発売に先駆け一足早くβ版をプレイすることができたのでストーリーモードのインプレッションをお送りしよう。

　なんといっても今作の魅力は登場するキャラクター数。

　一歩や宮田，鷹村，木村，青木などといったメインキャラクターをはじめ，たった数コマしか原作に登場しなかったキャラクターまで，15年という長期に渡る「はじめの一歩」の連載中に登場したキャラクターのほぼすべてといえるキャラクターを操作することができ，まさにALL☆STARSといえる内容を誇っているのだ。

　ストーリーモードは，鴨川ジムに入門したばかりの一歩と宮田とのスパーリングから，宮田の最新の相手であるチェ・ジョンボン戦まで，原作の15年に渡る歴史をすべて網羅。

　さらに未だ実現されていない一歩と宮田の約束の一戦も東洋太平洋タイトルマッチという形で用意されており，全70試合が原作通りに進行していくのだ。

　そのため，ストーリーモードでは，進行に応じて操作キャラが原作にあわせて変わっていくぞ。まさに原作ファンも納得の大ボリュームでやりごたえ満点なのだ。

　また，随所に挿入されているイベントムービーがさらにストーリーを盛り上げてくれる。原作を知らなくてもストーリーの流れはゲームをプレイしているだけでわかるようになっているし，原作のファンは原作と照らし合わせてイベントムービーに思わずにやりとしてしまう部分もあるぞ。

■ストーリーの流れに沿って、試合の合間にはさまざまなイベントシーンが追加されている。原作を知らなくても一歩の15年の歴史がわかるのだ。

■イベントシーンは、原作のシーンを再現しているものだけでなく、試合前には会長からアドバイスをもらえることも。

　なお，イベントシーンは早送りで進めたり，スキップすることもできるようになっているので，何度も繰り返して遊ぶ場合でもいちいち同じムービーを何度も見なくてすむため，イライラすることはないだろう。

　さて，今作ではゲームの難易度を3段階で選べるようになっているのも特徴だ。「Easy」「Normal」「Hard」と自分の腕前にあわせてプレイすることができるので，初心者でもEasyでクリアしてからNormal，Hardと徐々に難易度を上げていき，腕を磨くことができるぞ。

　ストーリーモードでクリアした試合のキャラクターはエキシビションで使用することができるようになるので，まずはEasyモードでさくっとクリアしてエキシビションで全キャラを使用可能にして，改めてNormalやHardでじっくりとプレイするといったこともできるというわけだ。

　ゲームの肝であるボクシングアクションについては，すでに完成された域にあるといってもいいくらいで，非常にプレイしやすく思い通りの操作を行うことが可能だ。キャラクターゲームとしてでなく，本格的なボクシングアクションゲームとしてプレイすることができるぞ。

　ジャブやストレート，フック，アッパーなどのパンチはもちろん，スウェーやダッキング，ガード，パーリングなども可能で，実際のボクシング同様，相手との駆け引きをゲームの中で実現し，ボクシングの爽快感を一歩の世界観の中で存分に味わうことができるのだ。

　とはいうものの，操作に慣れていないとなかなか思い通りにいかないこともある。特にスウェーやダッキングはスティックを倒しすぎて失敗してしまうことも多い。

　そんなときにはコントローラの設定でキー割当を変更することで初心者でも操作しやすくすることができるので，うまく操作できない場合はぜひ試してほしい。

　そして従来シリーズ以上に試合の演出がさらにブラッシュアップされたのも見逃せない！　汗が飛び散ったり，ダメージによって顔が腫れたりといった効果に加え，強烈な攻撃を与えたときにマウスピースを吐き出したりといった演出も追加された。

　こういった演出により，実際の試合を行っているかのような迫力が味わえる。

　また，キャラクターのモーションにも細かな修正が施されたのも嬉しい。

　例えば，一歩の操作中にデンプシーロールを使用した際，1発当たっただけで相手が吹っ飛んでしまいその後の攻撃が当てられないというケースが前作などではあったが，この辺りもより改良され，爽快感がアップしている。

■強烈な一撃をお見舞いすると、相手がマウスピースを吐き出すことがあるぞ。

■宮田のカウンターが炸裂！　本物のボクシング以上に相手との駆け引きも楽しめるのだ。

　ストーリーを盛り上げるイベントシーンも充実し，ボクシングの興奮をゲームで体感できるまさに究極の一品といえるだろう。発売まであと少し。お店で予約してじっくりと待っていてほしい。