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» 2012年09月06日 10時00分 UPDATE

“人”中心のアプローチで変革を実現:ソーシャル時代のコラボレーションツールに求められる要件とは?

スマートデバイスの普及を追い風に、企業でもようやく本格的に活用され始めたソーシャルツール。多くの相手とのリアルタイムな情報交換によってコラボレーションを促し、イノベーションの創出に貢献すると期待される。そのメリットを最大限に引き出すべく、IBMは「IBM Connections」を中心にソーシャル機能の実装をいち早く推し進めてきた。ソーシャル時代のIBM Connectionsは、具体的にどんなメリットをユーザーに提供するのか。アイティメディア エグゼクティブプロデューサーの浅井英二が話を聞いた。

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ソーシャルが注目を集めるこれだけの理由

浅井 IBMは企業向けのソーシャル製品やサービスの強化を早くから表明して、そのための機能実装を「IBM Connections」などで積極的に推進しています。なぜ今、ソーシャルなのか、その狙いを教えてください。

ibm_mr_matsuura.jpg 日本IBM ソフトウェア事業 Lotus事業部 第一クライアント・テクニカル・プロフェッショナルズ 部長 松浦光氏

松浦 当社がソーシャルに力を入れるのは、組織を超えてさまざまな情報をやりとり、共有するという社員同士のコミュニティーが企業の競争力を大きく左右し始めたという紛れもない事実があるからです。例えば、企業活動のグローバル化に伴って国境を越えたM&Aが加速しています。しかし買収を完了しても、当初期待したほどのシナジー効果を上げられていないという企業からの相談が当社に数多く持ちかけられています。企業統合を成功させるうえで、買収先とコミュニケーションを図りながら企業文化を作ったり、合意を形成したりすることの重要性を買収後に改めて気付いたものの、そのための準備が十分ではなく、相手へメッセージを伝達することに苦労しているケースが少なくありません。

 また市場の成熟化に伴う顧客ニーズの多様化が進み、企業活動にはさらなるスピードも求められています。新商品やサービスの開発では社内外を問わず、より多くの人の声に耳を傾けながら短い期間で意見を集約しなくてはなりません。そこでは従来のように発言力のある人の意見だけでなく、声は小さくとも質の高い意見も確実にくみ取ることができる仕組みが不可欠になっています。

 リアルタイムに多数の相手とメッセージをやりとりできるソーシャルツールは、これらの課題克服に極めて効果的です。さまざまな“つぶやき”が意思決定やコミュニケーションなどに幅広い効果をもたらすと期待されています。

浅井 スマートデバイスの普及も追い風になっているのでしょうか。

臼井 そうですね。誰でもネットワークにつながるようになった結果、ワークススタイルも着実に変化しつつあります。いつでも、どこでもさまざまな情報へ簡単にアクセスできるようになってきました。

 これまで企業は、暗黙知を可視化して広く活用しようとナレッジマネジメントに取り組んできました。ただ、そのために要する手間から取り組みがなかなか奏功しなかったという事実もあります。しかし、ソーシャルツールによって人のプロフィールや過去の経験などを簡単に把握できるようになり、企業活動で生成される情報量が爆発的に増えつつある中では効率的な情報検索のために、人を切り口にしたフィルタリングの重要性がさらに増しています。

社内で成功を収めたコミュニケーション・ツール群

浅井 情報やナレッジが「ファイル」から「人」に移りつつあるということでしょうか。

臼井 その通りです。実際にソーシャル化が進む中ではテキストや画像、動画など、あらゆる情報が人を中心にやりとりされるようになっています。

 IBMの戦略コンサルティング・グループが企業のCEOを対象に2年ごとに行っている「IBM Global CEO Study」の2012年版調査からも、CEOの最大の関心事が「市場の変化」から「テクノロジー」に着実に移りつつあることがうかがえます。これは即ち、ビジネスプロセスの効率性向上や、コミュニケーション変革に向けたテクノロジーへの期待が着実に高まっているということを意味します。われわれはその期待に応えるべく、最新のソーシャル技術を積極的に製品に取り込んでいるというわけです。

浅井 IBM Connectionsにはどのような機能が用意されているのでしょうか。

松浦 IBMでは社内のテスト用クラウドサイト「TAP(Technology Adaption Program)で、技術者が作り上げた多様なソフトウェアの検証を常に行っています。IBM Connectionsは、そこで成功を収めた要素技術の集積と言え、ブログやWiki、ソーシャルブックマーク、各種ファイルの管理など、部門を超えた情報共有だけではなく自らのビジネスの成長に必要な機能を備えています。いつまでに、誰が、何をすべきかといったプロセスを整理するためのTo Do機能もあり、よくあるプロセスをテンプレート化して再利用する機能も提供しています。さらに、さまざまな意見を集約する際に、投票感覚で優れたアイデアを選択するといった使い方もできます。

 ソーシャルメディアに書き込まれた情報は揮発性が高く、短期間のうちに流れ、すぐに見えなくなってしまいます。過去の書き込みを参考したくても、その情報を探し当てるための苦労も決して小さくありません。その点を踏まえ、IBM Connectionsの「お勧め」ウィジェットではソーシャルネットワークやさまざまなアプリケーションから、ユーザーに関心のありそうなコンテンツを提案するといった、情報の再利用性を高めていける機能も数多く実装しています。また、「コミュニティー」では個々のプロジェクトで誰がどのくらい貢献しているのか、何が起きているのかといった情報をビジュアルに表示し、その他のアプリケーションに埋め込むこともできるようになっています。加えて周辺製品と連携させることで、各人の一連の発言の文言までをも分析し、発言傾向を可視化するといったこともできるのです。

浅井 社内ソーシャルネットワークを活性化するため、優れたファシリテーターをアサインするといったアナログ的な手法を用いることも多かったと思います。IBM Connectionsは、それをツールとして使うことによって、自ずと部門を超えた情報共有によるコラボレーションとイノベーションが促進されることを目指しているわけですね。

臼井 はい。その実現に向けて次世代のコラボレーション環境を研究する「Project Vulcan」では「Activity Stream」という仕組みを実現し、IBM Connectionsの最新版に採用しました。Activity Streamはいわゆるタイムラインのことですが、Atomフィードを拡張した技術を利用してTwitterやLinkedIn、Facebookといったソーシャルメディア、SAPなどの基幹業務システム、CRMやSFAなどの情報系システムから情報を収集し、IBM Connectionsの画面上にそれらの情報を一目で確認できるよう表示します。さらに、そこから承認処理を行うといったことなどもできるようになります。

 一般的に業務の最中はPC上でメールやスケジューラーの画面を開いていることが多いと思いますが、IBMではIBM Connectionsを「標準的な」デスクトップと位置付けています。

浅井 時代とともにデスクトップ環境も確実に変わっていますね。私の周りでも若い世代は既にメーラーやカレンダーではなく、Twitterやfacebookが前面に出ていることも珍しくなくなりました(笑)。

企業でのソーシャル利用のメリットとは?

浅井 IBMは社員間のコラボレーションの仕組みとして「Lotus Notes/Domino」も提供していますが、今後はIBM Connectionsとどのようにすみ分けていくのでしょうか。

ibm_mr_usui.jpg 日本IBM ソフトウェア事業 Lotus事業部 第一クライアント・テクニカル・プロフェッショナルズ ITスペシャリスト アライアンス・パートナー担当 臼井修氏

臼井 Lotus Notes/DominoとIBM Connectionsでは情報に対するアプローチが異なり、Lotus Notes/Dominoは、業務内容に即して簡単にアプリケーションを構築できる点が最大の特徴です。ナレッジマネジメントがうまく進まない理由の1つに俗人的な知識を形式化することの手間が挙げられますが、Lotus Notes/Dominoではアプリケーションの使われ方に沿って自然とそこでの成果物が情報として蓄積されていきます。コラボレーションにおけるLotus Notes/Dominoのこういった役割は今後も変わりません。

 人を起点にして情報を探すというようなソーシャル的なコンピューティングではIBM Connectionsがその役割を担います。もっとも、Lotus Notes/DominoにもActivity Streamを取り入れていくので、将来的には両者を融合して、いわば「良いところ取り」のコラボレーション基盤を実現したいと考えています。

浅井 ビジネスシーンにおけるソーシャルソフトウェアの利用に対して、その効果を疑問視する声を少なからず耳にします。

松浦 「ソーシャルソフトウェアの具体的な用途を想像しづらい」という声があるのは確かです。社員がランチに何を食べたのかを書き込んでみたところで、その情報は組織にとってどんな得があるのかと(笑)。しかし、実際にはさまざまなシーンで活用できるはずです。

 例えば、営業担当者が顧客台帳に登録されている住所データを変更したいという場合、従来はまず台帳の管理者を探し、次に管理者へ文書で申請を出します。承認を経てようやく作業が行われ、変更が完了するまでには相当な時間がかかることがありました。IBM Connectionsを利用すれば、営業担当者はプロフィールの検索からすぐに管理者を見つけ出せます。管理者の在席状況も分かるようにできるので、その場で申請すれば短時間のうちにデータの変更を完了できるようになります。

 海外では小児病院において、成功例の共有や最新の症例を複数の病院で距離を越えて議論し合うために採用されたケースがあり、新プロジェクトのメンバーを選定するといった活用事例もあります。患者数が増えたからといって急に病棟を増やしたりすることはできませんが、ソーシャルの仕組みを活用すれば、遠隔地であっても救える子供の数を増やすことができます。

 また、IBMは世界中で同一の製品・サービスを提供しますが、顧客への提案の仕方などは国や地域、さらには担当者によって独自の工夫が盛り込まれていることがあります。そこでIBM Connectionsのファイル共有やTo Doなどの機能を活用しながら、各地の担当者が実践しているノウハウを参考にしつつ、ベストプラクティスとして全世界で共有できるようになりました。それと同じことが国内で多くの都道府県に営業所を展開している企業でも様々なコストや時間が必要な転勤を伴わなくても期待できます。

 PCなどの画面情報の共有や電話との連係といった、リアルタイム性の高いコミュニケーションをより実現していくための機能拡充も進めていますので、社員同士のコミュニケーション、製品開発やマーケティングといったシーンでの情報収集などをもっと密に行えるようになるでしょう。

Activity Streamによるストレスの無い情報共有

松浦 また、Activity Streamでさまざまシステムから取り込んだ情報をきっかけに社員間でのコミュニケーションをさらに促していくという効果も期待できます。目的に応じて情報を集約する、いわば「ハブ」として役割を担うことで、ソーシャル上を流れていく重要な情報を見落とす心配もありません。

 「ソーシャル」と聞いて、まずイメージするのはSNSのようなコンシューマー向けのサービスでしょう。しかし、それらでは社内情報の活用といった踏み込んだ使い方までは難しいでしょう。IBM Connectionsでは企業が長年をかけて整備してきた情報システムをソーシャル化し、社員が次のアクションを確実に実行できるようにするための基盤を整えていけます。場所を問わず、いつでもメッセージをやりとりできるというメリットによって社員の即応力を高め、Activity Streamのような仕組みで情報伝達を自動化していけばそれ以上のメリットを生み出せるだろうと確信しています。

浅井 単独のツールか基盤か、個々の機能の星取表では差が無くとも、既存の基幹システムと連係できるかどうかで、効果は全く違ってきます。IBM Connectionsは今後、人の手を直接介さなくとも情報共有できるようにしていくということでしょうか。

臼井 その通りです。しかも、その結果として情報の流通経路がさらに多様化しますので、ユーザーが思いも寄らないようなイノベーションを創出できるでしょう。

 ソーシャルに対する企業の関心は着実に高まってきましたが、いざソーシャルソフトウェアの運用を始めてみると、使い勝手や機能の制約などから業務への適用が進まず根付かないケースが散見されます。しかし、IBM Connectionsは企業利用を前提にした機能を装備しているので、汎用的なソーシャルツールの活用に失敗した企業から「IBM Connectionsを検討してみたい」という問い合わせをいただくケースが少なくありません。今後もわれわれは、企業がソーシャルを利用していけるよう支援するべく、さらなる機能の拡充に継続して取り組んでいきたいと考えています。

ibm_tidan.jpg エンタープライズ・ソーシャルの可能性について語る松浦氏と臼井氏

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年9月30日

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