コレ1枚で分かる「産業発展の歴史と人工知能の位置付け」:即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)
第4次産業革命のカギを握るといわれる人工知能(AI)。その位置付けについて、産業の発展史を振り返りながら整理してみましょう。
人の能力の拡張
肉体的労働における効率向上は、ほぼ限界に達しました。そんな中、効率の向上で取り残されてきたのが「知的労働者」(ナレッジワーカー)です。
マニュアル通りにはいかない営業職や弁護士、医師や看護師などは、常に変化する状況を読み解きながら、その時々の最適解を求められる仕事です。そうした状況に対応するためには経験を重ね、広く知識を蓄積し、継続的に学習しなければなりません。その努力によって、個々の事象に対する個別最適解を見つけ出すことができるのです。作業をプロセスに分解して改善するにも、容易なことではありません。
ここに登場するのが人工知能です。20世紀後半から急速に進んだコンピュータ利用の結果、世の中のあらゆる出来事がデータ化されるようになりました。
そのデータを使って人工知能は学習(機械学習)し、さまざまな出来事の相互関係や構造、規則性を見つけ出してくれます。この能力を使って人間の知的能力を拡張することができます。これによって、知的労働者の生産性を高め、最適化を一層推し進めようというわけです。
IoTやクラウドの普及により、世の中のさまざまな出来事が、これまでにも増して緻密に、そしてリアルタイムにデータ化されつつあります。人工知能は、このビッグデータを支えに能力を高め、役割を広げていこうとしています。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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