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» 2011年04月25日 10時00分 公開

最適解は「予測し」、「把握し」、「設定する」:きめ細やかな電力管理でサーバの総コストを削減するデルの注目ツールと製品群

安価なハードウェアを購入しても、サーバの導入・運用に関わる総コストの削減には限界がある。電力供給が厳しさを増す中、サーバの総コストを抑制する方法として注目したいのがきめ細やかな電力管理だ。デルは製品に多彩な電源管理機能を実装しており、これらの機能を生かすツールやノウハウの提供を積極的に行っている。

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電力の裏に隠れた削減可能なコスト

 サーバの消費電力に対するユーザーの関心が高まりつつある。背景には、サーバの総コスト(TCO)におけるサーバ本体以外のコストの割合が、サーバ本体のコストをはるかに上回っているという現実がある。現在、1台当たり10万円台のエントリーサーバが販売されている。それに対して、データセンターの1ラック当たりの賃料は5年間の総額で1200〜1500万円にも上る。また、データセンターの消費電力量も右肩上がりを続けている。

 このことは「サーバのTCOを削減できる余地がまだまだ残されていること」を意味する。こう述べるのは、デル システムズ・ソリューション統括本部 アドバンスド・ソリューション開発本部の馬場健太郎氏だ。同氏は、「1ラック当たり10〜12kVAという電源容量の制限から、サーバの増設でそれを超える電力が必要とする場合には、これまでは新たにラックを借り受けたり、分電盤を追加したりといった対応が必要だった。だが、サーバの省電力化や高密度化とともに電源を最適化すればラックの総数も削減できる」と、電源の最適化がデータセンターでの大幅なコスト削減に直結すると指摘している。

 ただし、この取り組みを具現的に進める上で課題も少なくない。例えば、これまで消費電力は施設コストの一部と捉えられてきたため、ユーザーの間で消費電力を細かく管理するという意識が乏しかった。システムを管理するために各種データを管理する仕組みがIT部門によって整えられてきたのとは対照的だ。

 一方で、サーバの電力消費が常に一定でないことへの対応も不可欠となる。当然のことながら消費電力は負荷が高まれば増え、下がれば減る。そして、多くの場合、同一ラックに用途の異なる複数のサーバが格納されている。こうした環境の中で個々のサーバを電源容量のいわば限界まで使い切るためには何らかの新たな仕組みも不可欠となる。万が一対策が不十分な場合には、電源不足からシステムがダウンし、業務に多大な影響を及すことは言うまでもない。

 この課題を解決するためにデルが提案するのが、(1)ラックに格納されたサーバの累計消費電力の把握、(2)実際の消費電力の把握、(3)個々のサーバの消費電力設定を通じたラック当たりの電源の最適化――という3ステップのアプローチであり、そのためにデルが提供するのが「Energy Smart Solution Advisor(ESSA)」をはじめとする電力削減のためのさまざまなツールや機能である。

定格と実際の“差”を認識できるシミュレーション

 まず、最初のステップで利用するのが、Web上に無償公開されているIT機器の消費電力シミュレーションツール「Energy Smart Solution Advisor(ESSA)」である。同サイトでラックやサーバ、CPUの種類と構成などを選択形式で入力すれば、シミュレーションによって総消費電力の試算結果が算出される。

 これを活用して消費電力を算出すると、定格電量とシミュレーションによる電力量が大きく異なることを理解できるはずだ。デルのブレードサーバ「PowerEdge M610」を、1つのブレードシャーシ「PowerEdge M1000e」に16台格納した場合、定格電量では8100ワットであるのに対し、シミュレーションでは半分以下の3600ワットになる。その理由は、「実運用ではサーバがフル稼働しても、定格の半分以下しか一般に電力は利用されない」(馬場氏)ということだが、つまりは定格電力量を基に電源や空調、無停電電源装置(UPS)を用意しても、実際にはコストに見合うほどそれらを活用できておらず、無駄なコストが発生していることを意味する。

ESSAを利用したM1000eによるラック高密度化の試算イメージ

 「古いデータセンターでは電源容量が少なく、最新のサーバを利用しようとしてもラックスペースの3分の1ほどしか利用できないケースもある。だが、現実には未利用のスペースを活用できる可能性が高い」(馬場氏)

シミュレーション結果をモニタリングで検証

 前述した消費電力はあくまで机上での計算だ。電源周りを最適化するには、実際の消費電力量をきめ細かく把握することが大切だ。そのためにサーバを導入し終えた次のステップとして、「Integrated Dell Remote Access Controller(iDRAC)」をはじめとする電源管理ツールなどを用いる。

 システム管理ツールのiDRACは、ラックマウントサーバの「PowerEdge」の電源をリモートから制御する機能を標準で備えている。その機能を利用して、サーバ単体の消費電力や、ワット数と時間を乗じて算出される電力使用量、アンペア、電力のピーク値などの情報を過去7日分にわたって把握できる。電力値をグラフで確認できるなど、分かりやすさも配慮されており、これらのデータを基に適切な電力アセスメントを実施して、シミュレーションと現実との差を明らかにするわけだ。

 もちろん、データセンター内のIT機器はサーバに加えて、スイッチやUPSなど極めて多岐にわたる。それらの電力を全て把握できなければ、ラックを維持するために必要な電力量を算出できない。これを可能にするのが、デルのPDU「Dell LCD Metered PDU」だ。同製品はコンセント別に接続されているIT機器の消費電力を把握できる。機器ごとに事前にしきい値を設定しておけば、上限を超えた場合に機器の負荷を軽減するためのSNMP/SMTPによるコマンド発信機能を備えている。

 「各種のツールを使えばデータセンター内のIT機器の消費電力を把握でき、より適切な電源管理を実施できる。その結果、例えば事前に3つのシャーシを導入してケーブリングなどを完了させ、必要な処理能力に合わせてサーバを追加する方法が取れる。サーバ増設に伴う作業負荷の軽減も見込める」(馬場氏)

同一ラック内のサーバでも個別に設定

 ここまでの作業で実際の消費電力を詳細に把握できれば、次が最終ステップとなる。この段階で用いるのがサーバごとの消費電力を細かく調整する、いわゆる「PowerCapping」機能だ。同機能は事前にラック内の各サーバに対して消費電力の上限を設定し、そのレベルを超えそうなサーバのCPUクロック数を下げることで、消費電力を設定内に抑える。ラック内ではいくつものサーバが稼働しており、アプリケーションごとに重要度も異なるが、Dell M1000eのシャーシ管理コントローラ(CMC)では、同一ラック内で稼働を優先すべきサーバの順位を設定できる。CPUクロック数の低下によって待機状態となった処理は、空いた時間に順次行われ、アプリケーションに問題が発生する心配はない。

PowerCappingによって処理できなかったLoadを空いている時間に処理し、設定した電力しきい値を超えないようにする

 「実際には、給与計算など特定の時期に集中処理が求められるアプリケーションがいくつもある。アプリケーションを稼働するサーバごとに優先度を設定しておけば、それらの処理に問題が生じることもなくなる」(馬場氏)

 デルはハードウェアメーカーとして、サーバ内の各種モジュールの消費電力を把握してサーバのさらなる省力化を実現する標準技術の製品への実装に長らく取り組んできた。CMCによって各サーバの消費電力や温度をリアルタイムに一元的に把握する仕組みや、システム全体の冗長性を維持しながら供給過剰となる不要な電源モジュールを自動的にスタンバイモードにする「Dynamic Power Supply Engagement」技術など、製品に実装された幾つもの省電力機能は、同社のこれまでの経験とノウハウに裏打ちされたものである。

e電源負荷が低い場合は一般的にAC/DC変更効率が低くなる。DPSEでは負荷が低い場合に不要な電源をオフにすることで、高いAC/DC変換効率を維持する

 いずれも標準技術がベースとなっており、他社製品や管理ツールとの連携も容易だ。デル ラージエンタープライズ マーケティング コミュニティ テクノロジストの小薗井康志氏は、「高度な電源管理は難しいと思われがちだが、そのために必要な製品や技術、ツールは既にそろっている。新たな知識やノウハウも、当社のコミュニティーサイトの“Dell テックセンター”で積極的に提供しているので、ぜひ活用していただきたい」と話している。

 近い将来、多くの企業が仮想化技術の普及を背景にプライベートクラウドを本格的に利用するようになるとみられている。その運用フェーズでは、投資対効果の算出やクラウド利用に関わるコストが細かく問われるだろう。例えばユーザー部門ごとにラックの賃料や人的なコストのほか、電力コストも含めて必要なコストを詳細に計算することが求められることが容易に推察される。

 そのための方法をデルは包括的に提供している。「新たな仕組みを整備する時に、電力コストを変動費に移すことができればITコストに関わる固定費を削減でき、その分のコストを戦略的な投資に回すことができる」(馬場氏)

電力最適化のノウハウを公開する「Dell テックセンター」

 デルの製品や管理ツールには、電源周りの最適化を支援する多彩な機能が搭載されている。だが、「具体的に活用している企業はまだまだ少ない」(馬場氏)という。同社ではIT技術者向けに製品や技術の情報を提供・共有するコミュニティーサイト「Dell テックセンター」で、同社の技術者が機能やツールの使い方など、具体的なノウハウの情報発信に力を入れている。

 同サイトでは、文章と画面のキャプチャーを交えながら、テーマごとに分かりやすく省電力化のポイントなどを解説している。情報発信を担当するのは小薗井氏だ。「東日本大震災の影響から計画停電に見舞われた地域の企業では、上司が担当者に消費電力を尋ねるようなことが増えているようだ。担当者の相談に応えようと、消費電力をテーマしたコンテンツも増やしていく」という。

Dell テックセンター

 紹介されたノウハウの中には、比較的簡単にできるものが多い。BIOSの設定によるサーバの電力最適化もその1つである。「計画停電に合わせて設定すれば、作業そのものは数分で完了する。社外の技術者との交流を通じて今後もデータベースサーバなど幅広い製品に関するコンテンツを提供する。テックセンターを電力対策にとどまらない“ノウハウの塊”にしたい」(小薗井氏)。同社ではTwitterで寄せられた質問を基に、勉強会を定期的に実施している。インターネットと勉強会を利用して管理者の業務に役立つ貴重な知見も得られだろう。

 このように、デルが提供するITコストの最適化を実現するために必要な機能やツールは、ユーザーがすぐに利用できる状態にある。同社では効果的な電源管理やコスト削減を支援するノウハウも公開しているだけに、ぜひ積極的に活用してはいかがだろうか。

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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年5月31日