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Yahoo! Internet Guide 2003年4月号 2003年6月10日(火)
高速インターネット入門

ETCの仕組みを
ネット接続に利用

 高速道路の料金所渋滞にはまってウンザリしている横を疾風のごとく駆け抜けるクルマ。そのクルマをなすすべなく羨望のまなざしで見送る自分。そして、その先の料金所ゲートの上に目をやると「ETC*1」の文字が……。最近クルマを運転していると、このような場面に出くわすことも珍しくない。首都圏の高速道路ではETC専用の料金所を見かける機会も多いが、今回取り上げる「スマートゲートウェイ」と題された実験は、そのETCの仕組みをクルマからのインターネット接続に利用*2しようというもの。KDDI、NTTデータ、トヨタ自動車など名だたる企業が、総務省の認可法人である、通信・放送機構*3の委託を受けて、平成12年度から足かけ3年にわたり実験を行ってきた。

点々と連なるホットスポットを
クルマが疾走

 今回の実験では、無線ネットワーク部分にETCにも利用されているDSRC(狭域通信システム)を利用している。DSRCは、もともと電波の到達範囲が直径30メートルと狭い。そのため、この実験では、クルマの走行ルート上に50メートル間隔でDSRC基地局を設置している。つまり、高速道路上に直径30メートルの“ホットスポット”が点々と連なっている*4ようなイメージを想像するとわかりやすい。その「ホットスポットの点線」をクルマがトレースするように走り抜けるのだ。だが、通常のホットスポットのようにクルマが1か所にとどまって通信を行うのであれば、今回のような大がかりな実験を行う必要もないだろう。「本来1つのセル*5内で通信を行うことを想定したDSRCを、このように利用できるかどうかを検証する」(KDDI研究所主任研究員・工学博士・石川博康氏)ことが、この実験の大きなテーマの1つでもあるのだ。

独自に開発した
ハンドオーバー技術がカギ

 今回の実験では異なるホットスポット間でも連続的に通信が行えるよう、独自のハンドオーバー技術を開発した。ハンドオーバーとは、無線接続先の基地局が変わってもそのまま通信を保持しておける仕組みのこと。携帯電話にも利用されている。ただ、IP(インターネット・プロトコル)通信でのハンドオーバーは、携帯電話の場合とはまた違った仕組みが必要になる。そこで、今回は実験走行用の車両に搭載したネット端末にIPv4のアドレスを固定で割り当て、移動しながらでも通信が利用できるような仕組みを開発した。

 携帯電話のハンドオーバーと大きく異なる点がもう1つある。それは、処理を極めて高速に行う必要があるという点だ。

 考えてみよう。1つのホットスポットのカバー範囲はたった30メートルだ。そこを時速100キロで走り抜ける時間は約1秒。そのわずかな時間に、接続リンクを確立し、データの送受信を行い、次のホットスポットに情報を受け渡すためのプロセスが必要になる。今回は、ホットスポットの無線部分、バックボーンのネットワーク部分、アプリケーション部分が連携して、それぞれが役割分担することで、この高速なハンドオーバーを実現している。

 また、エリア内を走行する車両の一括管理(だれがどこを走行中かがわかる)の仕組みも構築されている。

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