#007 - PHS定額接続	High Speed Access

PHSのインターネット接続
4800円で使い放題に！

　今回のテーマは、PHSによるインターネット接続だ。北海道総合通信網（HOTnet）、アステル四国、アステル北陸らがこの春より4800〜5500円と安価な定額制ダイヤルアップ接続を開始している。

　ただし、接続スピードは、PIAFS*1の32Kbpsと遅い。「高速インターネット入門」というタイトルの記事に32Kbpsの接続サービスを取り上げるなど、どういうつもりか！　と、読者のおしかりを受けてしまいそうだが、その気になれば、完全定額制で常時接続も可能なアクセス回線ということと、PHSを利用した無線接続という部分に大いに興味を引かれたのでご紹介しよう。また、後半では、PHSによるデータ通信の将来像なども併せて紹介したい。

バックボーンは自社回線
NTTを使わないので低料金に

　さて、3月から始まったHOTnetをメインに解説していくと、同社はPHSを利用した定額接続サービスのほかにも、メタル回線*2や光ファイバーを利用したインターネット接続サービスを行っている。また、HOTCN（HOTnetコンピュータ通信網）で提供されるこれらのサービスは、HOTnetが自前で電柱に施設した光ファイバー網を利用して行われている。アステル四国・北陸でもバックボーンにNTTの回線ではなく、自前の回線を使っているので低料金でのサービスが可能になっているのだ。東京をはじめとした、バックボーンにNTTの回線を使っている地域のアステルでは、定額サービスは難しそうだ。

　なお、利用するには280ページの写真にあるような、データ通信に特化したPCカード型のPHS端末や、電話機型のPHS端末とデータカードを購入する必要がある。つまり、このサービスを利用するには、ノート型や一部のデスクトップパソコンのように、PCカードスロット付きのパソコンを利用する必要がある。ちなみに、PCカードスロットのないデスクトップパソコンにPCカードリーダーを接続してダイヤルアップ*3している人もいるという。

■PHS定額接続・ユーザーインタビュー

電話代込みの定額が魅力 速度が遅いとは感じない 　札幌にお住まいの武藤いずみさんは、主婦の感覚で見事に使いこなしている。以前はISDNとタイムプラスを利用し、電話代とプロバイダ料金を合わせて月に1万円程度だった。主婦の金銭価格からすると許し難いものがあるようで、「パソコンの脇に時計を置いて一日に1時間と決めて接続していた」らしい。 　しかし、定額サービスを導入してからは、気兼ねなく接続できるという。では、接続スピードがISDNの64KbpsからPHSの32Kbpsになったことへの不満はないのだろうか？　「アクセス先のページにもよるが、速度はほとんど気にならない」という。また、気兼ねなく使える料金への安心感は創作意欲も喚起するようで、愛犬に関する見事なホームページまで公開してしまった。定額制接続は、個人の眠っている能力まで引き出してくれるのかもしれない。

2/5