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» 2012年05月08日 10時00分 UPDATE

Smarter Computingの実現に向けた現実解とは:企業ITの新たな地平を切り開くPureSystems

企業活動におけるITの重要性がさらに高まる中で、多くの企業がシステム整備や運用にまつわる課題に頭を抱えている。これらのコストをいかに削減すべきか――。その1つの“解”としてIBMが2012年4月に全世界で同時に発表したのが、コンピューティングシステムの新分野と呼ぶ「エキスパート・インテグレーテッド・システム」だ。

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歴史を動かす“切り札”

 今や企業のビジネスを支える基盤として、情報システムが不可欠であることは言うまでもない。だが一方で、ITがこれほどまでに広く浸透したことで、その整備や維持に多くの企業が頭を悩ませている。技術革新によりITの構成要素が増え、システム構造がますます複雑化する中にあって、システムの整備期間は長期化する一方だ。

日本IBMの橋本孝之社長 日本IBMの橋本孝之社長

 加えて、より高度な意思決定のために構造化、非構造化を含めた大量データを扱うことが企業において求められている。いわゆる“ビッグデータ”時代の到来によりサーバの台数も年々増加し、その結果、運用管理コストも右肩上がりを続けている。日本IBMで代表取締役社長を務める橋本孝之氏は、「ITへの投資支出に占めるサーバ管理費の割合は、1990年代中盤の約3割から今では7割にまで達するほど。システムのオープン化が進み、多様な技術の登場によって、ハードウェア自体の価格は下落し続けているにもかかわらずだ」と指摘する。

 環境変化に迅速かつ効率的に対応し、情報の価値を引き出せる仕組みを実現する上で、これらの課題は避けては通れない。IBMが次世代のITインフラのビジョン「Smarter Computing」を打ち出したのも、まさにそのためだ。Smarter Computingでは、データを真の意味で活用するための多彩な技術が提供され、クラウドなどを通じてシステムの整備期間も抜本的に短縮するという。

 その実現を加速させるべく、IBMは2012年4月に汎用機やアプライアンスなどの良さを併せ持つ、新分野のコンピューティングシステム「エキスパート・インテグレーテッド・システム」を発表。第一弾となる製品ブランドが「IBM PureSystems」である。

「IBMは今年で創業101年目を迎える。PureSystemsは次なる100年のスタートを切るための、極めて重要なカテゴリの製品に位置付けられる。今回の製品発表は当社にとり、歴史的に大きな転換点となるはずだ」(橋本氏)

専門家の知見や経験を“パターン”として実装

 PureSystemsはサーバやストレージ、ネットワーク資源など、システムに必要とされる構成要素を一体化して提供する製品である。共通のハードウェアコンポーネントである「IBM Flex System」に仮想化アプリケーションまで含めて統合した「IBM PureFlex System」と、ミドルウェアまで組み込んだ「IBM PureApplicaiton System」の2製品から成る。CPUにはIntel系プロセッサとPOWER7、OSにはAIX、IBM i、Linux、Windows、仮想化ハイパーバイザにはVMware、Hyper-V、PowerVM、KVMなど、いずれも業界標準のオープンな技術を採用。前者ではIaaS(サービスとしてのインフラ)が、後者ではPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)環境を1台で実現する。

日本IBM 専務執行役員 システム製品事業担当の薮下真平氏 日本IBM 専務執行役員 システム製品事業担当の薮下真平氏

 最大の特徴は、長年にわたりシステムの導入や運用で培ったIBMの専門家の知見、経験を“パターン”として実装することで、これまで専門のシステム要員が実施していた高度で煩雑なシステム構築作業を、簡単な操作で実施可能にした点にある。パターンには、クラスタやDB接続といったシステムのトポロジー、OSやミドルウェアのパラメータ、ポリシー(JVM、スケーリング、ルーティング、ログ)、コンポーネントとリンク、エージェントのモニタリング、セキュリティなど、システムのあらゆる設定項目が含まれる。

 企業はこれまで、さまざまな手段でシステム展開の効率化に取り組んできた。ただし、いずれの手法にも課題が残されていたのが実情だ。例えば、汎用機を用いたアプローチでは、柔軟性は高められるものの、構築に少なからぬ時間とコストを要し、アプライアンス製品の場合には、素早い導入が可能であるが機能面で用途を限定せざるを得なかった。クラウドは俊敏性や弾力性が極めて高いものの、ITリソースを他社と共有した際には、セキュリティ面でリスクがあった。

 対して、PureSystemsではパターンによって、いわばシステムの挙動を規定。それらを使い分け、目的に最適化された多様な仮想アプライアンスを、効率的に生成する仕組みを整えることで、既存手法の“いいとこ取り”を実現した。日本IBMで専務執行役員 システム製品事業担当を務める薮下真平氏は、「仮想環境の構築に必要な時間はわずか4時間。その後のアプリケーションの導入も数分から1時間もあれば完了する。加えて、システムの調達、導入、運用、更改といったITライフサイクルの各局面でこれまで必要だった手順を簡素化できる。調達においてはサーバやストレージ、ミドルウェアなどを個別に検討、設計し発注する必要はなく、最適化された1つのインフラとして購入できるのだ」とメリットを強調する。

システムの実装や運用を一元管理

 IBMはミドルウェア製品群「IBM WebSphere」において、プライベートクラウドでのアプリケーション環境の構築支援を目的にしたアプライアンス製品「IBM Workload Deployer」を提供。同製品は事前に用意されたパターンにより、最適化されたシステムの実装を支援するものである。その利用を通じて、例えばJavaアプリケーションにおけるガベージコレクションの適切な設定も実施される。

 PureSystemsのソフト面においてはWebSphereの開発部隊を中心に、そこでの経験やノウハウを基に開発された、仮想化環境でのパターンベースの自律実装を推し進めている。パターンはIBMに加えユーザーやパートナーも独自に作成でき、すでに100社を超えるISV(Independent Software Vendor)も提供を表明。ユーザーはIBMと認定パートナーとのコミュニティサイト「IBM PureSystems Centre」を通じてパターンのダウンロードや、ソリューションや業種、システムなどの切り口から検索が可能だ。

ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者の牧野正幸氏 ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者の牧野正幸氏

 日本でもワークスアプリケーションズ、アピウス、ビーコン インフォメーション テクノロジー(ビーコンIT)、クラステクノロジーが「Ready For PureSystems」として認定を受けており、システムに最も適した形でアプリケーションが実装される。ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者の牧野正幸氏は、「日本企業のグローバル展開が加速する中、われわれはアプリケーションの共通プラットフォームとしてクラウドの研究開発に力を入れてきた。PureSystemsによって、オンプレミスからシームレスにクラウドを構築することが可能になった。PureSystemsを用いることで、日本の業務制度をそのまま海外に展開でき、各種データをグローバルでも容易に活用できるというわけだ」とPureSystemsへの期待を隠さない。

 PureSystemsでのシステム実装と運用において、大きな役割を果たすのが統合管理ツール「IBM Flex System Manager」である。システムの構成要素はネットワークからハードウェア、仮想マシンまで多岐にわたり、従来はそれらを個々に整備、運用してきたことが管理工数の増大を招いていた。対して、Flex System Managerは全構成要素を一元的に管理。サーバの運用監視、ストレージのボリュームの切り出し、ネットワークスイッチの設定、仮想化ソフトウェアの設定、仮想マシンの運用管理までを、ミドルウェアやアプリケーションも含めて統合管理できる。物理環境と仮想環境(PowerVM、VMware vSphere、Hyper-V、KVM)の混在管理も可能だ。

 環境整備に必要とされる作業は、Flex System Managerの管理画面から最小でわずか4回のクリック操作だけという簡便さだ。これにより、前述のパターンがシステムに適用される。また、運用面では事前に標準環境を定義しておくことで、Flex System Managerが更新を要するシステムを自動的に検出するとともに管理者に通知。1回のクリック操作でファームウェアやソフトウェア、Flex System Manager自体の更新も完了し、構成管理のための手間を大幅に軽減する。

 障害発生時にこれまで労力を要していた問題の切り分け作業も、Flex System Managerにより自動化を実現。あらかじめ設定したしきい値により、システムの挙動異常を検知した場合には、VMWareと連携して仮想サーバを別の区画に移動させるといった障害の自律予防機能などを備える。

「万一、Flex System Managerにトラブルが発生した場合にも、システムは独立して稼働し、それらを人手で管理することができる。そのため、システムがブラックボックス化するリスクはまったくない」(薮下氏)

システム最適化を通じてライセンス費を8割減

 PureSystemsはすでに一部の先進的な企業において導入され、大きな成果を上げているという。例えば、ある製造業のユーザーはERP環境の移行に用いることで、システムの最適化を通じたコア数の大幅減を実現。その結果、ソフトウェアライセンス料が約8割、金額ベースで380万ドルも削減されたという。また、新サービスの配備期間を数週間から1日以下にまで短縮した銀行や、地域の店舗運営向けのプライベートクラウドを活用することで、運用コストと総ITコストの双方を5割以上も削減した小売などの事例も見られる。

 IBMでは今後、仮想マシンのイメージファイルを相互にやりとりするための標準規格であるOVF(Open Virtualization Format)などを用い、他社と広く連携してパターンの拡充に取り組む考えだ。ひいては、オンプレミスにおいてもクラウド環境の整備が広がり、ユーザーが標準化技術のメリットを幅広く享受することが可能になるというのがIBMの描く将来像である。

 なお、PureFlex Systemのモデルは、小規模から中規模までに最適なインフラストラクチャ環境を提供する「Express」と、ストレージとネットワークのサポートを含む、アプリケーションサーバのためのインフラ環境を提供する「Standard」、拡張性のあるクラウド環境に適したインフラ環境を提供する「Enterprise」の3つを用意する。

 また、PureApplication Systemでは、96コアと1.5テラバイトメモリを搭載する「PureApplication System W1500-96」から、608コアと9.7テラバイトメモリを搭載する「PureApplication System W1500-608」までの4モデルが提供される。PureApplication Systemには6.4テラバイトのSSD(Solid State Drive)ストレージと48テラバイトのHHDストレージ、システム全体に対するアプリケーションサービスの使用権も付与する。

 PureSystemsによって、企業システムの新たな地平が切り開かれつつある。

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年6月7日

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