自社とビジネスパートナーをつなぐSharePoint 2010:企業間の安全な情報共有とコミュニケーションの基盤を実現せよ

企業にとって外注先などのビジネスパートナーとの密な情報共有は、ビジネスの成果に大きく左右するが、その実現方法は頭の痛い問題だ。コストを優先して安易に外部の無料サービスなどを利用すれば、セキュリティレベルが低下する恐れがある。“その場しのぎ”の利用や対策ではなく、ビジネスパートナーと安全かつ適切に情報を共有する基盤を整えることが求められる。


安全な情報共有を実現する「エクストラネット」

 現在では、自社だけで全ての業務を完結できる企業は存在しない。業務の分業化やアウトソーシングなど、ビジネスパートナーと連携してビジネスを進めることが当たり前となっている。そこで重要になるのが、情報の共有とコミュニケーションだ。

 製品やサービスの品質を保ちながら、同時に外部環境の変化に柔軟かつスピーディーに対応するには、ビジネスパートナーとの緊密な情報共有とコミュニケーションが欠かせない。ところが、そのための環境をしっかりと構築できている企業は意外に少ない。外注先企業にサイズの大きなファイルを送るため、社外の無料ファイル共有サービスを使うケースは多い。あるいは、パートナー企業とスケジュールを共有するため、社外のASPサービスを一時的に利用するようなケースもある。

 こうした行為は、情報システム部門の承認を得ないまま、各部署が独断で実行してしまうことが少なくない。「ファイルを送るのは数回だから」「手続きが面倒だから」といった理由で繰り返されるこれらの行為は、企業のセキュリティやガバナンスを低下させる。当然、情報システム部門はこうした行為を禁止しなければならなくなる。そうなると、今度は「大きなファイルをやりとりできない!」「発注先の予定が確認できないので仕事が進まない!」といった声が現場から上がるようになる。ただ禁止しただけでは仕事は滞り、生産性が大きく低下してしまう。

 そこで問題を解決する方法として挙げられるのは、ビジネスパートナーと情報を安全に共有できる環境=エクストラネットを構築することだ。

for_extranet1.jpg ビジネスパートナーとの安全な情報共有を実現するエクストラネットの利用イメージ

情報共有とコミュニケーションの場を作り出す

 今、エクストラネットの構築で注目されているのが、Microsoftの「SharePoint Server 2010 for Internet Sites」(以下、SharePoint)だ。もともとSharePointは、企業内のイントラネットツールとして開発された製品であり、その実績は申し分ない。海外はもちろん、国内でも著名な企業が数多く導入している。

 SharePointによる情報共有の“キモ”となるのが「文書ライブラリ」だ。WordやExcelなどのOfficeファイルはもちろん、メールでは送ることが難しいサイズの大きい画像ファイルやCADファイルも文書ライブラリに保存するだけで簡単に共有できる。

 文書ライブラリは単なる共有フォルダではなく、後述するアクセス制御はもちろん、ライブラリ内のファイル検索、タグによる分類、バージョン管理など、インテリジェントな機能が数多く用意されている。

 建設会社であれば、CADの設計図や工事現場の画像を文書ライブラリに保存するだけで関係会社と情報を共有できる。外部のデザイン会社にパンフレット制作を依頼しているなら、文書ライブラリを介して写真や原稿をやりとりできる。ファイルの版も管理できるので、過去のデザインを呼び出して最新のデザインと比較することも簡単だ。

 コミュニケーションや共同作業を促進する機能にブログやWikiがある。プロジェクト責任者がメンバーにメッセージを伝えるならブログが効果的だ。作業の進捗状況、また、注意すべきことや自分の思いをブログで伝えれば、メンバー間のコミュニケーションはより円滑になることが期待される。Wikiもアイデア次第で面白い使い方ができる。パートナー企業と共同でFAQ(Frequency Asked Question)や用語集を作れば、現場にしか分からないさまざまな知恵やノウハウが集まるのではないだろうか。

for_extranet2.jpg Wikiベースの編集インタフェースにより、テキストやWebパーツ、ビデオなどのマルチメディアコンテンツの配置も容易

イントラネットと同レベルの高いセキュリティ

 エクストラネットを成功させる鍵は「セキュリティ」にある。情報共有がスムーズでいくら使い勝手が良くても、セキュリティが確保できなければ危険極まりないシステムになってしまう。特にエクストラネットには直接の雇用関係にないメンバーも参加するため、情報漏えいなどの事件・事故の防止はもちろん、万が一のケースも想定した仕組みを用意しておくことが重要である。

 セキュリティの土台となるのは、システムの利用者を特定して管理する仕組み――つまり、「認証」だ。そこで活躍するのがActive Directoryである。SharePointでは、エクストラネット用にActive Directoryを用意しておくことで、イントラネットと同レベルのユーザー管理を実現できる。

 適切なユーザー管理ができれば、コンテンツのアクセス管理も可能になる。文書ライブラリのファイルに対して、「誰でも表示できる」「A社の社員だけ表示できる」といった設定ができる。さらにWordやExcelなどのOfficeファイルのやりとりが多いなら、IRM(Information Rights Management)の導入も考えたい(※)。Officeファイルのセキュリティを最高レベルに高められ、「A社の○○さんは表示だけで編集と印刷は不許可」「B社の○○さんは編集と印刷まで許可」といった細かい制御も可能だ。

※IRM機能を利用するには、IRMサービスを提供するRMS(Rights Management Services)サーバが必要

 アクセス状況をログで残しておくことも重要である。「いつ、誰が、どのファイルにアクセスしたか」がすべて記録されるので、ユーザーの不正を抑止するとともに、万が一の場合には監査証跡としても利用できる。

 例えば、開発中の製品情報や企業の財務情報、個人情報を含む顧客情報が記されたExcelファイルをやりとりするとしよう。万が一情報が社外に漏れたらダメージは計り知れない。IRM機能でこのExcelファイルを保護しておくことで、ファイル本体が社外に漏えいしても中身の情報が第三者に知られる危険を回避できる。Excelに読み込む際に必ずサーバにアクセスしなければならず、ここで認証を経なければ、内容を読み込むことができないのだ。ファイル本体は暗号化されているため、そもそも解析しようとしても事実上、不可能である。

 IRM機能を使えば、印刷やスクリーンショットの許可/不許可、閲覧期間の設定などもできる。エクストラネットで多くのOfficeファイルをやりとりするなら、検討の余地は大いにあるといえるだろう。

eラーニングやEDIの基盤としても活用

 ここまではSharePointによるファイルの共有とセキュリティについて触れてきたが、これらはSharePointが持つ最も基本的な性能にすぎない。

 SharePointで管理できるコンテンツはドキュメントに限らない。画像や動画を管理でき、ストリーミングによる配信も可能だ。実際に、ある製造業のメーカーではSharePointで構築したエクストラネット上で、取引企業に対してさまざまなeラーニングコンテンツをストリーミング配信している。従来はDVDを作成して送付していたが、SharePointなら動画コンテンツをエクストラネット上のポータルに公開するだけでよいので、eラーニングに関わるコストを大幅に削減できたという。

 また、ある部品メーカーではSharePointによるエクストラネットを基盤に、EDIシステムの構築を検討している。基幹系システムとの連携が容易であり、高いレベルのセキュリティを確保できるため、受発注や決済のデータをやりとりする仕組みとしても、十分運用に耐えると判断したのである。

 パートナー企業にビジネス分析(BI)の機能を提供するためのプラットフォームとして、SharePointを活用する企業も登場した。これはパートナー企業に取引情報を開示して、SharePoint上でExcelサービスを実行し、Excelを利用したデータ分析機能を提供するものだ。こうした分析機能を自社で構築したら多大な投資が必要になるので、パートナー企業のメリットは大きい。サービスを提供する側にとっても、ビジネスパートナーとのパートナーシップを強固にする戦略になるというわけだ。

for_extranet4.jpg Excelによるデータ分析を社内外で共有できる

 ビジネスを進めるためにビジネスパートナーとの緊密な連携が不可欠になった。企業の垣根を超えた情報共有基盤の構築は、どのような企業にとっても優先的に取り組むべき課題になっている。イントラネットの世界で実績を積み重ねてきたSharePointが、そのプラットフォーム構築の有力な選択肢として注目されるのは、ごく自然な流れだといえよう。

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