総務省における人工知能研究に関する取組と「人工知能戦略会議」の設置について:『ビジネス2.0』の視点
総務省が4月26日に公表した、「総務省における人工知能に関する取組と『人工知能戦略会議』の設置」について、要点をまとめて紹介します。
この記事は林雅之氏のブログ「『ビジネス2.0』の視点」より転載、編集しています。
総務省は2016年4月26日、「情報通信審議会 情報通信技術分科会(第117回)」を開催し、「総務省における人工知能に関する取組と人工知能戦略会議の設置」について掲載しています。
総務省関連機関の人工知能関係の研究拠点は、
- NICT(情報通信研究機構) ユニバーサルコミュニケーション研究所
- NICT 脳情報通信融合研究センター(CiNet)
- 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
の3つが拠点となっています。
総務省における人工知能関連研究では、「ソーシャルなビッグデータから知能を理解する/作るアプローチ」と「脳機能から知能を理解する/作るアプローチ」の2つのアプローチをとっています。2つのアプローチは相補的であり、将来的には統合して、真に社会に役立つ人工知能、ロボットを目指し、活力のある知識情報社会を創造していくとしています。
政府は、平成28年4月12日に開催された第5回「未来投資に向けた官民対話」で、安倍総理から次の発言がありました。
「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップを、本年度中に策定します。そのため、産学官の叡智を集め、縦割りを排した『人工知能技術戦略会議』を創設します」
これを受け、総務省は「人口知能技術戦略会議」を創設しています。
「人口知能技術戦略会議」では、今年度から、本会議が司令塔となり、その下で総務省⽂文部科学省・経済産業省の人口知能(AI)技術の研究開発の3省連携を図っていくとしています。また、「研究連携会議」と「産業連携会議」を設置し、AI技術の研究開発と成果の社会実装を加速化していくとしています。
4月25日のシンポジウム(「第1回次世代の人口知能技術に関する合同シンポジウム」)をはじめ、「研究連携会議」と「産業連携会議」を月1回程度のペースで開催。検討状況を定期的に人口知能技術戦略会議に報告し、人口知能技術戦略会議では、AI技術に関する重要事項等を検討していく、としています。
著者プロフィル:林雅之
ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書:『スマートマシン 機械が考える時代』『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『オープンデータ超入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』
関連記事
- 2020年の国内IT市場は厳しい見通し、五輪よりWindows 7が影響
モバイルやクラウドなど新規領域への投資も鈍い見込みだ。 - 京都府2市のマイナンバー対応、生体認証で「顔」と「指」に分かれる
京都府の京田辺市と長岡京市が生体とパスワードによる二要素認証を導入。生体認証では京田辺市が指を、長岡京市が顔を選択した。 - これ1枚で分かる「情シスが知っておくべきAIの知識」
IoTと並んでIT業界で大きな注目を集めている人工知能。この技術は今後、情報システム部門の業務にどのように関わってくるのか、情シスはその日に備えて何を学んでおけばいいのか。 - コレ1枚で分かる「IoTとモノのサービス化」
現実社会の行動や出来事をデータ化する仕組みとして注目が集まっているIoT(Internet of Things)。さまざまな機器から得られたデータは、どのような価値を生み出そうとしているのでしょうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.