ブレードサーバで実現するネットワークの集約:10GbE を効率良く利用できるNICパーティショニング(NPAR)の魅力とは?

社内ネットワークの通信能力は今や10Gbpsに達するまで高速化を遂げており、このネットワーク帯域を最適に利用する方法として注目を集めているのが10ギガビットNICを分割して利用する「NIC パーティショニング(NPAR)」だ。サーバのTCOを削減するためにこれまでさまざまな機能を実装させてきたデルのブレードサーバ製品「PowerEdge Mシリーズ」に、また1つ新たな武器が備わった。


“集約”がサーバにもたらすメリット

 企業で利用されるサーバは増え続ける一方だ。こうした中、サーバの運用管理の効率性を高める上で欠かせないキーワードが“集約”である。このことについてデータセンターを例に考えてみよう。

 データセンターでサーバを運用するにあたっては、当然ながら設置スペースに見合うコストを負担する必要がある。その額は、一般的に1ラックあたり5年で1000万円を超え、サーバの本体価格をゆうに上回る。だが、サーバの機能をより小さな筐体に集約できたとしたらどうだろう。当然ながら1Uあたりの設置台数を増やせて、必然的に設置スペースを削減できる。ひいては余分なラックの返却を通じて設置コストも大幅に軽減され、IT投資の効率性を大幅に高めることができる。ブレードサーバが先進的な企業から注目を集めるのはまさにそのためなのだ。

 同様のことは、ネットワークについても言える。仮想化やWeb分散処理の普及により、サーバ一台あたりのLANポート数へのニーズは高まり、サーバには一般に4〜8本ものLANポートが求められている。そしてその接続ケーブル数は設置台数に比例して増えることになる。仮にサーバを5台利用した場合、LANケーブルの数は20〜40本となり、加えて筐体ごとに電源ケーブルやKVM(Keyboard Video Mouse)スイッチ用のケーブルなども接続される。これほどの数のケーブル配線を整備するのは決して容易ではなく、また逆に多数のLANポートを収納できるサーバモデルにのみ選択が縛られ、管理コストを押し上げる原因になっているのが現状だ。

 この状況を大きく改善するものとして今、注目を集めているのが、10ギガビットイーサネットのNICを8つ(ポートあたり4つ)に分割できる「NIC パーティショニング(NPAR)」である。NPARは、ブレードサーバとともに利用することで、物理的なネットワーク経路を最大1/4に集約することができ、結果的にLANケーブルやネットワークスイッチなどの物理コンポーネントを削減し、サーバの管理性を大幅に高めることが可能になる。

nic_pic1.jpg 10G NIC Partitioning (NPAR) とは?

 その他、物理コンポーネントを減らすということは、本来、必要としていたコンポーネントの電力も不要となり、障害になりうる物理的な結線を減らすことでシステムとしての信頼性を向上することにも繋がる。

 もっとも、NICを分割するというアイデアは決して目新しいものでなく、同様の機能を備えたサーバは従来から存在した。だが、その採用にあたってはいくつか考慮すべき点があった。デルのコンピューティング&ネットワーキング統括本部でエンタープライズ・テクノロジストを務める南部憲夫氏は、「以前の製品の多くは、特定ベンダーの独自技術をベースにしており、利用するには高価かつ特殊なスイッチを併せて導入する必要があった。その分一般的なスイッチよりもコストがかさみ、将来的に選択肢の無い特定のベンダーに囲い込まれる状況にもあった」と説明する。

 だが、NPARに対応したデルの製品であれば、いわゆるネットワークベンダーやストレージベンダーなどの業界的に標準化された技術を採用しているため、上位と接続するネットワークスイッチなどは、様々なベンダーの対応した製品を選択することが可能になる。 将来的なシステムの拡張性などを考慮すれば、自ずと選択すべき製品といえるだろう。

nic_pic2.jpg デル コンピューティング&ネットワーキング統括本部 エンタープライズ・テクノロジスト 南部憲夫氏

ここでNPARの機能について触れてみたいと思う。NPARの特徴の一つとして、分割したNICの経路ごとに、帯域の優先順位を設定することができる。この機能が必要となる理由は、一般的にネットワークには遅延を許容できる経路とできない経路が存在するからである。サービスや管理などの用途のネットワーク(ここではLAN)とiSCSIやFCoE(Fiber Channel over Ethernet)を利用したストレージ用途のネットワーク(SAN:Storage Area Network)を例に挙げてみると分かりやすい。LANで利用するプロトコルは、そもそもパケットロスや遅延を想定されて実装されているが、SANに関しては、多少の遅延やパケットロスが発生しただけでも、ストレージへのタイムアウトが発生し、場合によっては、システムを再起動しないと復旧できない状況にもなる。NPARは、これらLANだけではなく、SANも集約できることを想定しているため、LANのトラフィックがSANの経路への影響を防ぐ上では、優先順位の設定は無くてはならないテクノロジの一つだ。

nic_pic3.jpg NPAR機能を実装するBroadcom 57712-K NDC。PowerEdge Mシリーズ M710HDに搭載されている

NPARの設定方法は?

 NPARの設定作業は、実に簡単に行うことができる。デルのサーバ製品群にはOSやBIOS、RAIDなどの設定を行うためのユーティリティが組み込まれており、NPARの設定作業もそこで一元的に実施する。1つのアダプタには2つのポートが用意されており、合計8つ経路に分割することができる。それぞれについて、最大帯域を100Mbps単位で設定できる。実際のサーバの利用シーンを踏まえ、各NICに割り当てた最大帯域の合計値が10ギガビットを超えるように設定(オーバーコミット)することも可能だ。

nic_pic4.jpg ウィザードベースのセットアップユーティリティ

 また、これらの分割されたNICは、OSからは物理的な複数のネットワークとして認識されるため、設定自体もネットワークごとに独立して行うことが可能である。

nic_pic5.jpg OSからは合計8つのネットワークとして認識

 これほどのインパクトを秘めたNPARに対する関心は、着実に高まりつつある。とりわけクラウドを自社のビジネスとして手掛けるなど、多くのサーバを利用する企業ほどその傾向が強いという。

 「新しい技術だけに採用に難色を示す企業もある。しかし、より多くのサーバを利用する企業ほどNPARで享受できるメリットも大きい。そうした層を皮切りに普及が始まり、その信頼性が明らかになることで、利用の裾野も着実に広がるはずだ」(南部氏)

サーバのTCO削減に必要なこと

 サーバのTCO削減のために不可欠なことは、まずはこれからのプラットフォームの正しい選択方法を理解することが重要である。今回は新たなテクノロジとして、ブレードサーバを用いたネットワークの集約を中心とした紹介であったが、その他、ブレードサーバについては、管理機能や消費電力についても優位点があり、デルはこの点についてより詳しく紹介する少人数制のワークショップ「デル ブレードサーバワークショップ」を定期的に開催している。これからのサーバ業界のトレンドやテクノロジを知る上では、このようなワークショップに参加してみることも一つの良い機会になりそうだ。

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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年8月21日


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