「JP1」でグループ全体の統合運用管理基盤を構築:システム全体の「見える化」と“にしてつグループ”のIT統制の強化を目指す

西鉄は、グループ価値の増大を目指すさまざまな経営戦略を展開していくための基盤として、2008年にデータセンターを新設し、2009年に統合運用管理基盤を立ち上げた。統合運用管理基盤の標準ツールとして採用したのは、日立の統合システム運用管理「JP1」だ。現在は、ネットワーク監視とバックアップの統合を段階的に進めている。統合運用管理基盤の構築によって、データセンターでの作業は標準化・効率化され、システム全体の「見える化」が進んでいる。今後は、運用管理の高度化と可用性の向上をさらに強化するとともに、グループ全体のIT統制の強化に取り組んでいく。


システム全体の「見える化」を求めて統合運用管理基盤を構築

西鉄 経営企画本部 IT推進部 三宅秀明 課長 西鉄 経営企画本部 IT推進部
三宅秀明 課長

 福岡県を基点に、鉄道・バス路線などの運輸業を中核として、地域に密着した事業を展開する西日本鉄道(以下、西鉄)。100周年を迎えた2008年、にしてつグループ全体の将来ビジョン2018「弛まぬ変革〜高品質、高付加価値の追求〜」を制定し、経営の方向性として、「お客さま、地域からの信頼向上」、「競争力の強化」、「グループ事業価値の拡大」の3本柱を打ち出した。

 「システム面では、運輸会社としての『安全・安心』はもちろん、『新しい事業価値創造』への挑戦が求められています。運用管理の面でも、従来の可用性・信頼性の追求に加えて、業務効率の向上、リソースの有効活用、事業継続性の強化など、さまざまなテーマに取り組んでいかなければなりません」と三宅氏は語る。

 同社は福岡県西方沖地震を契機に、免震対策が行き届いたデータセンターを新設し、分散していたシステムを集中管理することにした。

西鉄情報システム 管理本部 システム運用グループ 藤井卓三 課長 西鉄情報システム 管理本部 システム運用グループ 藤井卓三 課長

 24時間365日のデータセンターの運用は、にしてつグループのシステム開発・運用を担う西鉄情報システムが行っている。

 しかし、運輸業を中核として、流通業、不動産業、レジャー・サービス業など、事業領域が多岐にわたるため、管理するサーバは400台以上もある。しかも、マルチベンダー、マルチOSに加えて、運用管理のルールもツールも複雑だった。

 「運用管理の業務効率を高め、システム全体の可用性を高めるには、システムの全体像を迅速かつ的確に把握できる体制を作らなければなりません。そこで、システム全体の『見える化』を実現するための統合運用管理基盤を立ち上げることにしました」と藤井氏は説明する。

標準ツールとして「JP1」を採用しバックアップ業務の負荷を軽減

 同社は複数の製品を比較検討したうえで、統合運用管理基盤の標準ツールとして、日立の統合システム運用管理「JP1」を採用した。

 2009年3月、統合コンソール「JP1/IM」の導入と同時に、統合運用管理基盤の第1弾の機能として、バックアップ管理「JP1/VERITAS」やジョブスケジューラ「JP1/AJS2」などを利用した統合バックアップシステムをスタートした。

 従来は、システムごとにバックアップツールも異なり、バックアップの完了を確認するだけでも大変な手間だった。

 現在の統合バックアップシステムへ移行したシステムでは、統合コンソールから一括してバックアップを行い、状況チェックも1つの画面上で完了する。

西鉄情報システム 管理本部 システム運用グループ 井浦修 氏 西鉄情報システム 管理本部 システム運用グループ 井浦 修氏

 しかも、システムを含めたフルバックアップに変更したため、データのリストアはもちろん、システムに不具合が起きた際の復旧作業も短時間でできるようになった。

 「JP1により、マルチベンダー、マルチOSのサーバ環境を意識することなく、一元管理できています。シンプルで使いやすく、ジョブスケジューラも、メインフレームに近い設計思想であるため、違和感なく使いこなせます」と井浦氏は語る。

 現在は、新しく開発したシステムのバックアップを統合しているが、システム更改などのタイミングに合わせて、データセンター全体のバックアップ業務を順次統合していく。

JP1の各機能を組み合わせて業務効率のさらなる向上を実現

 2009年10月、第2弾の機能として、「JP1/Cm2」などを利用したネットワーク監視システムがスタートした。

 現在の監視対象は約230ノードで、東京・名古屋・大阪など全国におよぶ。

 「従来は、グループネットワークの監視業務を社外のサービス会社へ依頼していました。これを西鉄情報システムへ移管したことによって、運用管理のノウハウが総合的にグループ内に蓄積される環境が作れました」(三宅氏)。

 「JP1は、グループマップ表示などにより、ビジュアルなインタフェースで、迅速に障害を特定できます」と阿津坂氏は評価する。

 統合バックアップシステムとネットワーク監視システムは連携しており、1つの画面上で一括管理できることは、業務効率の向上とミスの削減に大きな効果をあげている。

 さらに、PHSへの通知やメールの自動送信などの自動通報により、迅速な障害対応も実現している。

インシデントの一元管理で監視ノウハウをナレッジ化

 統合ネットワーク監視システムの構築と並行して、ITプロセス管理「JP1/IM - SS」も導入した。

 「単純に監視作業を重ねていくのではなく、障害発生から復旧までの情報を一元管理し、監視ノウハウをナレッジ化することで、サービスレベルをさらに向上させていきたいと思います」(井浦氏)。

 「まずはインシデントの一元管理を行って、ITILを意識しながら運用プロセスを標準化していきます。さらに蓄積した情報を、問題が発生する前に対策を講じておくプロアクティブな管理や、キャパシティプランニングに生かしていきたいと考えています」(藤井氏)。

グループシナジーを発揮するためIT統制を強化

西鉄情報システム 管理本部 システム運用グループ 阿津坂 勝一氏 西鉄情報システム 管理本部 システム運用グループ 阿津坂 勝一氏

 すでに統合運用管理基盤は、運用管理負荷の軽減、可用性の向上、運用レベルの標準化などの効果を生み出し始めている。

 「システム全体の『見える化』が進み、問題発生を即座に知ることができるようになりました」(阿津坂氏)。

 今後は、統合運用管理の適用システムの拡張として、サーバ監視や資産管理、ログ管理などを進めていくとともに、ディザスタリカバリ対策などにも取り組んでいく。

 こうした取り組みと並行して、同社はグループ全体のIT統制にも取り組んでいる。

 「今回採用したミドルウェア製品など、システム導入基準の標準化を徹底強化し、グループ全体のITを統制することで、グループとしての投資効果を高め、グループシナジーを発揮させていきたい」(三宅氏)。

 今後もJP1は、にしてつグループのシステム全体の「見える化」と、グループシナジーの発揮による「新しい事業価値創造」を支えていく。

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※本記事は、日立製作所より提供された記事を許諾を得て再構成したものです。





提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2010年3月23日