カシオ、ブックレット型ハンディターミナルを参考出品:DSにも似ている?
カシオは同社のネットレジに対応するブックレット型ハンディターミナルをリテールテックJAPANに参考出品。アナログ的な使い勝手も重視した作りになっている。
インターネット接続することで、売上集計管理や電子決済を利用可能とする「ネットレジ」。そのハードウェアを手掛けるカシオ計算機(以下、カシオ)が、中小の飲食事業者向け「オーダーエントリーシステム(仮称。正式名称は検討中だという)」を3月12日まで開催されているリテールテックJapan 2010に参考出品した。
従来、特に大手飲食店チェーンなどでは、ハンディターミナル型、PDA型のオーダーエントリー端末が使われてきた。開発に柔軟性、拡張性がある反面、中小の事業者に取ってはコストが高くつき、また従業員にとって、“階層化されたメニューへの親しみにくさ”という問題もあった。
「ネットレジの既存ユーザーから“オーダーエントリーに特化した端末をカシオから出して欲しい”という要望を受けていた」と話すカシオ システム戦略部 SA企画室の大沢武 担当課長によると、「とにかく使いやすさ、それと端末当たりのコストにこだわって開発した」(大沢氏)という。
このオーダーエントリー端末を一見すると、コンピュータの遺伝子よりも文房具の遺伝子が多く流れている印象を受ける。6ページまで追加できるリフィル型のブックレットメニューが、その印象をもたらしているのだろう。基本的なオペレーションは、ブックレットからオーダーされた品を押し、あとは端末右上のテンキーから数量を指定するだけ。オーダー内容は電子レンジなどとの干渉が少ない430MHz帯無線でコントロールボックスへ送信され、キッチンプリンタから出力される。
POSシステムを入れられない中小の飲食店の場合、注文を手書きの伝票で取った結果、オーダーミスや飲食物の提供順が前後してしまうことがあるが、そのようなケースの防止を見込める。またブックレットメニューのレイアウトは編集可能で、例えば居酒屋における生ビールのようにオーダーが頻発するものについてはスペースを大きく取ることもできるという。
ブックレット部分を液晶画面化すれば、操作への習熟が必要になるし、破損のリスクも増える。バッテリーの持ちにも影響するし、何よりも端末のコストに影響してしまう。残念ながら現時点ではオーダーエントリー端末の価格は未定だが、大沢氏は「ユーザーに受け入れてもらうためには、価格は重要なポイントだと考えている」と話す。
数値基準は現時点で未公表だが、飲食店での利用が多くなるだろうという事情から、端末には耐衝撃・防滴設計が盛り込まれる見込み。「価格と使いやすさ、そしてネットレジによる経営の可視化を通じ、中小飲食店の“お店作り”をサポートできれば」と大沢氏は話す。
発売時期は未定ながら「2010年夏ごろの市場投入を目指す」(同社広報)としている。
関連記事
- 喜多方ラーメン坂内、カシオの「ネットレジ」を採用
麺食が運営する喜多方ラーメン坂内では、カシオの「ネットレジ」導入を決定した。売上変動ポイントの分析機能を高く評価しているという。 - AdminIT Daily News:ネットレジで時間帯別に売れ筋商品を把握「売上集計管理サービスEX」
カシオとNTTドコモの合弁会社CXDネクストは、カシオのネットレジと連携するASP型店舗サービスを強化。時間帯ごとの売り上げクロス集計や携帯電話への情報配信を行う。 - パン屋さんで活躍するカシオのネットレジ
ベーカリーチェーン「コンセルボ」がカシオのネットレジ導入を決定。ネットワーク機能を活用し売上の可視化に取り組むという。 - カシオのネットレジ、イメージキャラの愛称が決定!
カシオ計算機の電子決済/店舗支援サービスに対応した電子レジスター「ネットレジ」について、その愛称が決定した。 - インターネットにつながる「ネットレジ」の愛称を求む!
カシオ計算機は、インターネット経由の販売管理支援や電子決済サービスに対応する「ネットレジ」のイメージキャラクターの愛称を募集している。 - NTTドコモとカシオが小売店舗向け電子決済サービスの新会社設立
NTTドコモとカシオは、携帯電話などで利用できる電子マネー決済代行と販売管理支援を提供する新会社「CXDネクスト」を設立する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.