、「情報から価値を得るまでの期間を短縮する」という。

» 2009年10月05日 10時00分 公開
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 回復の基調も見えてきたとはいえ、依然厳しい現状がある昨今のビジネス環境。経営の舵取りを迅速かつ的確に行うために、そして現場の業務における日々の活動を効果的なものとしていくために、“ビジネスインテリジェンス(BI)”と呼ばれるような情報系システムの重要性が高まりつつある。

 しかし、こうした情報系システムは、業務の自動化や効率化のためのシステムとは違い、すぐには投資対効果が見えにくいという性質もある。特に、その効果については、システムを活用し始めなければ分からない部分が多いため、どうしても事前には曖昧なものとならざるを得ない。現時点では“BI分野のシステムを検討しているものの、なかなか導入の決断に至らない……”という企業も決して少なくないはずだ。

「使わなければ分からない」――従来のシステム構築方法への挑戦

日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 InfoSphere営業部 森英人 部長 日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 InfoSphere営業部 森英人 部長

 「情報系システムというのは、システムを使って得た情報をもとに施策を打って結果が出てようやく価値があるもの。また、最初に必要と思ったレポートや分析が永続的に適切であることはなく、ダイナミックに変化していくものです。まず使ってみないことには始まらないのではないかと、わたしは考えています」と話すのは、日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 InfoSphere営業部の森英人 部長だ。

 しかし、一般的なシステム構築の流れでは、業務処理内容や処理量を確定した上で必要なハード、ソフトのコストを算出するのに対し、「まず使ってみる」アプローチではそもそも導入コストが分からない。情報系システムでは、サイジングも事前には難しいものだからだ。というのも、どれだけの情報をどのように活用するかによってシステムへの負荷は大きく異なり、しかも情報活用の範囲は、システムの利用が進むにつれて拡大していく傾向があるため、どこまで使われるか予測するのが困難なのである。

 ときには、明確な利用ストーリーがあって情報活用範囲を決めておけるようなケースもあるだろう。それなら明確なサイジングができ、導入コストも大きくブレることはないはずだ。しかし、そもそも期待される効果が曖昧であり、まず使ってみようというアプローチの場合は、将来の拡張範囲も予測しづらく、初期費用も明確にはできないため、導入の決断もしづらい。

 まず使ってみなければ分からないのに、“分からないから使わない”と言って導入に踏み切れない。こうした一種のジレンマに陥ってしまいがちなのが、情報系システム投資の大きな課題である。

長すぎる導入/構築期間への反省

日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント InfoSphereテクニカル・セールス 岡口純子氏 日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント InfoSphereテクニカル・セールス 岡口純子氏

 また、構築期間についても課題がある。

 システムのサイジングが無事に済んだとしても、それを受けてシステム構成を設計し、インストールや設定の上でテストや検証を行い、ようやく稼働にこぎつけるのが、普通のシステム構築の流れだ。情報系システムといえど、業務の効率化や自動化を目的としたシステムと、この部分に何らの違いはなかった。順調に進んで半年というのが、一般的なところだろう。

 しかし、多くの業務システムでは稼働を開始した時点から効果を発揮し始めるものだが、情報系システムでは勝手が違う。

 「効果は、分析結果をもとにユーザーが判断を下し、行動した成果として現れてきます。それでようやく回収できる投資です。だからこそ構築に時間を掛けてはいけません」と、同社 ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント InfoSphereテクニカル・セールス 岡口純子氏は強調する。

 ただでさえ効果が出るまでに時間が掛かるというのに、例えば導入に半年も要してしまう。森氏は「この点については、IBMとしても反省点があった」と振り返る。

 「これまでも、IBM製品だけで情報系システムを構築することは可能でした。ところが実際の構築に際しては、ほかのインテグレーターが行うのと同じプロセスを踏むため、同様に数カ月の期間を要していたのです。“すべて自社で揃うのに、なぜそんなに時間が掛かるのか?”と、顧客に指摘されたこともあります。情報系システムには、業務系とは違って、迅速に初期構築を終えて使いながらシステムを発展させていくアプローチが必要だと感じました」(森氏)

「非IT部門の要求にも対応できる」――IBM Smart Analytics System

 こうした点を踏まえて開発されたのが、9月30日に発表された「IBM Smart Analytics System」である。

 サーバやストレージ、データウェアハウスに特化したソフトウエア(ウエアハウス用データベース、OLAP、先進的なデータマイニングなどの機能)を1つにパッケージングし、設定を済ませて出荷。さらに各種サービスまでセットになった、情報系(データウェアハウス&ビジネスインテリジェンス)向け総合ソリューションだ。アプライアンスとして提供されるため、管理も自動化されており、ユーザーの運用負担は最小限で済む。

 IBMによると、IBM Smart Analytics Systemでは、導入期間が最短で12日間にまで短縮されるという。システム規模は処理対象のデータ量によって決められており、現時点では最小で4Tバイトの「XSサイズ」から、最大200Tバイトの「XXLサイズ」まで、6段階が用意されている。このサイズ分けが、導入期間の短縮に大きな役割を果たす。森氏は、次のように説明している。

 「IBM Smart Analytics Systemでは、これまでにIBMがワールドワイドで蓄積してきたノウハウをもとに“この容量なら、この規模のシステム構成でさまざまな検索、分析要求を満たすことができる、またこの構成においては最適化された最高のスループット性能を保証できる”と、あらかじめ定義してあります。事前に使い方を検討したり、厳密なサイジングを行ったりする必要がありません。見積もりも短時間で済み、例えば“どこまで分析するか明確ではないが、50Tバイトのデータを分析したい”というあいまいな要求に対しても、翌日には見積書を出せるでしょう。非IT部門が発する情報系システムへの要求に対し、ようやく迅速に対応できるようになったのです」(森氏)

 導入コストを早い段階で明確にすることができるとなれば、導入への障壁も下がるというわけだ。

従来型の構築手法とIBM Smart Analytics Systemの導入期間の比較 従来型の構築手法とIBM Smart Analytics Systemの導入期間の比較

 柔軟なキャパシティー設計を可能としたポイントは、I/Oスループットを保証する形で、IBM Smart Analytics Systemのサイジングを行ったことだという。これによって、データ量に応じたストレージやサーバの規模を明確にできる。

 「BIにおいて分析要件は変わるもの。いや、むしろ使いながら変えていこう、といった思想で作られたソリューションが、IBM Smart Analytics Systemです」(岡口氏)

 またIBM Smart Analytics Systemは、その柔軟な拡張性も、大きな特徴である。使い込むうちに分析対象を増やしたくなったり、業務規模拡大によってデータ量が増えたりしてくれば、それに応じた強化を、計画停止なしで簡単に実現できる。縦軸に分析機能を追加することもできるし、横軸にスケールアウトすることも可能。しかも製品の開発段階から拡張性の高さを念頭においているため、何をどのように拡張しても、性能の低下が発生することなく、リニアにパフォーマンスが向上するという。

ブロックを積み重ねるように、要件に応じてキャパシティーや分析機能を追加できる ブロックを積み重ねるように、要件に応じてキャパシティーや分析機能を追加できる

 「従来は、複数ベンダーの製品を組み合わせたような場合、ソフトウェア仕様上“拡張可能”とされつつも、ハードウェアの仕様で対応できない、といったことが往々にして生じていました。実際、他社のソリューションではSANスイッチのポートが足りなくてハードウェア追加ができないといったケースもあるようです。IBM Smart Analytics Systemでは、そのような問題は発生し得ません」(森氏)

“オールIBM”の旗のもと、情報系IT市場へコミットする

 IBM Smart Analytics Systemのベースとなった個々の製品も、それぞれ特徴的だ。

 例えばサーバのハードウェアはIBM Power Systems、データベースにはDB2が実装されているが、森氏は「この組み合わせは世界最強」だと自信を見せる。

 「TPC-Hベンチマークの10Tバイトスケールで、2007年以来、トップのパフォーマンスを示しています。一般にベンチマークという指標は、順位の入れ替わりが激しいものですが、いまだ、他社に奪われていません。IBM Smart Analytics Systemではまさにこの組み合わせを、事前にチューニングした上で提供します」

 このパフォーマンスの高さに加え、DB2にはもともと、圧縮率が高くオーバーヘッドがほとんどない、強力なデータ圧縮機能も備わる。この点が、サイジングにおける大きなアドバンテージになっているとのことだ。さらに、パフォーマンスのみならず各機能でもトップクラスだと森氏は主張する。

 「ダッシュボードやレポーティング機能はCognosにより提供されます。OLAP機能としてはDB2を拡張したデータウェアハウス専用データベースであるInfoSphere Warehouseの提供するCubing ServiceやMDC機能により専用OLAP製品に匹敵する能力をカバーしました。そしてIBMが、アルマデン研究所で長年に渡って研究してきたデータマイニング技術、テキストマイニング技術もIBM Smart Analytics Systemに搭載されています。この高度なマイニング技術は、今のところInfoSphere Warehouseでしか利用できません。またDB2が持つワークロード管理機能により、分析ごとに優先順位をつけて処理できるため、例えば重い分析処理を実行中でも、急ぎの処理があれば、そちらを優先するようコントロールされます。業務フローの中で、承認のために最新の分析データを使うような場合にも対応できる、オペレーショナルな情報活用が可能になるのです」(森氏)

 森氏は、IBM Smart Analytics Systemに自信を見せるとともに、IBM全体が、情報系システム分野に対し積極的に取り組むという決意を示す。

 「IBM Smart Analytics Systemについて、“IBMが市場のトレンドに沿って出した、単なるBIアプライアンス”という程度に受け止めて欲しくはありません。われわれIBMは、アナリティクス専門のコンサルティング部門である“Business Analytics & Optimization(BAO)”を組織しており、“オールIBM体制”で、企業の情報活用に対してコミットしていきます。そして、情報系IT投資のスタイルを変えていこうと取り組んでいるのです」(森氏)

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