Google、「アプリダウンロードの全画面広告は逆効果」と不使用推奨
モバイルWebサイトにアクセスするユーザーにネイティブアプリのダウンロードを勧める全画面広告(インタースティシャル広告)を表示することは、あまり効果がないばかりかWebサイトからも離脱されてしまうとして、こうした広告の代替案を勧めている。
米Googleは7月23日(現地時間)、アプリダウンロードを勧めるインタースティシャル広告(日本では全画面広告とも呼ばれる)の効果を調査した結果、モバイル版Google+でのこの種類の広告を止めると発表した。同社が「Webmaster Central Blog」で明らかにしたもので、モバイルWebの利便性の観点からこうした広告の導入を再考するようWebマスターに呼び掛けている。
インタースティシャル広告とは、アプリの起動、動画のプレロール、ゲームのレベル読み込みなど、アプリの画面切り替え時に全画面を使って表示されるモバイル広告。Googleが問題としているのは、Webサイトにアクセスしたユーザーに、そのWebサイトを閲覧するためのネイティブアプリをダウンロードするよう勧めるもの。
Google+での調査では以下のような結果になったという。
- 広告を見たユーザーの9%が「アプリをダウンロードする」ボタンをタップした
- 広告を見たユーザーの69%はボタンをタップしなかっただけでなく、見ようとしていたコンテンツを(Webブラウザのまま)見に行くことも放棄した
次に、インタースティシャル広告の代わりにバナー広告を表示する実験を行ったところ、以下のような結果になった。
- モバイルWebサイトの1日のアクティブユーザー数が17%増加した
- ネイティブアプリのインストール率にはほとんど影響がなかった(2%減少した)
同社は、開発者向けに提供している「モバイルSEO」の「よくあるミスを回避する」コーナーに、インタースティシャル広告に代わる対処についての説明ページを追加した。
Googleは最近モバイル広告に注力しており、5月には検索結果の新広告を、6月にはうっかりタップによる広告表示回避策を、7月に入って購入ボタン付き広告のテスト開始を発表している。
変更履歴:当初、Googleがモバイルでのインタースティシャル広告を全面的に止めるかのような表現になっていましたが、モバイルGoogle+での中止でした。お詫びして修正します。[2015/7/27 19:30]
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