働き方改革の効果を最大化するために、IT部門がすべきことは「セキュリティの確保」と「生産性を高めるツールの提供」。この2つを効率よく進める方法とは。
日本企業において「働き方改革」の機運が高まっている。日本が直面する「少子高齢化による労働人口の減少」「グローバル競争の激化」「ライフスタイルの多様化」といった変化に対応できる労働環境を整え、同時に生産性を高めていくことが、企業の大きな課題になっているためだ。
ITの領域で、この働き方改革を推進する取り組みの筆頭に挙げられるのは、インターネットやモバイル通信網に加え、スマートフォンやタブレットといったスマートデバイス、モバイルPCを活用した、“時間や場所にとらわれずに業務を行える環境の実現”だ。
近年、クラウドコンピューティングは一般的になり、仕事のためのメールやグループウェアといったコミュニケーションツール、一部の業務アプリケーションなどについては、既にクラウド上のサービスを活用しているという企業も多い。
これらを、社内だけでなく社外からも自由に使うことができれば、それは「モバイルワーク」「テレワーク」のための有用な基盤となる。しかし、企業がそれを実現するにあたっては、あらかじめクリアしておかなければならないハードルがある。それは「セキュリティの確保」だ。
インターネットに接続できる場所やデバイスが急速に増え、多くの従業員が個人で複数のデバイス(モバイルPCやスマートフォン)を使い分けている現状で、いかにして業務データを不正アクセスや意図しない情報流出から守るための対策を導入し、運用していくかは、企業のシステム担当者にとっての難題であり続けている。
公共のネットワークを流れるデータの秘匿性をどう確保するか。業務データや社内ネットワークにアクセスするユーザーが、適切な権限を持っていることをどう認証するか。万が一、ユーザーが業務に関わるデータを保存したデバイスを紛失したり、盗難に遭ったりした場合、どう対応するか――。これらを、自社の情報セキュリティポリシーやユーザーの利便性、導入や運用にかかるコストなどと照らし合わせながら実施していくのは、決して容易ではない。
こうした課題が原因で、働き方改革の一環としてのモバイルワークやテレワークがスムーズに実現できない――と悩む企業も多いのではないだろうか。
働き方改革を目指す企業が直面する課題を効果的に解決するためのソリューションとして、ソリトンシステムズが開発したのが「ClearDeck」である。
ClearDeckは、ユーザーが日々の業務の中で利用するマルチプラットフォーム対応のクライアントアプリケーションと、クラウド上のサービスで構成されている。
ClearDeckは「セキュリティツール」と「生産性向上ツール」の2つの役割を持つソリューションだが、まずは「セキュリティツール」としての側面に注目したい。
ClearDeckのクライアントアプリは現在、マイクロソフトの「Office 365」を中心としたクラウドサービスのフロントエンドとして利用できる。既にOffice 365を利用している企業であれば、Outlookのメールボックスやカレンダー、連絡先などの情報にClearDeckを通じてアクセスし、セキュアに利用できる環境を提供している。
ClearDeckは、企業がモバイルワークを実現するにあたって必要とするセキュリティ機能が、徹底的に作りこまれている。
ユーザー認証機能には「OpenID Connect」を採用しており、Office 365の「Azure AD」と連携する。つまり、既にOffice 365の導入が済んでいる企業であれば、新たにClearDeck用のユーザー管理情報などを作成する必要がなく、サービスを導入して各ユーザーにClearDeckのクライアントアプリをダウンロードしてもらうだけで、社外から「Office 365」をセキュアに利用できる環境を整えられる。
また、ClearDeckにアクセスするデバイスはオンライン登録と電子証明書による認証が必要となり、許可されていないデバイスからのアクセスができない点も、セキュリティの確保に一役買っている。
ClearDeckではデータを守るために、iOSやAndroidといったスマートデバイスだけでなく、Windows10やmacOSにも対応した「セキュアコンテナ」を用いている。
ClearDeck上で利用するデータは高度に暗号化され他のアプリケーションから隔離されるほか、もちろん通信も暗号化に対応している。デバイス上で参照した情報のコピー&ペーストを禁止できるほか、端末上にデータを残してオフライン利用する事も、ログアウト時にデータを残さない事も管理者側で任意に設定することが可能だ。
万が一、デバイスを紛失したり盗難に遭ったりした場合でも、MDMに依存することなくセキュアコンテナ内のデータや設定を、ユーザーや管理者が遠隔操作で消去できるので、プライバシーに配慮した形でBYODに対応できる。
モバイルワークやテレワークの導入に当たって考慮したいもう1つのポイントが、個々のユーザーにおける「業務生産性の向上」という視点だ。
というのも、もし「いつでもどこでも」業務ができる環境が用意されたとしても、ユーザーの仕事の進め方が従来と全く変わらないのであれば、得られる効果は限定的なものにとどまってしまうからだ。
オフィス、自宅、さらには移動中といった環境の違いにかかわらず、効率的に仕事を片付けられる「メソッド」も同時に導入できれば、その効果は飛躍的に高められるはずだ。その点、ClearDeckには、ユーザーが効率的に仕事を進めるための「仕事術」をサポートする仕組みが用意されているのがポイントだ。
ClearDeckのクライアントアプリには「GTD(Getting Things Done)」と呼ばれるワークフロー管理メソッドの実行をサポートする、複数の機能が用意されている。
企業で働くビジネスパーソンは日々、多数のメールや粒度の異なるさまざまなタスクの処理に追われている。GTDは、これらのタスクを「重要性」「期日」「難易度」「状況」などによって整理し、ストレスなく処理していくためのフレームワークだ。
GTDでは、自分に届いたあらゆる情報を、全て一度「インボックス」と呼ばれるエリアに放り込んでおき、それらを対応すべき期限や、処理までにかかる時間を見積もりながら「すぐにやる(2分以内)」「カレンダー」「プロジェクト(ToDo)」「連絡待ち」といったリストに改めて仕分けしていくというプロセスをとる。
これによって、自分がやるべきタスクが可視化され、頭の中に未整理の情報がない状態にしてストレスをなくし、仕事に効率的に取り組めるといった効果が期待できる。
ClearDeckでは、このGTDのメソッドに対応して、ダッシュボード上で「インボックス」「ToDo」「連絡待ち」「次の予定」といった項目別に、メールやカレンダー、タスクリストにある情報を整理して一覧できるようになっており、PCからでもスマートデバイスからでも、これらの情報を管理する事ができる。
「インボックス」に届いているメール、会議の案内、メモ、セールスフォースの情報などから「ToDo」となるタスクを作成する作業も、ワンクリックで行える。そうして作成したタスクは、作成の元となった情報とひも付いて管理されるため、実際に処理する段階になって「返信すべきメールや、参照しなければならないファイルが見つけられない」といった事態も避けられる。
では、ClearDeckに用意されているワークフロー管理の仕組みが、業務の現場でどのように個人の生産性を高められるのか、具体的なシーンに当てはめながら考えてみよう。
“仕事ができる”といわれる人は、処理している仕事の「量」だけでなく、「質」も評価されているのではないだろうか。ここでの「質」には、仕事の内容に加えて、対応の「スピード」なども含まれる。
ただ、仕事が多くなればなるほど「やるべき仕事が全て把握できない」「仕事の優先順位を決められず、結果的に相手を待たせてしまう」「仕事にかかる時間が正しく見積もれず、なかなか取り掛かれない」といった状況に陥りがちだ。
さらに、こうした未整理の情報が頭の中にあると、それが気になってストレスとなり、“目の前にある、今やるべき仕事の効率が上がらない”という悪循環に陥りがちだ。
増え続ける仕事を効率的にこなしていくためには、以下のような環境があることが望ましい。
ClearDeckには、こうした環境を作りやすくする機能が用意されている。
まず、社内の会議や客先で出された宿題などについては、「インボックス」に「メモ」として放り込んでおく。「インボックス」には、自分宛に届いたメールなども自動的に振り分けられる。
次に、移動中の空き時間などを利用して、インボックスの中身に目を通し、それぞれについて、対応が必要かどうかを考える。ClearDeckは、メモやメールから即座にやるべきことをToDoに変換可能。やるべきことがどれくらい残っているかをダッシュボード上のToDoリストで確認できる。必要なものはToDoへ登録し、必要のないものはアーカイブへ移動すればいい。
日時が決まっているイベントについては「カレンダー」に登録したり、異なるメールで来たタスクを「プロジェクト」で既存のToDoに追加したりして、可能なタイミングで処理できるよう備えておく。
ポイントは、仕事に関する「未整理の情報」を全て頭の中から追い出し、ClearDeck上で整理する習慣をつけることだ。そして、それらを定期的に見直し、各場面で次にやることを明確にしておくことである。これが習慣化することで、その時々にやるべき仕事に集中でき、結果的に抜けや漏れがなく「質」も高い仕事のやり方が身についていく。
ClearDeckアプリは、こうした「効率的な仕事の進め方」を、社内に浸透させる支援策としても有効に機能するというわけだ。
タスクの分類は、企業側であらかじめ用意しておくこともできるし、個々のユーザーが後で任意に作成することもできる。例えば、短時間で処理できるタスクを「移動中」のToDoとして分類しておき、移動中の電車の中などで集中して処理するといった使い方も可能だ。
このユーザーによるカスタマイズ機能を活用すれば、例えば「社内イベントの開催」や「新規のビジネス開発」といった、一時的な「プロジェクトチーム」での共同作業をClearDeckで効率的に進めることができる。
プロジェクトメンバーは、イベント専用のタスクリストをClearDeck上に作成しておく。プロジェクト会議の場で発生した仕事は「メモ」にして、そこから各自のタスクを作成していく。
プロジェクトを進めるにあたっては、メンバー以外の人への「依頼」が必要になるケースもあるだろう。ClearDeckでは、送信した「依頼メール」に対する返信の期限を設定して「連絡待ち」に置いておくと、期限に合わせて知らせてくれる機能もある。依頼先からの返信がないことに気付かず、作業が進められないといった事態も避けられるはずだ。
ClearDeckは、日々、仕事に追われるマネジメント層のタスク管理にも役立つ。ダッシュボード上にたまっている未確認の承認依頼メールの件数や重要な未読メールをまとめて表示できるので、隙間時間に確認すれば、承認依頼に気付かず放置して急かされることもなくなるだろう。部下からの承認依頼などをついつい後回しにしたり、見落としてしまったりしている人にはお勧めの機能だ。
こうした、より効率的な仕事の進め方を支援するツールを、モバイルワークやテレワークの環境と合わせて社内に導入することで、働き方改革の効果を高めることができるはずだ。
一般に「セキュリティ」のための投資は、経営層には消極的な「守り」のための投資として捉えられがちだが、ClearDeckが提供する生産性向上を支援する機能は、企業の競争力を高めるための「攻め」の投資となり得る点で、積極的なアピールポイントとなるのではないだろうか。
現在、ClearDeckは「Office 365」を中心として、ファイル共有サービスの「Box」や、業務アプリケーションである「Salesforce.com」との連携に対応しており、これらのサービスを利用している企業が、社外からもセキュアに業務を行える環境を提供できる。
また、今後はGoogleの「G Suite」やマイクロソフトの「OneDrive」、名刺管理の「Sansan」、クラウドで提供されている各種チャットサービスへの対応も予定しているという。
近年、業務で利用するアプリケーションをクラウドサービスとして個別に選択し、利用する企業が増えているが、ClearDeckは今後、そうした個々のサービスを包括的に「セキュアなモバイルワーク」へ対応させる基盤として発展していく可能性を秘めている。
ClearDeckの利用料金は、初期費用不要で1ユーザーあたり650円/月から(1000ユーザーの場合。ボリュームディスカウントあり)と、セキュアなモバイルワークソリューションとしては、導入のハードルが低いものになっている。クライアントアプリは、Windows、MacOS、iOS/Androidデバイスに対応しており、1ユーザーあたり5デバイスまででの利用が可能だ。
ソリトンシステムズでは、ClearDeckのトライアルサービスも提供している。まずは限られたメンバーや特定の部署などからスタートし、徐々に適用範囲を広げていくといった導入スタイルにも対応できる。また、クライアントアプリのユーザーインタフェースは10カ国語以上の言語に対応しており、グローバルサポートも提供されている。最終的には海外拠点などを含めた全社規模での大規模導入につなげていくこともできるだろう。
ClearDeckは「セキュリティ」という、これまで企業の「働き方改革」を阻害してきた課題を実績のある技術でクリアしつつ、個々のユーザーの「業務効率向上」のサポートにまで積極的に踏み込んだソリューションという点でユニークといえるだろう。よりセキュアで効果の高い「働き方改革」を目指す企業にとって、有力な選択肢の1つとなるのではないだろうか。
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提供:株式会社ソリトンシステムズ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2017年12月29日