インターネットは匿名性が高いといわれる。確かに、文字中心のコミュニケーションのため声や顔を出さずに他人と対話でき、住所氏名や年齢を公表する必要がないという点では、日常生活に比べて匿名性が高いと言えるだろう。
だが、技術的に見ればインターネットは匿名とは言い難い。
例えばネットに接続するすべてのパソコンには、IPアドレスという1台ずつ固有の番号が与えられている。インターネットでは、必ずこのIPアドレスを使ってデータを送受信する決まりになっており、だれがいつ、どんなIPアドレスを使ったかが、ISPにすべて記録されている。したがって匿名でインターネットに接続することは不可能なのだ。
しかし、ISPに情報が記録されるのはごまかせないとしても、接続先のパソコンに情報が伝わらないようにすることは可能だ。別のパソコンを経由したり、相手に通知する情報を書き換えてしまうのだ。普通は情報が丸出しにされているネットで匿名性を維持することができるぞ。
まずは、どのような状況で情報が漏れているかを把握し、匿名性を高めるための対策を講じよう。
1. チャットや掲示板ではIPアドレスが表示される場合が多い。IPアドレスを表示することで、荒らしや1人で複数の人間を演じる「自作自演」を防いでいるのだ
2. IPアドレスをリモートホスト(次のページのTips参照)として表示する掲示板やチャットでは、ISP名や住んでいる地域がすぐにバレてしまう
3. 掲示板によっては、ブラウザでは表示されなくてもHTMLソースにIPアドレスやリモートホストが記録されている場合がある