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9.9.1 仮想メモリのサイズ

 Windows NTの仮想メモリのサイズは,コンピュータ上で同時に実行されるサービスを検討したうえで構成しなければならない。SQL Serverを動作させる場合には,最低でもコンピュータに装着されている物理メモリの1.5倍に相当する仮想メモリを設定することが望ましい。また,OLAPサービスを利用する場合や,SAPのようなアプリケーションを動作させる場合,全文検索サービスをインストールする場合,全文インデックスを作成して照会するためにMicrosoft Search serviceを利用する場合には,コンピュータに装着されている物理メモリの少なくとも3倍に相当する仮想メモリサイズを設定すべきであろう。
 むやみに仮想メモリのサイズを大きくすると,かえってオーバーヘッドが増加することもあるが,仮想メモリサイズが小さすぎると,Windows NTのエラーが発生してしまう。もし仮想メモリの不足を訴えるエラーが発生するようであれば,実行中のサービスやアプリケーションをいくつか停止させるか,仮想メモリのサイズをもっと大きく設定する必要があるだろう。
 仮想メモリのサイズを変更するには,[コントロールパネル]から[システム]を起動し,[パフォーマンス]パネルを開いて[仮想メモリ]ボタンを押す。現在割り当てられているページファイルのサイズを増やすか,あるいは新しいページファイルを追加すればよい。このとき,ページファイルは複数のドライブに分散させたほうが性能は向上するが,データベースファイルを格納しているドライブに作成すべきではない。  最初は,初期サイズと最大サイズに物理メモリサイズの1.5倍程度を指定して,評価してから調整することをお勧めする。初期サイズと最大サイズを同じ値に設定するのはページファイルの自動拡張によって,フラグメンテーションが発生するのを防ぐためである。

Fig.9-65 仮想メモリサイズの設定

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