SharePoint 2010で高めるWebサイトの成熟度:広報型Webサイトからビジネスと利益を生み出す企業サイトに改革せよ

企業のWebサイトを、情報を一方的に伝える広報機能から、ユーザーとの対話によって利益を生み出す基盤に変革させようという動きが進んでいる。情報共有やコミュニケーションの基盤としての実績を持つMicrosoftの「SharePoint Server 2010 for Internet Sites」が、企業サイト改革の切り札として注目されている。


無表情な企業サイトはもういらない

 企業のWebサイトは企業の顔そのものである。しかし、その多くは無表情であり、無愛想だ。会社概要や企業理念、事業内容が掲載されていても、大半の訪問者にとってこうした情報が魅力的だとは言い難い。訪れた顧客に微笑みかけ、自社の製品やサービスについて雄弁に語り、ユーザーを楽しませる。時には対話し、顧客に再び訪れたいと思わせる顔を持つ企業サイトが日本にどれくらいあるだろうか。

 今、情報を一方的に伝える広報型のWebサイトから顧客と密接にコミュニケーションし、利益を生み出すWebサイトへの改革が米国を中心に加速している。その背景には、Web 2.0を発端とするWebテクノロジーの進化とそれに伴うソーシャルメディアの隆盛がある。ブログやTwitter、SNSなどのソーシャルメディアの出現は、企業と個人の関係まで変えようしている。米国で起きている企業サイトの変化は、この動きに呼応したものなのだ。

 無表情な企業サイトを放置しておけば、早晩そのWebサイトを訪れる顧客はいなくなるだろう。さらには、無表情であること自体が企業の価値を損ねることにもつながりかねない。

改革を妨げる2つの課題

 とはいえ、企業サイトの改革は容易ではない。それには2つの要因がある。1つは制作体制の問題だ。コンテンツ制作を外注し、社内の担当者は簡単なHTMLをコーディングして、FTPでアップロードするだけというやり方では、コンテンツを迅速にアップデートすることはできないし、コストもかさむ。組織としての横の連携がなおざりにされ、部署ごとにWebサイトを勝手に立ち上げられてしまうような体制も問題だ。企業として統一感のないWebサイトは、とうてい「企業の顔」とはいえない。

 もう1つはシステムの問題である。オープンソースを使ったシステムは、初期導入コストこそ抑えられても、インタラクティブな仕組みを構築しようとしたら手間とコストの壁に突き当たる。安易なホスティングに頼るだけでは、社内システムとの連携も難しい。

 こうした問題を解決するには、Webサイトのコンテンツを作成・発行・更新・破棄できる基盤の構築が不可欠だ。企業サイトの改革が進む米国では、MicrosoftのSharePoint Server 2010 for Internet Sites(以下、SharePoint)が多くの企業で採用されている。その理由は、SharePointが企業サイトを構築する基盤として高い評価と実績を得ているからだとされる。

 SharePointは、もともと企業のイントラネットを構築するツールとして開発された。数多くの著名企業が社内の情報共有・コミュニケーションの基盤としてSharePointを導入しているが、その理由はコンテンツ作成などの情報発信が容易に行え、公開から破棄までのプロセスがサポートされているだけでなく、カスタマイズ性、メンテナンスの容易性も評価されているためである。

 まずコンテンツ作成に関しては、専門性を必要としない敷居の低さが特長である。WebブラウザからWordライクなエディタでコンテンツを作成できるのだ。HTMLの知識は必要なく、テンプレートベースで作成できるのでデザインの統一性も保たれる。これによってコンテンツの作成を内製化できるメリットがある。例えば、担当者はニュースリリースや製品紹介のコンテンツ作成を最も詳しい関係者に直接依頼できる。文章表現や誤字脱字の最低限のチェックは必要だが、コンテンツ作成を外注する場合に比べれば、情報の精度と鮮度が確実に高まり、外注に伴うコストを削減できる。

 社内とはいえ、コンテンツ作成が分散化することでセキュリティやガバナンスが低下してしまうのではないかと心配する人もいるだろう。その不安を解決するのがワークフロー機能だ。イントラネット用向けに開発されたSharePointであれば、ワークフローを走らせ、関係者の承認を得てからページを公開するという手順を実践できる。

for_web1.jpg SharePoint 2010 for Internet Sitesを活用したWebコンテンツの作成フロー

ユーザーとの対話で利益を生み出すWebサイト

 顧客との密接なコミュニケーションによって、利益を生み出すWebサイトに改革することが企業サイトの大きな目標だ。グループウェアとしての出自を持つSharePointは、情報を相互にやりとりする豊富な仕組みを標準で備えており、Webサイト訪問者との双方向のコミュニケーションを可能にするコンテンツを手軽に作成できる。

 例えば、イベントやセミナーの申し込みを受け付けるページ、また、各種のアンケートを行うページはノンプログラミングで作成できる。製品やサービスをユーザーに評価してもらい、その結果をページ内に表示することも可能だ。会員制サイトも作成でき、訪問者に必要な情報を入力してもらうだけでユーザー登録が行われる仕組みもスクラッチで開発するより格段に早く、開発コストを抑えて実現できる。訪問者一人ひとりに特別なページを提供する「パーソナライズ」によって、会員専用の特別なコンテンツの提供も行える。

 その代表例が高級スポーツカーの代名詞でもあるイタリアのFerrariのWebサイト導入事例)だ。同社のWebサイトはSharePointによって構築されている。FerrariのオーナーやファンがWebサイトにログインすると、SharePointのパーソナライズ機能によって、オーナーやファン専用のコンテンツが提供されるのだ。このようなSharePointのさまざまな機能でサイトを構築した結果、同社サイトへのアクセス数は237%、訪問者数は150%とそれぞれ増加した。訪問者1人当たりの滞在時間も26%増加している。

 また最近は、メーカーのWebサイトで製品の開発者自身がブログでメッセージを発信することが珍しくなくなった。あるいは、ユーザーからの意見や感想を製品開発に反映させることも当たり前になりつつある。SharePointにあるブログやWikiなどのソーシャルメディア機能を活用すれば、こうした仕組みも簡単に実現できる。

 バックエンドシステムとの連携もSharePointの強みだ。イントラネットで広く利用されているだけに、Webサイトと企業内システムとの連携はSharePointが最も得意とするものだ。製品の在庫数を商品管理システムから情報を取得してWebサイトに表示したり、訪問者のWebサイト上での行動をトレースしてCRMシステムに蓄積したりできる。バックエンドの基幹システムと連携することで、Webサイトは利益を生み出す存在へと確実に進化するだろう。

for_web2.jpg SharePointでバックエンドシステムとの連携を定義することにより、システム間での情報連携が可能になる

スピードと拡張性で実績を重ねる検索エンジン

 利益を生み出すWebサイトに変革させる手段としてもう1つ注目したいのが、「FAST Search Server 2010 for Internet Sites」(以下、FAST Search Server)だ。

 企業サイトの中には、「検索」が非常に重要な役割を果たすものがある。例えば、日本最大のオンラインショッピングモール「楽天市場」には7000万点を超える商品が登録され、商品のキーワード検索はWebサイトの生命線に当たる。また、さまざまな製品・サービスの価格を比較できる「価格.com」(導入事例)も同様だ。各社では、FAST Search Serverを検索エンジンとして利用している。

 楽天市場や価格.comほどの事業規模ではなくても、検索を必要とする企業サイトは少なくない。機械部品メーカーのWebサイトであれば、品番や用途などの複雑な条件であっても、無数の製品の中から訪問者が求める製品の検索結果が適切に表示されれば、全く新しいルートから受注が舞い込むかもしれない。

 FAST Search Serverは、まさにこうした検索ドリブンなアプリケーションをWebサイト上に実現する検索エンジンである。SharePointと組み合わせることもできるし、既存のWebシステムの検索エンジンとして単体でも導入できる。FAST Search Serverの性能は、楽天市場や価格.comの検索機能を利用するだけで体感できるだろう。その使い勝手やスピード、訪問者に表示する検索結果の精度がFAST Search Serverの実力なのである。

 各社がFAST Search Serverを採用した理由は、検索スピードや検索機能のカスタマイズ性に加え、拡張性の高さにも注目しているためだ。FAST Search Serverは、検索を実現する「インデックスサーバ」や「クエリサーバ」などの個々の機能をコンポーネント化し、コンポーネントごとに増強できる仕組みを持っている。このため、情報量やアクセス数の増加にともなって検索数が増えても、コンポーネント単位で機能を増強できるのだ。成長著しい前述のようなインターネット企業で採用されている事実が、高い拡張性を証明しているといえよう。

本当に価値ある情報を顧客に届ける

 FAST Search Serverの特長には、カスタマイズ性の高さもある。例えば、オンラインショッピングサイトで検索したところ、すでに売り切れた人気商品が結果のトップに表示されたとしたら、顧客は不満に思うだろう。このような場合は、売り切れた商品を検索結果から除外したり、下位に表示したりするようチューニングする必要がある。FAST Search Serverは、チューニングが容易であり、逆に会社が顧客に勧めたい商品情報を検索結果の上位に表示させるということも可能だ。

 また、管理者が設定したルールに基づいて検索結果を分類することもできる。検索結果に「メモリーカード」「DVDドライブ」「マウス」などのキーワードが含まれていれば、「周辺機器」のカテゴリーに分類するという具合だ。あるWebサイトで訪問者が「ノートPC」で検索すると、通常の検索結果とは別に、「周辺機器」のカテゴリーに100件の結果が表示されたとしよう。ノートPC以外の商品の購入も考えている訪問者なら、恐らく「周辺機器」の結果もクリックするはずだ。関連する商品が表示されることで、訪問者の満足度は格段に高まるだろう。

for_web3.jpg SharePointとFAST Search Serverを組み合わせることで、顧客との対話が可能な企業サイトに進化する

 前述のSharePoint 2010にあるパーソナライズ機能と組み合わせれば、より高度なサービスも提供できるようになる。ユーザーの検索履歴をトレースしてお勧めの製品・サービスを表示したり、バックエンドのシステムから情報を取得して、検索結果とマッシュアップさせて画面に表示したりすることもできる。

 ユーザーと対話できるWebサイト、そして、利益を生み出すWebサイトへと進化させるには、「検索」が切り札になる。自社サイトの検索サービスの刷新を考えているなら、まずはFAST Search Serverを検討してみてはいかがだろうか。

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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年4月30日

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