最近のポータルサイトの金融資産まわりのコンテンツはさまざまな機能が次々に追加されている。その機能を全部使いこなすと、本当にいろいろなことができるようだ。ここではポートフォリオのいわゆる投資情報管理機能を比較してみたい。
手作業で資産管理をしていると、つい売買のタイミングを逃してしまうことがよくあるものだ。株の損益を計算する際にも買ったときの明細書をなくしてしまって、いったいいくらもうかったのか、はたまた損したのかがわからないというのも、よくある話。そのために便利なのがポートフォリオ機能である。自己資産を実際の売買値でシミュレーションしたり、注目している株の値動きをチェックするなど、頻繁に株を売買する人にとってはいまや欠かせない機能なのだ。
それぞれのポートフォリオ機能の使用方法を比較していこう。銘柄検索の方法だが、ほとんどのサイトで「コード検索」と「会社名検索」を採用している。しかし、インフォシークとMSNは上記の検索方法以外にも「1株利益」や「経常利益」「PER」(株価収益率)などのかなり詳しい検索手段がある。
この検索機能がなぜ便利なのかといえば、たとえば新聞などで「割安銘柄が買われる」などという見出しを見つけたとする。そこで、すかさず「PER」検索で割安の銘柄を調べ、その中で業績のいいものを登録して買い時を待つ。あるいは、とにかく業績のいい会社の株を買いたい場合は「経常利益」検索や「1株利益」検索で会社をピックアップし、投資する対象を絞り込んで登録しておくことができるのだ。
ポートフォリオで、そのほかに便利な機能を備えているのがLycos Japan。ここでは、株だけではなく、投資信託と預貯金の登録ができる。また、それらの金額などを総合して円グラフで表示してくれるので、「あっ、最近株に投資しすぎているな」とか、「もう少し株や投資信託に資金を入れてみよう」というような資産の配分状況が一目でわかるのだ。こうした機能は意外と重要で、人間熱くなってしまうと、損をしているのに次々に株式に投資してしまい、せっかく貯めたお金があっという間に目減りしてしまっていた、なんて事態もあり得るからだ(ちなみに、投資信託の登録はMSNやYahoo! JAPANでも可能)。
そのほかにおもしろいのはMSN。ここのポートフォリオの特徴は口座別に管理できることだ。最近では銀行でも投資信託が買えるようになっており、どこでどの投資信託を買ったのか、または、どこの証券会社でどの株を買ったのか、忘れてしまい売却する際に困ったという経験を持っている人も少なくないだろう。それを、このポートフォリオでは「D証券」とか「T銀行」というふうに、口座別に管理できるのでとっても楽である。
検索方法などで多少の機能の差は出たものの、ポートフォリオの基本的な機能は各社ほぼ横並び。しかしながら、総合的に金融資産を管理するという面では、Lycos Japanが頭一つリードしている。投資情報で定評のあるブルームバーグの情報も読める。インフォシークやMSNは、いろいろなパターンで株を検索できるので、有望株を見つけ出したいという人にオススメだ。複数の口座を持つ人は迷わず口座別に管理が可能なMSNにするとよいだろう。