デルPowerEdge Cシリーズ活用の経済学:サービス事業者が本当に使いたいサーバ機はどれだ

インターネット上で各種のサービスを営む事業者が、サーバの選定と運用でもっとも気にするのは、当然ながらサーバラックの利用効率だ。デルのPowerEdge Cシリーズはこの点でどういうメリットをもたらすか、詳しく見てみよう。


 インターネットサービスを提供している人たちに検討していただきたいサーバ機がある。デルの「PowerEdge Cシリーズ」だ。ホワイトボックスは調達コストこそ安いものの、障害対応や保守の面でユーザ側の負担が大きい、最近各社から発売されている「データセンター専用モデル」は特殊な専用ラックを必要とするなどで扱いにくい、かといって1Uラックサーバではラック効率が不十分 ―― こうした、サーバの調達と運用における悩みを抱えている人たちにぴったりの製品だ。

 デルは世界最大規模のソーシャル・ネットワーク・サービス、米国検索大手5社のうち3社などの大口顧客向けに、個々の顧客の要望に基づいて専用モデルを開発し(Designed to Order:DTO)、供給してきた。こうした専用モデルの中から人気のモデルを、多くのサービス事業者に使ってもらうために汎用製品化したのがCシリーズだ。数万台レベルでの受注を前提としたハードウェアを、誰でも1台から買えるということになる。

dell_pe_zu05.jpg インテル® Xeon® プロセッサー搭載のPowerEdge Cシリーズのラインアップ
※ C410xは、プロセッサーを搭載しない、PCIeキャビネット製品
(クリックすると拡大表示)
dell_pe_zu01.jpg デル システムズ・ソリューションズ統括本部 アドバンスド・ソリューション開発本部 坂本寛章氏

 デル システムズ・ソリューションズ統括本部の坂本寛章氏によると、Cシリーズは「引き算をして最適化したシリーズ」だという。例えばエンタープライズ向けのPowerEdgeサーバでは、サーバ・ハードウェアの遠隔管理機能が重要な特徴の1つとなっている。しかし、ベースボード管理コントローラ(BMC)を使えばIPMIなど業界標準機能を使ってシンプルな管理を行えるため、大規模環境では手厚い管理機能は不要という声が多い。そこでCシリーズでは管理機能を最低限にし、代わりに高密度・大容量メモリ・大容量ハードディスクドライブといったITニーズに対応したデザインとなっている。

 背景としては昨今のクラウドビジネスの拡大が大きく関わっている。クラウドの要素と言えば仮想化が注目されているが、最近では「並列分散処理」・「スケールアウト」と言ったキーワードが多いという。実用段階に入った分散・並列処理技術によりスケーラビリティと可用性を担保しているため、過度な管理機能とサポートサービスは不要ということのようだ。

 ビジネスの武器としてサーバを利用するインターネットサービス事業者にとって、もっとも重要なのはラック利用効率だ。同一の数で、利用するラックスペースを減らすことができれば、データセンター事業者に対するラック利用料のコストをその分だけ減らすことができる。Cシリーズのモデルの1つである「PowerEdge C 6100」で、これを説明する。

 C6100は高密度設計が最大の特徴だ。2Uサイズのシャーシに4枚のコンピューティングノードを収める構成になっている。各ノードはCPUソケット2つにDIMMスロットを12備えている。電源ユニットは、各シャーシに冗長構成で2基搭載。これをノード間で共用する。ハードディスクドライブは、シャーシ前面に1列で2.5インチのディスクドライブを最大24本搭載できる。従ってノードはそれぞれ、最大6基のハードディスクドライブを利用できる。コンピューティングノードとハードディスクドライブはホットプラグ/ホットスワップが可能だ。CPUはインテル® Xeon® プロセッサー 5600番台、およびインテル® Xeon® プロセッサー 5500番台に対応している。

dell_pe_zu02.jpg C 6100では、2Uの高さで4つのコンピューティングノード(すなわちサーバモジュール)を搭載できる。ノード単位でホットスワップが可能

 2Uで4ノードということは、一般的な1Uサーバとの単純比較では2倍の密度だ。ただし、ラック利用効率は、消費電力や荷重などを考慮に入れて計算する必要がある。では、現実的な条件下で、C 6100は2ソケットの1Uサーバ(比較対象としてはPowerEdge R410を用いる)に比べ、どれくらいのラック利用料軽減効果があるのかを、詳しく見てみよう。

 ここでは、250ノード(500プロセッサー)から成るWebサーバファームを、商用データセンターで5年間運用した場合のコストを考える。1ラック当たりの利用料は月額25万円、ラック当たりの耐荷重は1000kg、ラック当たりの消費電力上限は10kVAと仮定する。また、それぞれのラックにはイーサネットスイッチを4台、LCDとKVMスイッチを各1台設置することにする。すると各ラックでサーバに利用できるスペースは36Uということになる。

 R410は、この36Uのスペースをフルに使って36台設置しても、重量と消費電力のどちらも、今回のラック当たりの条件以内に収まる。すると、250ノード(500プロセッサー)を収めるには、250÷36で7ラックが必要という計算になる。

 同じノード数(プロセッサー数)をC 6100で構成すると、どうなるだろうか。スペースだけを考えれば、36Uのスペースには2UのC 6100を18台、72ノード設置できることになる。しかし、18台設置するとラックの消費電力上限をオーバーしてしまう。電力を考えると、C 6100は1ラックに最大53ノード(筐体としては14台)しか設置できない。下図の右端にあるように、ラックスペースには空きができてしまうことになる。

dell_pe_zu03.jpg (クリックすると拡大表示)

 一見、C 6100のほうがラック利用効率は悪そうだ。しかし、1ラックに搭載できるノード数を考えれば、そうした印象はまったく誤りであることが分かる。R410では250ノードを収めるのに7ラック必要だ。しかし、C 6100の場合は5ラックで済む。これはラック利用コストに直結する。5年間のラック利用料は、R410では1億500万円。これに対してC 6100の場合は7500万円。すなわち29%の3000万円も削減できることになる。ちなみに、総消費電力は23%、総重量は63%も減少する。また、1Uサーバの場合と比較して、ケーブル本数や電源ユニットなど障害ポイントになりやすい物理コンポーネント数が減少するため、信頼性と運用性の向上にもつながる。

 もう1つ面白い話がある。

 サーバの中には、業務アプリケーションやファイルサーバ、一部のDBサーバなど、ワークロードはメモリ中心で、プロセッサーに多く負荷がかかっていない環境が存在する。こうした場合には、Power Capping機能を活用するという手がある。Power Cappingとはインテル® Xeon® プロセッサー 5500番台から投入された機能で、サーバ単位にプロセッサーの電力消費上限を設定し、これを適用できる。C 6100では、この機能を標準で利用できるようになっている。上記の計算では、サイズ的には1ラックに18台のC 6100を設置できるはずだが、電力消費の関係で14台しか設置できなかった。しかし、Power Cappingを活用すれば、1ラック当たり18台、フルに搭載できることになる。これにより、ラック当たり性能(プロセッサー数)を32%アップすることが可能だ。このPower Capping機能を使うと、電力消費が設定した上限を超えることはないため、サーバ運用担当者は電力消費についてポリシーに基づいた計画運用が可能となる。

dell_pe_zu04.jpg (クリックすると拡大表示)

 また、サーバ運用においてこのように電力消費を把握・監視・制御することで、データセンター全体としてのTCO削減につなげることができる。特に新しいデータセンターを設置するような場合は、最初からこの機能を考慮に入れると、一貫した電力消費管理ができて楽だ。

 Power Capping機能を設定・制御するため、サーバベンダはそれぞれ独自のツールを提供している。デルでも、エンタープライズ向けのPowerEdgeサーバではデルオリジナルのGUIツールを提供している。しかしCシリーズでは、上述のように独自の管理機能は排除しており、インテルのチップに組み込まれたIntel® Intelligent Power Node Managerの機能をそのまま利用している。コマンドラインベースでこの機能を操作するのは無償でできる(GUIで操作したい場合は、Intel® Data Center Managerというツールが有償で利用できる)。標準的な管理インターフェイスであるIPMI経由でこの機能を使えるので、データセンターやインターネットサービス事業者事業者独自の管理ツールからの活用も容易だ。Sandy Bridge以降もインテルのサーバCPUにおける電力消費管理機能はさらに進化していくことが予想される。デルとしてはこれを最大限に活用していくという。

 ラック当たりの消費電力上限から逆算してサーバCPUを選定するようなケースでも、Power Capping機能は役立つという。消費電力を抑えるために低電圧版などを無理に選ばなくても済むからだ。いったん導入後に、別のラックで再利用したいといったときに、パワーの低いCPUを選んだことを後悔しなくて済むという。

本当にサービス事業者が喜ぶこととは

 PowerEdge Cシリーズで一番に挙げられるメリットは、その実績だ。2010年7月に3モデルが初めて国内発表された。この点ではまだ製品シリーズとして新しいが、前述のとおりすべてのモデルが数万台の納入実績を持つ、こなれた製品だということができる。新製品にも関わらず、安心して提案できる理由は、米国大手サービス事業者の厳しい要求に応えてきた、この納入実績が何よりも雄弁に物語っている。保守についても、デルが全世界で整備してきたサービス網による、PowerEdgeシリーズ共通の迅速な対応が受けられる。

 他社の「データセンター専用モデル」との比較では、さまざまな面で「スタンダード」だということができる。高密度モデルのC 6100でも、特殊な専用ラックではなく標準ラックを使用する。メンテナンスについても、C 6100はコンピューティングノードがホットスワップ可能であり、1枚ずつ抜き差しできるようになっている。一部の他社製品のように、ノード2基が不可分となっていて、一緒にメンテナンス作業をしなければならないといったことはない。

 こうしたハードウェア面での優位性に加え、デルではCシリーズで、オープンソースクラウド環境の運営に向けた最適化に、非常に力を入れている。これを端的に示しているのが、OSやミドルウェアを事前に検証・最適化・導入済みとしたパッケージ・ソリューションの提供だ。残念ながら米国のみでの提供だが、米Joyentとの提携でターンキーのクラウド・プラットフォーム・ソリューションを開発、米Aster Dataとの提携では、いわゆるビッグ・データの解析ソリューションを生み出している。また、Hadoopをインストールし、これに最適化したパッケージは、世界最大規模のソーシャル・ネットワーク・サービスや米国検索大手などに活用されている。オープンソースのクラウド基盤ソフトウェアであるOpenStackをインストールしたソリューションもある。

 こうした取り組みの基にあるのは、オープンソース・ソフトウェアを使いきるインターネットサービス事業者こそ、ビジネスでも成功するという考えだ。単なる動作検証に終わらず、個々のミドルウェアのパフォーマンスを最大限に引き出すための最適化を含めて、デルではノウハウを蓄積している。

 インターネットサービスを提供する人たちにとって、ITインフラ・ハードウェアはビジネスの道具であり、武器でもある。ソフトウェアを含めた、ビジネス・プラットフォームとしての総合的なコスト効率の最大化とともに、標準にこだわり、使いやすさを最優先した設計が、今後もCシリーズにおける最も重要な柱となっていくはずだ。

xeon_logo.jpg

PowerEdge Cシリーズはインテル® Xeon® プロセッサー 5600番台に対応

インテル® Xeon® プロセッサー 5600 番台は、アプリケーションの要求に応じて自動的に消費電力を調整し、スマートにサーバーのパフォーマンスを制御するため、電力効率と性能がいずれも最大限に向上します。



※ Intel、インテル、Intel ロゴ、Xeon、Xeon Inside は、アメリカ合衆国およびその他の国におけるIntel Corporation の商標です。
※ その他の社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。


提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年4月21日