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Chapter 4:DNS(Domain Name System) 〜委任と内部ルート〜

4.3.2 フォワーダとスレーブ

 通常のDNSサーバーは,自分の管轄外のドメイン名に対する問い合わせがあると,ルートネームサーバーに問い合わせを試みる。しかし,ルートネームサーバーは通常インターネット上に存在するため,この問い合わせがネットワークの負荷や通信料を増大させてしまうことも多い。

 このような場合には,ルートネームサーバーに問い合わせるDNSサーバーを1つにまとめることで,1つのDNSサーバーにより多くの情報をキャッシュさせて対応する。ローカルネットワークのDNSサーバーにたくさんの情報がキャッシュされていれば,ルートネームサーバーに問い合わせなくてもすむ可能性が高くなる。

 ルートネームサーバーに問い合わせるDNSサーバーを1つにまとめるには,ある特定のDNSサーバーに問い合わせを送信するように,ほかのDNSサーバーを設定すればよい。このための設定が,「フォワーダ」である(名前の由来はBINDでforwadresと記述することにある)。フォワーダが設定されているDNSサーバーに解決できない問い合わせが生じたときには,フォワーダに指定されたDNSサーバーに対してRecursiveに問い合わせる。

Fig.4-3 フォワーダの概念図
fig.4-3

 フォワーダが設定されている場合,DNSサーバーは,最初にフォワーダに指定されているDNSサーバーに問い合わせを送信する。フォワーダーが名前を解決できず,回答が戻ってこなければ,通常どおりルートネームサーバーに問い合わせを転送する。

 これに対し,スレーブ(名前の由来はBINDでslaveと記述することにある)を設定した場合,そのDNSサーバーはフォワーダから回答を得られなければ,その時点で名前解決を諦める。

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