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» 2015年03月04日 10時00分 UPDATE

NTTコミュニケーションズ×VMware対談:いま叫ばれるハイブリッドクラウド 「何を選ぶ?」「注意点は?」――エバンジェリストに問う!

企業のクラウド利用が加速する中、ここにきて広がり始めたのが、パブリックやプライベートのクラウドサービスとオンプレミスのシステムを連携させるハイブリッドクラウドだ。ハイブリッドクラウドを利用する上ではどんな課題が存在し、どう解決すべきか――人気エバンジェリストとして知られるNTTコミュニケーションズの林雅之氏とヴイエムウェアの桂島航氏に話を聞いた。

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仮想化がもたらした “クラウドファースト”

―― クラウドは新規システムだけでなく、高い信頼性や可用性が要求される基幹系システムでも前向きに検討されるようになりました。その背景をどう分析していますか。

林氏 NTTコミュニケーションズ クラウドサービス部 クラウド・エバンジェリスト 林雅之氏

 いまでは企業が情報システムの設計や移行を検討する際、クラウドを第一の選択肢として検討されるようになり、“クラウドファースト”といえる状況にあります。

 IT部門の声を総合的に勘案すると、その一番の狙いはシステムを保有するコストを削減して、戦略的なIT投資のための予算を確保することが挙げられます。つまり、クラウドを活用して自社でデータセンターを保有・運用することによるコストや負担を抑え、経営状況に応じたICTシステムを迅速かつ柔軟に、かつ安く実現してほしいという経営側の要請にIT部門が応えようとしているわけですね。

桂島 ビジネスをグローバル展開する企業は、クラウドが国境を越えたシステムの利用を可能にする点も高く評価しています。ビジネスを機動的に展開していく目的でクラウドを採用するケースが数多くあります。クラウドならシステムの基盤を迅速に整備でき、規模が拡大してもコスト面で対応がしやすいというメリットもあります。

 技術面から見ると、仮想化の進化が大きく影響していると思います。仮想化によって各種のリソースがプール化されたことにより、複数ユーザーにリソースを柔軟に割り当てたり、アプリケーションのライブマイグレーションを容易に行ったりできるようになりました。今では無停止切替えや帯域保証なども可能になり、仮想化は基幹系を含むほとんどのアプリケーションに対応しています。

―― 単にクラウドと言っても、その導入方法にいろいろな選択肢が存在します。この点にIT担当者が悩むことが少なくないようです。

桂島 ビジネスの規模が巨大で、要件を満たせるクラウドを自前で整備できるのであれば、ガバナンスやセキュリティの観点から、まずはプライベートによる共通基盤を利用する体制を確立することが望ましいでしょう。しかし、それ以外のケースならパブリッククラウドが適している場合が多くあります。パブリッククラウドなら、IT資産を自社で持たないので投資もしやすいでしょう。また最近では、クラウド事業者の基盤で運用するホステッド型のプライベートクラウドという活用方法も注目されてきています。

クラウドにつきまとうネットワークの課題を解決

―― パブリックやプライベートのクラウドサービスと自社内に構築しているシステムを組み合わせるハイブリッドクラウドへの関心が高いようですね。

 そのように感じています。企業での業務システムの利用が高度になるにつれて、今では7割から8割の企業が何らかの形で複数の業務システムをうまく連携させるための方法を模索しているというのが実情です。

 当社へのご相談を見ても最も多いのが、基幹系システムが稼働するプライベートクラウドと情報系システムが稼働するクラウドサービスの連携です。また、当社以外のクラウドサービスも含めて管理ポータルから一元的に管理したいという声もうかがいます。さらに、システムを高度に連携させるために、自社のデータセンターとクラウド間を専用線で接続したいというニーズも急速に高まっています。

 通信事業者としてこうしたネットワークに関する要望に対応するべく、当社ではお客様のデータセンターと当社のクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud(BHEC)」をレイヤ2による1Gbpsの高速VLANによって接続する「コロケーション接続サービス」を無償でご提供しています(注:1Gbpsリンク1本まで無償)。これによって、お客様の環境とBHECを同一のセグメントとして運用できますので、シームレスなシステムの連携を実現できます。

ハイブリッドクラウドソリューション 通信事業者ならではネットワークサービスを含めたハイブリッドクラウドソリューションを展開するNTTコミュニケーションズ

 クラウドサービスと企業内で構築されているシステムを連携させたい場合、ネットワークとデータセンターの提供主体が異なると、ユーザーは各事業者とそれぞれ個別に契約しなければなりません。非常に煩雑でトラブルの際の切り分けも面倒だとの声も耳にします。ですが、当社はネットワークもデータセンターも提供し、またセキュリティ対策や運用も含めてトータルでサービス提供できるクラウド事業者です。多様なサービスを組み合わせお客様の状況にあったサービスをワンストップでご提供可能です。

 また、複数のパブリッククラウドサービスを組み合わせて利用できないかといった声も聞かれ始めています。現状では事業者が異なるクラウドサービス同士の接続には技術的な制約も伴いますが、当社では他のクラウドサービスともシームレスに接続できるようにしていきたいと考えています。

桂島氏 ヴイエムウェア マーケティング本部 シニア プロダクト マーケティング マネージャ桂島航氏

桂島 当社のネットワーク仮想化技術「VMware NSX(NSX)」はクラウド連携でのネットワークに関する課題解決の“切り札”として活用されています。NSXを利用することで、VPNの設定を自動化し、IPアドレスを保持しながら、クラウド間で仮想マシンをマイグレーションできるなど、同じ環境の中にあるようにシステムを運用していくことができます。

 またVMwareが2月に発表した「VMware vSphere 6」では、これまでアプリケーションの仮想化を阻んでいた課題を解決するための機能を実装しました。例えば、4テラバイトもの巨大なメモリ空間を新たにサポートしていますので、インメモリ型のデータベースを仮想マシンで構築することもできます。ライブマイグレーションも、レイテンシが最長100ミリ秒のエリアにまで対応しましたので、事業継続性を確保するために海外のデータセンターサービスを活用することも検討していただけると思います。このように、当社は新たな技術の提供によってクラウドサービスを提供する事業者側の新サービスの創出も支援しています。

 クラウドサービスとって、SDN(Software-Defined Network)は非常に重要な技術です。BHECでは、業界に先駆けいち早くSDNの技術を採用し、「オンプレミス接続サービス」など企業のシステムのクラウド移行やハイブリッドクラウドをご支援するサービスも提供しております。

複数のクラウドを併用することは理想的ではない?

―― ハイブリッドクラウドを検討する上で注意すべき点とはなんでしょうか。

 最も肝心なことは、システムやネットワークだけでなく、企業としてのガバナンスも含めたIT基盤全体を最適化していくという視点です。そのためには社内のあらゆる部門を巻き込んで議論し、時には組織体制の再設計なども必要になるでしょう。考慮すべき範囲が広いので、中長期的のロードマップを策定することから始めなくてはいけません。

 実は、複数のクラウドを併用することは、企業にとって理想的なIT基盤ではないという点があります。先ほど述べたように、企業としては最終的にビジネスに貢献できるITの利用環境を実現したいわけであり、管理するクラウドを増やしてITの複雑性を増してしまうことはマイナスです。

 今後の技術革新によってあと4〜5年もすれば、ほぼ全てのIT環境をクラウドサービスで展開できる環境が整うとみています。その時に自社の環境がハイブリッドクラウドとして統合的に運用管理できるようになっていることが重要です。さもなければ、業務部門や社員が独自の判断でITを利用するような“シャドークラウド”の事態を招きかねません。セキュリティやコンプライアンスなど経営上のリスクが高まってしまいます。

桂島 オンプレミスであってもクラウドであっても、IT基盤は企業を支える存在に変わりがないということを忘れるべきではありません。信頼性やセキュリティ、処理能力、ネットワークの接続性など、多種多様な面からIT環境の最適化を考え、クラウドやオンプレミスに共通した自社の要件をしっかりと見極めておくことが大切です。

 例えば、パブリッククラウドで、プライベートクラウドと同等の要件が満たせないことがあります。一部のパブリッククラウドではライブマイグレーションを利用できない場合があり、もし、そのことを知らずに採用してしまうと、多くの手間とコストをかけてアプリケーションを改修しなければならないこともあります。

 そうした事態を回避するには、一貫性を担保できる観点からサービスを選択することも重要です。BHECのようなvSphereベースのクラウドサービスは、ユーザーの既存環境とサービスの親和性を重視していますので、一貫性を保つことに優れていますね。

 BHECは9カ国12拠点にあるデータセンターを共通基盤として、グローバルに提供していますので、その点からもユーザーの企業から評価をいただいています。今年は13カ国16拠点に拡大させ、ユーザーのクラウド移行をよりグローバルに支援していく計画です。また、「次世代クラウド」のあり方も検討しています。例えば、様々なレイヤにまたがるクラウドの機能をポータルから一元的に管理したり、利用できるようにするといったサービスの高度化を図り、今まで以上に使いやすいサービスの実現を目指しています。

ITmedia エンタープライズ編集部主催 勉強会のお知らせ

勉強会

「インフラ最適化も事業継続の強化も可能にするハイブリッドクラウド導入塾」

日時:2015年3月24日(火)17:00〜19:35

場所:アイティメディア株式会社 セミナールーム(赤坂王子ビル 7F)

対象:経営者、経営企画の方、社内情報システムの運用・方針策定をする立場の方、企業情報システム部門の企画担当者、運用管理者など

主催:アイティメディア株式会社 ITmedia エンタープライズ編集部

詳しくはこちら

―― ITmediaエンタープライズでは3月24日に2社をお招きしてハイブリッドクラウドの勉強会を開催します。参加によるメリットは何でしょうか。

桂島 当面はハイブリッドクラウドの構築を模索している企業が多いと思いますが、具体的にどのような課題が存在し、解決に何が必要とされているのかはあまり知られていません。勉強会では疑問をお持ちになっている企業の方々にとって参考になるための情報を提供しますので、ぜひこの機会を活用していただきたいですね。

 ハイブリッドクラウドの課題はここで挙げた以外にも多岐にわたります。勉強会に参加することで、貴重なヒントになるような情報を入手できるのではないでしょうか。ハイブリッドクラウドを検討していくきっかけの場にしていただきたいと思います。



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提供:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

勉強会のご案内

ビジネスへ真に貢献する業務システム基盤をどう実現すべきか――いま企業で注目される「ハイブリッドクラウド」の具体的な活用を掘り下げます! 開催は2015年3月24日(火)17:00〜19:35、アイティメディア セミナールームです。