大和ハウスグループのフジタ、IoTで重機土工の全工程を「見える化」 生産性が15%向上
土工現場の建設機械、人、測量に関する情報をクラウドに集約し、全工程を可視化する工程管理システムをフジタが開発。進捗や工事完了部分の確認を、リアルタイムで現場に共有できる。
大和ハウスグループのフジタは、IoTを活用して土工現場の建設機械、人、測量の全情報を集約した「全工程見える化」を実現するシステムを開発。岐阜県の「平成27年度 東海環状広見地区西道路建設工事」に導入したところ、施工量で従来比約15%の生産性向上を達成したという。
近年の土工現場におけるICTの活用では、ドローンによる三次元測量や、設計データなどが入力されたICT建設機械(ICT建機)などの導入により、作業の効率化や省力化が進んでいる。測量作業では現場から丁張(木杭とそれに打ち付けられた板で構成され、設計図面に示された位置と高さを現場に表示するもの)がなくなり、ICT建機では仕上げ工程の高精度化や、熟練オペレーター不足の解消といった成果が表れ始めている。
しかし、ICT建機は整形や盛土といった仕上げ作業の一部分にのみ採用されるケースが多く、工程の部分的な効率化が進んでも、工事全体の生産性向上が進まないという課題があった。
そこで同社は、土工現場の建設機械(ICT建機、ダンプトラック)、人(工事管理者、職長、オペレーター)、測量(三次元データ、ロードライト)に関する全ての施工情報を、クラウド上でつなげ、施工の進捗や工事完了部分の情報を、工事管理者だけでなく、職長やオペレーター、運転手など、現場の全担当者にリアルタイムで共有できるシステムを構築した。
各オペレーターが相互の位置情報と、施工進捗やダンプトラックの運行状況をマップ上で視覚的に把握できるため、連携作業がスムーズになり、建設機械の手待ち時間が大幅に短縮され、稼働率が向上したという。
この結果、現場全体への建設機械とダンプトラックの効率的な配置が可能になり、作業計画の適正化が進んだ。さらに、作業進捗や天候などの条件に応じた、建設機械の配置変更も提案しやすくなった。各プロセスの関係者による自主的なクラウド活用が活発になり、重機始業前点検の結果をWeb看板を通して可視化するなど、安全管理のツールとしても利用が進んでいるという。
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