ブロードバンドが普及してユーザーが増えるにつれ、不正アクセスやウイルスによる脅威は増え続けている。左のグラフは情報処理振興事業協会セキュリティセンターへの、被害の届け出件数だ。2000年に比べるとかなり増加していることが分かるだろう。この数字に表れているのは、あくまで届け出があったものだけ。被害に気付いていないケースや、被害を受けても届け出ていないケースを考慮すると、実際の被害は甚大なものだろう。
実際、最新のウイルス「KLEZ」はこれまでにない広がりを見せている。ウイルス自身が進化しており、感染しやすいものになっているからだ。ウイルスにはだれもが感染する可能性があり、他人事ではない。また、常時接続環境が普及することで、不正アクセスを受ける危険性が大きくなっている。ネットに接続する時間が長くなればなるほど、攻撃対象になる危険性が増大するのだ。
ネットを利用することで受ける被害はそれだけではない。会社や学校のようなLAN環境、あるいはネットカフェのようなオープンな環境で、気軽にメールやウェブサービスを利用していると、さまざまな個人情報を盗まれる可能性がある。メールやメッセンジャーソフトの内容を盗み見られたり、ウェブサービスなどのパスワードを知られたりしてしまう。
ネットに直接関連しないところでは、削除したはずの重要データが盗まれる、詐欺などの金銭的な被害に遭うといったケースも想定される。
このように、パソコンやインターネットを利用していると、それだけで危険にさらされている。どのような危険があるかを知って、効果的な対策を講じることが重要だ。具体的にどのような被害があるかを見ていこう。