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» 2016年05月30日 10時00分 UPDATE

日産自動車やライオンが説く:ビジネスのスピードを加速するITシステム最適化の最前線

企業活動での変化とスピードの重要性がますます高まる中、旧来のITシステムを見直して最適化することが求められる。ITmedia エンタープライズ主催セミナーでは日産自動車やライオン、日本ヒューレット・パッカード、サンディスクの専門家がその勘所を解説した。

[PR/ITmedia]
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 経済活動のグローバル化などを背景に、企業には変化への迅速な対応が強く求められている。それには、フラッシュなど最新の技術を活用しながら業務基盤であるITシステムの最適化が不可欠だ。4月21日に開催されたITmedia エンタープライズ編集部主催セミナーではビジネスサイドが求める「変化」と「スピード」を兼ね備えたITシステムの実現に向けた勘所を日産自動車やライオン、日本ヒューレット・パッカード、サンディスクの専門家が解説した。

業務のグローバル統一で目指すのは情報活用の活性化

日産自動車 グローバルIT本部 ITインフラサービス部 部長(兼)エンタープライズアーキテクチャ部 部長 木附敏氏

 基調講演には日産自動車 グローバルIT本部 ITインフラサービス部 部長 (兼)エンタープライズアーキテクチャ部 部長の木附敏氏が登壇し、日産の中期経営計画と連動したグローバルIS/IT戦略の概要とITインフラ改革のこれまでの取り組みの一端を紹介した。

 同社が現在取り組んでいるのは、2011年からの中期経営計画「NISSAN POWER 88」に対応したIS/ITの中期計画「VITESSE」である。その柱となる活動は、「部門や地域をまたがる機能提供を通じたビジネス価値の最大化」「システムのシンプル化によるIS/ITコストの最適化」「生産性向上による効率化と品質の追求」の3つだ。

 VITESSEを推進するにあたり同社は、情報システムと業務の双方で大鉈を振るった。具体的には、業務部門ごとにシステムの最適化を進める手法を改め、業務プロセス自体を最適化/標準化してEnd to Endで各種サービスを提供する方針にした。それによるメリットは、システムの標準化による開発効率の大幅な向上とデータフォーマットの統一による部門データの統合管理の実現である。

 木附氏はこの取り組みが従来の施策の延長だと断言する。「当社は以前からグローバルでのシステム統合によるITのシンプル化と開発の効率化に取り組んできました。その方針は一貫しており、この施策もルノーとのさらなるアライアンス強化に向けた基盤固めです」

 個別最適で運用されていたシステムから共通プラットフォームへの移行は、2008年から推進している。「2014年には共通プラットフォームのアーキテクチャを、ルノーと日産の標準アーキテクチャとして見直しました。新プラットフォームでは1544の仮想化ノードが149台の物理サーバで稼働しています」

 この段階でディスクの入出力(I/O)にまつわる問題を解消するため、一部にフラッシュストレージを採用したという。「フラッシュはパフォーマンスが高く、壊れにくいことから交換などの運用の手間も軽減できることも魅力です。これにより、サポートコストの低減化も期待できます」

 また、クライアント環境の見直しも図った。ルノーも含めたグローバルでPCのハードウェアとソフトウェアを共通化し、標準のセキュリティポリシーを適用した。これにより、クライアントの配備や運用、サポートに関する業務の負荷が大きく軽減され、運用コストも削減された。

 VITESSEは2016年度で終了し、現在同社では次のIS/IT戦略の検討を進めている。次の戦略では標準化によるデータの一元化とその活用を重点施策の一つに位置付ける。そのため、統合されたデータの中から必要なデータをカタログ化によって効率的に抽出できる環境や、さまざまなデータ分析ツール群をパッケージ化してユーザーがサービスとして利用していける仕組みを提供すべく“策”を練っているところだという。

フラッシュが実現するデータセンターの高速化

サンディスク コマーシャルセールス&サポート シニアアカウントマネージャー 朴泰成氏

 セミナーに協賛したサンディスクは、ITシステムの高速化で注目されるフラッシュメモリ技術の最新動向を解説した。登壇したコマーシャルセールス&サポート シニアアカウントマネージャーの朴泰成氏は、その冒頭で次のように呼び掛けた。

 「データが急増するいま、業務処理はもちろんのこと、データ活用にもさらなる速さが求められています。この状況に対応する切り札が低価格化の進むフラッシュなのです」

 フラッシュメモリは容量あたりの単価が右肩下がりで急減を続け、2017年にはHDDと変わらない水準になると予想されている。技術的な特性からフラッシュはHDDよりもデータ処理の遅延が約1000分の1と極めて小さく、I/O性能(IOPS)は100倍も高い。

 フラッシュの特性を踏まえてサンディスクは、IoT(モノのインターネット)を視野に産業用や車載用のエッジストレージ向けフラッシュ製品、そして、膨大なデータの受け皿となるデータセンター向けフラッシュ製品の開発を精力的に進めてきた。工場の装置や自動車のセンサーなどが生成するデータ量は1秒あたり自動車の自動運転では1Gバイト、1日あたり工場の装置では1ぺタバイトにもなるという。

 「企業にとってこうしたデータは業務プロセスの見直しや製品の品質向上に欠かせない貴重な財産です。サンディスクでは高い耐久性を実現する新製品をラインアップに追加してきました」

 同社が特に力を入れているのは、フラッシュメモリを活用したデータセンターの処理能力の高速化だ。2014年には世界初の4テラバイト容量を持つエンタープライズ向けSAS SSD「SanDisk Optimus MAX」をリリースした。同製品はHewlett-Packard Enterprise(HPE)のストレージアレイ「3PAR」などにも採用されており、着実にユーザーを拡大させている。

 朴氏によれば、現在のストレージ環境はフラッシュへの移行期にあり、HDDが混在するストレージ環境はまだ多い。「フラッシュは消費電力もHDDより圧倒的に優位です。そうしたメリットを勘案すれば、今後は『オールフラッシュ』への移行が加速し、データセンターに変革がもたらされるでしょう」とデータセンターの近未来を予測した。

フラッシュを知るHPEが示した事実

日本ヒューレット・パッカード ストレージ事業統括本部 ストレージ エバンジェリスト 高野勝氏

 各種システムの高速化にフラッシュストレージが大きな効果を発揮する――ストレージベンダー各社が注力するフラッシュストレージは、ユーザーにとってメリットが多いように映る。「思わぬ落とし穴があることに留意すべきです」と警鐘を鳴らすのは、セミナーに協賛した日本ヒューレット・パッカード(HPE)のストレージ事業統括本部でストレージエバンジェリストを務める高野勝氏だ。

 HPEは、フラッシュストレージ「3PAR」などの開発を手掛ける有力ベンダーである。その同社があえて指摘するフラッシュの高速化にまつわる“落とし穴”とは何か。「実は、オールフラッシュ環境ではドライブの処理が高速になるため、データの読み書きを制御するコントローラが処理のボトルネックになる場合があります。また、データの上書き時にいったん該当領域にある古いデータを消去する必要があり、書き込み時は読み取り時ほどの高速化が期待できない場合もあります」

 高野氏の指摘は、ベンダーだからこそ知るフラッシュストレージの大きなポイントだ。それ故に3PARではこうした課題への対応に工夫を凝らしているという。

 例えば、3PARではコントローラの全てをアクティブに動作させて処理する。一般的には、故障を考慮して複数あるコントローラの一部はスタンバイさせておこうと考えがちだ。しかし、3PARではユーザーからの書き込み処理が集中した場合や、会社の始業時などに発生するブートストームと呼ばれる仮想デスクトップ環境の一斉起動に対し、コントローラを並列処理させることで抜本的にこれらの課題を解決している。

 また、データの書き込みを読み取り時ほどには高速化しづらいという課題に対しても、3PARでは解決を図っている。高野氏によれば、書き込むデータの中から「0(ゼロデータ)」の部分、つまりは意味をなさない部分を独自専用ASICというチップが検出して書き込み処理を行わないため、処理性能が低下しないというわけだ。この他にも高速インデックスサーチ機能や、HDDでは当たり前の重複排除機能を持つ。3PARではこうした機能が存分に活用されることで、ユーザーは必然的にストレージ容量やコストを抑えられるメリットを得られる。

 バックアップやアーカイブなどユーザーのアクセス頻度が低いデータの保存では、フラッシュストレージを利用する意義は小さいだろう。そのため3PARでは、それらデータのスナップショットを外部接続したHDDに保管することで対応しているという。

 3PARは既に数多くの国内企業に採用されている。例えば、インターネットイニシアティブでは同社のクラウドサービス「IIJ GIO」のデータ管理基盤として採用。その理由はフラッシュがHDDのようなディスクを回転させる構造ではない点にある。当然ながらHDDはディスクを回転させるために多くの電力を消費する。1台のHDDならわずかに過ぎないが、莫大な数のHDDを使うデータセンター全体でみればその規模はもはや無視できない。回転に伴って熱も発生するので、冷却のためにさらなる電力消費が必要だ。また機器の故障率を低減できる点も採用の決め手になった。

 3PARのユーザーはソニー・エンタテインメントやアイシン・インフォテックスをはじめ、製造やエンタテインメントなど様々な企業が名を連ねる。

 フラッシュストレージはまだ高価な印象がつきまとう。HPEはそのイメージを打破しようとオールフラッシュモデルを、特別限定価格で300万円を切る価格で提供。しかも導入作業や保守料金までが含まれている。「一度利用すれば、フラッシュのメリットを確実に体感できるでしょう」と高野氏は語った。

週次のバッチ処理が半分以下に

ライオン 統合システム部 副主席部員 阪間勇一氏

 特別講演ではライオン 統合システム部 副主席部員の阪間勇一氏が、同社の基幹システムで採用したフラッシュストレージを検討していたときのエピソードを紹介してくれた。

 ライオンがストレージ環境を見直した契機は、30年以上利用し続けてきたメインフレームの刷新だ。阪間氏によれば、CPU性能が大幅に向上にする一方、データ量が増えてバッチ処理が長時間化する課題を抱えていた。原因はストレージのI/O性能の不足である。「生産や販売などサプライチェーン情報を管理するシステムでは特に顕著な影響があり、日次バッチの処理に8時間、週次バッチの処理に19時間も要していました。このままでは業務にも影響が及ぶため、時間を短縮する必要がありました」

 2015年5月、同社では事業継続を目的に関東地方のデータセンターを西日本地域へ移設することが検討された。阪間氏はこれを格好のタイミングと判断し、ストレージ環境の見直しに向けて検討作業に着手。新環境でのフラッシュストレージの採用を念頭に、3PARと別のメーカー製品を選定候補に絞り込んで効果を検証した。

 検証ではHDDによるストレージシステムも加え、主にデータの順次/ランダムによる多重の読み書き、OSのコピーコマンドでのファイルコピーに要する時間、コントローラ故障時の挙動などを確かめた。

 その結果、データの読み書きでは特にランダム時でのフラッシュストレージ性能の高さが認められた。HDDのような回転構造を持たないフラッシュストレージは、データを多重に読み書きしてもディスク待ちなどによる処理の遅延が生じないためである。また、ファイルコピーの高速化も確認したが、興味深いのはファイルサイズが小さいほど処理時間にHDDとの差異が見られなくなる点だった。阪間氏は、HDDのキャッシュ機能が有効に働いた可能性が高いと分析している。

 ストレージコントローラの故障を想定した検証では、コントローラの1つを停止させて挙動を確認した。3PARでは通常、搭載された4つのコントローラがアクティブで動作するが、1つをダウンさせても直ちに他のコントローラが処理能力を回復させ、安定性の高い稼働を実現していることが分かった。

 阪間氏はこれらの検証結果を総合的に判断して3PARによるフラッシュストレージ環境への移行を決断。「パフォーマンスと信頼性の高さを評価しました」と語る。3PARによって課題だったバッチ処理の時間は、日次処理では4時間、週次処理では9時間にまで短縮され、ほぼ半減された。

 同社ではファイルサーバ用のストレージの改善も視野に入れ、3PARのさらなる発展に期待しているという。阪間氏は「ぜひユニファイドストレージに進化させていただきたいですね」とHPEへの要望で講演を締めくくった。

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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2016年8月10日

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