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» 2014年09月10日 10時00分 UPDATE

利用者視点を欠いたスマートデバイス導入は失敗する:先進事例に学ぶ、社員が職場で躍動するための統合型モバイルソリューションとは?

スマートフォンやタブレット端末の登場は企業ビジネスの世界にも大きな影響を与えている。社員の働き方を変革し、業務の効率化を実現――こうしたビジョンとなる「モバイルワークスペース」を提唱するのがシトリックス・システムズだ。

[PR/ITmedia]
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ビジネス環境はオフィスからモバイルへ

 昨今の企業ITが抱える課題は、特にユーザー環境において一昔前から大きく様変わりしたようだ。オフィス内ではフリーアドレス制を採用し、在宅ワークを推奨する組織が増えつつある。社内で行っていた業務の続きを外出先で行いたいというニーズや、協力会社とのスムーズな情報共有を行いたいというニーズも多い。使い慣れた私物の端末を業務に使わせるBYOD(Bring Your Own Device)を採用する企業も増えてきている。

シトリックス・システムズ・ジャパン チャネルアンドマーケティング本部 プロダクトマーケティング部 マネジャーの松田雅仁氏 シトリックス・システムズ・ジャパン チャネルアンドマーケティング本部 プロダクトマーケティング部 マネジャーの松田雅仁氏

 企業側にとっても、大災害などに対応できる業務継続性や、企業買収・統合時の事業承継など、新たなITの課題が浮上してきている。加えて、上述したユーザーニーズに対応するため、新たなセキュリティ対策、コンプライアンス対応が求められているという点も見逃せない。

 こうしたニーズの高まりの要因となっているのは、スマートフォンやタブレット端末などに代表される「スマートデバイス」の台頭であろう。業務に耐え得るパワフルなスマートデバイスが登場してきたからこそ、新しい働き方やビジネスに対するニーズと、それに伴ったIT課題が生まれたのだ。

 従来の企業ITと言えば、サーバクライアント型のオンプレミスシステムを、有線ネットワークで接続し、開発ベンダーのソフトウェアスイートによって、全従業員に差のない“画一的”な環境が提供されるものだった。ビジネスは“会社”を中心として展開され、物理的に閉じた環境で、社員全員が同じようなスタイルで業務を遂行するのが一般的だったからこそ、このような古い環境でも問題はなかった。

 しかし、働き方の多様性を追求するのであれば、システムも変化しなければならない。これからの企業ITは、会社ではなく“人”に重きを置いて、無線ネットワークとクラウドサービスを活用することで、いつでも、どこでも利用できるものでなければならない。画一的なソフトウェアを提供するのではなく、個々に必要なツールをアプリケーションストアから入手する個別最適化のスタイルが適している。

 まさに仕事の舞台は、“オフィス”から“モバイル”へと移ろうとしているのだ。

新しい業務環境を実現する「モバイルワークスペース」

 こうした変革に対して、シトリックス・システムズが提唱するITのあり方が「モバイルワークスペース」である。同社のチャネルアンドマーケティング本部 プロダクトマーケティング部でマネジャーを務める松田雅仁氏は、その意味を次のように解説する。

 「場所にとらわれない働き方、新しい業務フロー、新しい業務環境、のすべてを実現するため、デバイスやユーザー、利用するネットワークやクラウドを問わず、アプリケーションやデータ、サービスをシームレスに利用でき、セキュアでパーソナルされたワークスペースを提供するものです」

 モバイルワークスペースを構成する要素は5つ、PC上での仮想化された「デスクトップ」とモバイル「アプリ」、デバイスや場所を問わずあらゆる「データ」にアクセスし、遠隔地にいる社内外のユーザー同士でも「コラボレーション」できること、そして個々の環境を重視する「パーソナル」である(図1)。

図1 生産性向上、業務改革するのに必要なポイントとは 図1 生産性向上、業務改革するのに必要なポイントとは

 これらのいずれかが欠けても、モバイルワークスペースは実現できない。つまり、ポイントソリューションではなく、ITシステム全体で統合されたソリューションスタックが必要である。シトリックスは、モバイルワークスペースを実現するシステム/サービスを包括的に提供している。図2は、それらのソリューションスタックを製品・技術別に整理したものだ。

 松田氏は、モバイルワークスペースの要素の中でも、特にパーソナルが重要だと述べる。流行に乗り遅れまいと、スマートフォンやタブレットなどデバイスの導入のみを進めた結果、エンドユーザーになかなか活用してもらえず、IT管理者の負担ばかりが増しているという状況に悩まされている企業は少なくない。その糸口となるのがパーソナルだ。

 「特に貸与デバイスは“会社のもの”という意識が強く、利活用の妨げになっていました。私物を業務に用いるBYODだけでなく、企業の貸与デバイスを私的に利用するCOPE(Corporate Owned, Personally Enabled)の観点も考慮して、自由に使える環境を提供する必要があります。“自分のもの”という意識を高めることで、愛着を持って積極的に利活用してもらえるようになります」(松田氏)

図2 モバイルワークスペースアーキテクチャ 図2 モバイルワークスペースアーキテクチャ

スイスの厳しい交通事情を支えるレーティッシュ鉄道の挑戦

 スイス東部を中心に400kmもの路線網を持つレーティッシュ鉄道では、厳しい自然環境の中、安全で効率的な経営を行う必要性に迫られていた。同社の路線網には、厳しい天候にさらされる地域も多く、道路が封鎖されると唯一の交通手段となるため、高い信頼性と安全性が求められていた。

 同社は、たった1400人の従業員で険しいアルプスに広がる路線をサポートするためには、世界遺産にも登録されるほどの歴史古い鉄道に対して最先端の技術を融合させる必要があると判断した。

 スタッフの数が少ないため、必然的にほぼ全員が路線網内のいずれかの場所で何らかの業務に従事するというスタイルが採られている。彼らは、どこにいても統一された運行情報や技術資料にアクセスできなければならない。また、離れて作業するスタッフが、スムーズにコミュニケーションをとれる基盤も重要だ。同社は単にモバイルの導入だけでは、管理負荷が増すだけで、効果が得られないことを分かっていたが、このプロジェクトは急務で、1年間でデバイス配布とシステム統合を進める必要があった。

 そこで同社は、モバイルワークスペースの実現に向け、シトリックスのソリューションを採用するに至った。プロジェクトは順調に進み、最初の半年でインフラの仮想化と統合、残りの半年で業務アプリケーションやデータへアクセスするシステムを構築し、スタッフにデバイスを配布できた。

 導入の効果として、問題の解決スピードが大幅に改善し、スタッフはより重要な顧客対応へ集中することが可能になったという。また、デバイスのCOPE運用も可能となり、スタッフにさまざまなデバイスを活用してもらえるようになったという。

 松田氏は、「これほど導入がスムーズだったのも、当社が包括的なソリューションスタックを提供できるためです。また、レーティッシュ鉄道のように“どうすればスタッフにモバイルを活用してもらえるか”という観点が重要なのです。レーティッシュ鉄道のCIO(最高情報責任者)が話すには、あえてデバイスで“遊んでもらえる”環境を構築、デバイスに触れてもらう機会を自然に増やすことで、モバイルの業務活用が大幅に進んだとのことでした。このような点がプロジェクトの成否を握っていると言っても過言ではありません」と述べる。

モバイルの企業導入を成功に導くカギとは?

 松田氏によれば、モバイルワークスペースを実現するにあたって鍵を握るのが「エンタープライズモビリティマネジメント(EMM)」であるという。

 モバイルデバイスは、利用シーンも機種も多種多様であるほか、気軽に持ち運べることから、データセキュリティに対する懸念も根深い。BYODやCOPEを考慮するのであれば、プライバシーの問題も解消しなければならないだろう。デバイスのOSもPCに比べるとバラバラで、バージョンアップや世代管理に気を配る必要がある。

 モバイルワークスペースは、PCも含めた総合的な業務環境を考慮するものであるが、特にスマートフォンやタブレットについて、このような管理上の問題をクリアするためにEMMを考慮しなければならないというわけだ。

 「スマートデバイスを導入しただけでは、ユーザーが使いたいと思っている環境と、IT管理者が提供する環境とにギャップ(App Gap)が生じ、生産性の向上には結び付きません。例えば、ある便利な機能を使いたいと思っても、セキュリティ上の懸念などから、IT管理者が提供してくれないという状況です。そのためユーザーは、スマートフォンのストアから勝手にアプリをダウンロードして使い始め、リスクを生じさせます。コンシューマー向けのクラウドストレージアプリは、その顕著な例です」(松田氏)

 ユーザーが求めるコンシューマー向けアプリが有する自由で利便性の高い機能と、IT管理者が求めるセキュリティ要件とコンプライアンス要件の双方を満たし、両者の“App Gap”を埋めるのがシトリックスのモバイルソリューション「XenMobile」だ。

 XenMobileの構成要素は、デバイスマネジメント、アプリマネジメント、データマネジメント、生産性向上とコラボレーションの4つに分類される。

 「スマートデバイスを導入するとき、多くの企業ではMDM(モバイルデバイス管理)ツールを導入しますが、これではデバイスマネジメントしか実現できません。MDMは、IT管理者のニーズしか満たさないのです。XenMobileは、あらゆる種類のアプリ、データ、デバイスの安全を維持し、適切に管理できるEMMソリューションなのです」(松田氏)

 モバイルワークスペースを前提とし、デバイスを個人のものとして使ってもらえるように自由度を与える場合には、ユーザーとIT管理者の両者にとって優位ないくつかの特長をXenMobileは持っている。

 例えばBYODやCOPEのように、業務アプリと個人のアプリがデバイス上で混在する場合、テキストのコピー&ペーストやデータの受け渡しなど、情報漏えいのルートが複数発生することになる。しかし、あらゆるデータの受け渡しを拒否する構成では、メール添付やドキュメントの編集などが一切不可能になり、利便性に欠ける。

 そこでXenMobileでは、アプリ間のデータ連携を「信頼できるアプリ同士(Restricted)」「すべて可能(Unrestricted)」「すべて不可(Blocked)」の複数パターンから選べるようになっている。

 また、XenMobileでは、メールやWebブラウザ、ファイル共有やドキュメント作成などのビジネスアプリ群「Worx」を用意する。これらは単なる機能としてではなく、業務のワークフローを意識した統合アプリケーション環境として提供されているのが特長だ。

 「例えばミーティングの資料を作り、メールに添付して参加者に送り、必要に応じて複数名で編集して、オンラインミーティングに臨むというような場合、従来のアプリでは非常に困難です。XenMobileならば、モバイル上でも快適に業務を遂行できます」(松田氏)

 そうしたセキュアで有用なビジネスアプリは、「App Store」や「Google Play」と同様に、アプリストア「Worx App Gallery」上で提供されており、ユーザーが必要なアプリを自身で選んで導入できる。もちろん、IT管理者側で統制することも可能だ。

 モバイルワークスペースに向けたEMMの導入は、レーティッシュ鉄道のように包括的に行うのが望ましいが、企業によっては段階を踏まなければならない場合もあるだろう。重要なのは、どこから手をつけるべきかという点だ。

 1つのアイデアとして考えられるのは、セキュリティ対策に加えて、データ共有ソリューション「ShareFile」の導入から始めることである。

 ShareFileは、既存のストレージシステムを活用する、使い勝手の良いファイル共有ツールである。単なる電子メールの活用から前進し、モバイルワークスペースでも重要なコンポーネントの1つとして利用できるため、実現したいシステム環境の最終目標に向けた第一歩として望ましい。

 あくまでモバイルを“真”に業務利用するためには、EMMすべてのコンポーネントが必要と考えられるので、ポイントソリューションとして独立したストレージシステムではなく、EMMと完全にインテグレーションされたソリューションが不可欠である。

 「従業員がスマートデバイスをなぜ使ってくれないのか、もう一度考えてみてください。レーティッシュ鉄道はロケーションこそ特殊ですが、実はどのような企業も抱える課題を解決して、モバイルワークスペースを実現しました。成功のポイントはどこにあったのか、どうすれば成功するのか、シトリックスとともに考えていきましょう」(松田氏)

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提供:シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2014年10月9日

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