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» 2015年12月10日 10時00分 UPDATE

期待以上の性能・効果でビジネスへ貢献:“ITで攻める”銀行、みずほが選んだSolarisクラウド基盤の威力

店舗へのPepperの配置や、コールセンターでのAI技術の活用など、銀行業界の中でも先進的なIT施策で注目されているみずほ銀行。同行はIT基盤の重要性も認識しており、グループ共通のプライベートクラウド「みずほクラウド」の構築に注力しているが、多くのミッションクリティカルなシステムをクラウドで安定して稼働させるためには、高性能なハードウェアが必要だったという。

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 「これからの情報システム部門はビジネスに貢献せよ」。エンタープライズITの技術が発達し、情報システム部門の役割が大きく変わろうとしている今、“攻めのIT”姿勢でビジネスや経営に貢献することが求められている。これは企業規模の大小や、業界を問わずもはや逆らえないトレンドだ。

 情報システム部門はビジネスに貢献できる――こう話すのは、みずほ銀行 IT・システム統括第一部長の加藤昌彦氏だ。加藤氏は国内基幹業務システムなどを統括する立場として、システムのクラウド化を推し進めている。

 みずほ銀行は、これまで個別に最適化する形で構築されていたシステムのコスト削減、そして効率的な運用を目指し、みずほフィナンシャルグループ共通のプライベートクラウド「みずほクラウド」の構築を進めてきた。2010年から6年越しで取り組んできたシステムの仮想化集約は大詰めを迎え、銀行業務を担う各種システムが次々とクラウドへの移行を果たしている。

システム更改時期に合わせて拡張してきた「みずほクラウド」

photo みずほ銀行 IT・システム統括第一部長の加藤昌彦氏。国内基幹業務システムなどを統括する立場として、システムのクラウド化を推し進めている

 「みずほ銀行では、次世代勘定系システムを含めたシステムの再構築を、グループの総力を挙げて取り組んでいます。預金・為替・融資・外為などの勘定系・決済系システムは個別に基盤を構築。その他のシステムは業務の特性に応じ、みずほクラウドに集約を開始しました。当時、クラウド技術が本格化してきたことから、『迅速性』『コスト』『可用性』『セキュリティ』、そして、技術面を考慮しながらクラウドの導入を検討しました」(加藤氏)

 銀行のミッションクリティカルなシステムをクラウドで稼働させる場合、可用性やセキュリティがネックとなる。この両面でパブリッククラウドよりもプライベートクラウドの方がコントロールしやすいと判断。後者を採用し、「みずほクラウド」と名付けたのが名前の由来だ。

 みずほクラウドは2010〜2012年の3年間を第一世代、2013〜2015年の3年間を第二世代と位置付け、クラウド基盤の構築と既存システムの移行を実施してきた。第一世代ではサーバ統合を目的に仮想化集約を進め、第二世代ではオーバーコミット(物理リソースの容量を超える仮想リソースを仮想マシンに割り当てること)まで踏み込んでいる。

 システム更改のタイミングで順次移行を進める中で、2015年3月に本番稼働を迎えたのが、Solaris系システムのクラウドだ。みずほ銀行では、以前から市場系システム、あるいは勘定系システムなどにSolarisを使っている。今回、新たに構築したSolaris系クラウド基盤はこれらの既存システム(市場系)の移行先として用意された。

安全性を保ちつつ、性能強化を実現するSolarisクラウド基盤

photo UNIXサーバ「SPARC M10」

 現在、Solaris系クラウド基盤のサーバハードウェアは複数ベンダーの製品が混在して導入されている。このうち、より性能が求められる分野では、富士通のUNIXサーバ「SPARC M10」を採用しているという。

 「例えば、2015年3月にリリースした市場系のリスク管理システムは、投資リスクを低減し、リターンを向上させるためのアセットアロケーション(分散投資)などに使用しています。市場で取引されている膨大な量のデータを採集し、統計学的なシミュレーションやさまざまなシナリオでストレステストを実行し、リスク分析を行っています。

 このビッグデータ分析を行うリスク管理システムは、マーケティングとしても重要な要素です。この計算は非常に時間がかかり、マシンにかなりの負荷がかかります。こうした高速処理に適しているのが、強力なマシンパワーを持つ富士通のSPARC M10でした」(加藤氏)

 みずほクラウドに導入されたSPARC M10は6台。これは既存システムの80台以上を集約したものであり、その集約率は単純計算でも1台のSPARC M10に13台以上のサーバを集約したことになる。

 「従来、サーバは5年後の業務量増を見越して拡張性を備えたモデルを選んでいましたが、変化の激しい今の時代、5年後を予測することは難しいです。しかし、来年の予測は的確にできます。SPARC M10はビジネスの成長に合わせてリソースをコントロールでき、柔軟に合わせてくれるサーバなので無駄がありません。コスト削減の効果は今のところ7割程度ですが、今後別のシステムもクラウドへ移行し、集約率を高めていくことでそれ以上の削減効果を見込んでいます」(加藤氏)

photo Solarisクラウド基盤のシステム図。同じ構成のシステムを2拠点で展開しており、その両方のサポートを富士通サポートがリモートで行っている

IT部門による標準化がビジネスへ貢献する

 このコスト削減効果は、テクノロジーの進化だけに頼ったものではない。みずほ銀行では基盤設計の標準化や限界切り替えの標準化など、みずほクラウドの構築が始まってから6年間、毎年テーマを決めて“標準化”を推進してきたそうだ。こうした地道な取り組みも大きなコスト削減につながっており、この効果はIT部門から経営陣へ逐一報告しているという。

 「ITインフラが経営に与える効果というのは、一見分かりづらいものかもしれませんが、IT部門による知恵と工夫によって、大いにビジネスに貢献できるのです。私たちは、日々テクノロジーの進化や、標準化のための学習を続けています。そうした取り組みを続けているからこそ、みずほクラウドをはじめとする新たなIT戦略にも取り組めるのです」(加藤氏)

 コスト削減に加え、加藤氏が想定以上と感じているのはSPARC M10の性能によってもたらされた効果だという。「業務の現場からは『予想以上に処理スピードが速い』という報告を受けており、バッチ系システムなどではさらに威力を発揮できると期待しています。」(加藤氏)

 導入にかかった期間は1年強。これは金融系のシステムとしてはかなり短いという。短期間導入のウラにあるのが、富士通の支援体制だ。

 「導入前に浜松町の富士通トラステッド・クラウド・スクエアに環境を用意してもらい、事前検証をさせてもらえました。実運用に近い形でハードウェア性能の高さや導入効果を検証できたことで、導入への準備が大きく進みました。事前検証は1カ月強、そこから開発を始めて約1年でリリースまで持っていけました」(加藤氏)

みずほクラウドのグループベースでの相互利用

 こうして稼働したSolaris系クラウド基盤により、みずほクラウドのプラットフォームは一通りそろったことになる。今後、みずほクラウドが目指す姿として挙げられるのは徹底した“安定化”だ。

 「もちろん、システム基盤の安定化策は長く取り組んできました。しかし、みずほクラウドの場合、問題が発生すると複数のシステムに影響が及ぶケースがあるなど、これまでとは事情がやや異なります。そこで、問題の解決時間を短くするといった運用まわりを含めた手当てをしっかり行いたいと考えています。富士通は問題発生時の対応力が素晴らしく、その安心感はみずほ銀行にとって非常に大きいと感じています」(加藤氏)

 さらに、将来的な取り組みとして次に視野に入れているのが“みずほクラウドのグループベースでの相互利用”と、“ハイブリッドクラウド”の検討だ。

 「現在みずほクラウドの取り組みは、みずほ銀行が中心となって進めていますが、今後はみずほフィナンシャルグループの共通基盤とするべく、他のグループ会社にも本格的に展開していく予定です。

 そして、規模の拡大に合わせ、新たなプラットフォームを検討する必要も感じています。6年前と比べると、パブリッククラウドを取り巻く環境は大きく変わりました。みずほクラウドも、いつまでもプライベートクラウドというわけではなく、目的によってパブリッククラウドを併用するハイブリッドクラウドへと変わる可能性もあります。さらに金融業界では、FinTechなど新しいITにおける取り組みも注目されるようになってきました。こうした取り組みについても、機会があれば富士通と連携していきたいですね」(加藤氏)

 銀行業界の中でも先進的なIT施策で注目されているみずほ銀行。「ITでビジネスに貢献する」という、これからの情報システムの在り方として見習うべき点は多いはずだ。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2015年12月23日