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Chapter 2:Windows NT 4.0のTCP/IPサービス 〜WINSとDHCP〜

2.6.3 DHCPサーバーとDHCPクライアントの設定

 DHCPサーバーにおける主な設定項目は,(1) リース可能なIPアドレスの範囲,(2) リース期限,(3) DHCPオプションパラメータ,(4) 予約アドレス,という4つである。

 このうち,リース期限の設定には,特に注意する必要がある。リース期限が長すぎると,リースされたIPアドレスがなかなか解放されないため,IPアドレスが不足してしまうこともある。逆にリース期限が短すぎると,DHCPサーバーに障害が発生したときには,すべてのDHCPクライアントが通信できなくなってしまうおそれもある。メンテナンスなどの目的でDHCPサーバーを停止することが決まっている場合は,あらかじめリース期限を長くしておくとよいだろう。ただし,残念ながら,DHCPサーバー側から,すでにリースしているIPアドレスのリース期限をコントロールすることはできない。つまり,DHCPサーバー側でリース期限を延長しても,DHCPクライアントが自ら更新しない限り,リース期限の延長はDHCPクライアントには伝わらない。

 WindowsのDHCPクライアントは,DHCPサーバーが正しく設定されていれば,ホスト名のほかには何も指定する必要がない。DHCPを使用するように構成するだけである。もしDHCPクライアントでTCP/IPの構成パラメータを指定している場合には,DHCPサーバーから取得したオプションパラメータよりも優先される。したがって,クライアント側でDNSサーバーを明示的に指定しているときは,DHCPサーバーによって割り当てられたDNSサーバーではなく,クライアント側で設定されているDNSサーバーを使用するようになる。

織田 薫(熊野 大介,Bridge Metaware

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