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» 2014年05月12日 10時00分 UPDATE

“4K”に本気を出したパナソニック、注目の「AX800シリーズ」を麻倉怜士はどう見る? (1/2)

「プラズマをやめるのだから、それ以上の液晶テレビを作ろう」――そして登場した2014年の春の新ラインアップ。注目の4Kテレビ「AX800/AX800Fシリーズ」は、AV評論家・麻倉怜士氏の目にどう映ったのだろうか?

[麻倉怜士,PR/ITmedia]
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 昨年、パナソニックは4K対応のビエラを1機種(TH-L65WT600)だけ発売しました。いちはやくHDMI 2.0に対応するなど意欲的な製品でしたが、一方でマーケットの反応を見極めたいという思惑も感じる製品投入だったと思います。しかし、その後の4Kトレンドの盛り上がりに対応すべく、2014年は2機種5モデルと一気に戦線を拡大しました。プラズマテレビに注力していたパナソニックは、いわば周回遅れで4K液晶テレビに参入したのですが、わずか半年でラインアップを充実させました。気持ちと事業構造を一新した“パナソニックの液晶テレビ作り”の象徴ともいえるでしょう。

ts_800ax01.jpg パナソニックの4K対応ビエラ3機種5モデルの中で最大画面サイズとなる「TH-65AX800」(65V型)

 一目見て違いが分かるのは、フレームの色です。先代「TH-L65WT600」では画面の浮遊感を狙ってシルバーのフレームを採用していましたが、今回はブラックに変更しています。画面を囲むフレームの色が映像に与える影響は意外と大きなもので、黒くなったことで映像に“締まり”を与えています。

ts_800ax04.jpgts_800ax05.jpg 新型ビエラをチェックするAV評論家の麻倉怜士氏(左)。フレームはブラックに変更された(右)

 画面が後方に3度スラント(傾斜)させるデザインもしゃれています。新製品には、スタンドを前方から見えなくした「AX800」(65V型、58V型、50V型)と、従来型のベデスタルデザインを持つ「AX800F」(58V型、50V型)があり、3度のスラントを持つのは「AX800」のほうです。この傾斜は、ローボードタイプのテレビラックに設置し、ソファーに深く腰掛けて見るときにちょうど見やすい角度になることを狙ったもので、私も65V型の「TH-65AX800」を前に椅子に腰掛けたとき、心地よさを感じました。

 とくに画素が非常に細かい4Kテレビの場合、従来のフルHDテレビよりも画面に近づいて視聴できます。一般的にフルHDテレビの最適視聴距離は3H(画面の高さの3倍)ですが、4Kでは1.5Hほどまで近づいても画素が見えません。画面に近づくと映像の迫力が増す一方、サイズが大きいテレビでは圧迫感を感じることもあるでしょう。AX800シリーズのスラントデザインは、それを軽減する効用がありますね。

 スラントデザインを実現するため、画面の背後にはウェイト(重り)を兼ねたスタンドがあり、そのため設置場所は奥行きが450ミリほど必要になります。しかし、画面の下端をローボードの前端近くに合わせられるので、インテリアをとてもすっきりとした印象にできるのはメリットでしょう。さらにスタンド部は各種ケーブル類をまとめられる構造としていて、じゃまなケーブルが外から見えることもありません。

 ただ、画面を傾けたことで、部屋によっては天井の照明が映り込む可能性もあります。そこでペデスタルデザインの「AX800F」も合わせてラインアップに設けています。いずれにしても大画面テレビの購入時には、設置する部屋をチェックして、快適な視聴環境とインテリア性を両立させたいものです。今回のビエラには良い材料がそろっていると思います。

ts_800ax02.jpgts_800ax03.jpg 左はベデスタルデザインの「AX800F」(写真は58V型)、右は3度のスラントを持つ「AX800」(65V型)。設置する場所によって選択できる

シリーズ名 AX800 AX800F
スタイル スラントデザイン ベデスタルデザイン
画面サイズ 65V型 58V型 50V型 58V型 50V型
パネル解像度 4K(3840×2160ピクセル)
チューナー数 3
映像エンジン 4Kファインリマスターエンジン(データベース超解像+ファインディティール超解像)
色域技術 HEXA CHROMA DRIVE
スマート機能 音声操作、顔認識カメラ内蔵、マイホーム、マイチャンネル、インフォメーションバーなど
入力端子 HDMI 2.0×1、HDMI 1.2×3、Display Port×1
発売時期  5月中旬

「PDPを凌駕する」を目標に開発した液晶テレビ

 今回登場した「AX800シリーズ」は、パナソニックがPDP生産の終了を発表した後、初めて投入されるフラグシップモデルです。それだけに力のこもった製品になりました。楠見さん(アプライアンス社、ホームエンターテインメント事業部の楠見雄規事業部長)は、「PDPをやめたのだから、液晶でPDPを超えるものを作れ」と現場を激励したそうです。もちろん短期間で実現するには高いハードルですが、パナソニックの技術者たちはその言葉を重く受け止め、階調性や色再現性において「PDPを凌駕する」という目標を立てました。

 そこで導入した新しい技術の1つが「HEXA CHROMA DRIVE」(ヘキサクロマドライブ)と呼ばれる6軸のカラーマネジメント技術です。テレビでは、入力された映像信号をパネル表示に適した信号に変換する必要がありますが、以前はこれをRGB(レッド、グリーン、ブルー)という3原色をベースにした3つの座標軸だけで処理していました。対してヘキサクロマドライブでは、3原色に補色のCMY(シアン、マゼンダ、イエロー)を加えた6軸で補正を行い、より忠実な色再現を可能にしています。

ts_vieracolor030.jpg 左は従来機種、右は「AX800/AX800F」で輝度レベル10%時の色再現性を比較したイメージ。「HEXA CHROMA DRIVE」(ヘキサクロマドライブ)は、RGBの3原色に補色のCMYを加えた6軸で補正を行い、さらに輝度方向の調整も行う3次元カラーマネジメント回路。これにより、暗いシーンでも色の“ねじれ”を解消し、オリジナルに忠実な色を再現できる

 6軸のカラーマネジメントは他社も手がけていますが、パナソニックでは、中間色の補正も行い、さらに輝度方向にも調整を行うという大規模な調整回路になっている点が大きな違いです。3軸だけの色座標補正では、中間色がねじれて不自然な色になってしまうことがありましたが、6軸処理とPDPでおなじみの「カラーリマスター」回路、そしてDCI(Digital Cinema Initiatives)が定めたデジタルシネマ用の色域にきわめて近い色範囲を確保することにより、AX800シリーズは色再現性の向上とともに彩度の高い映像を見せます。花をアップで映した映像では、微妙に色の違う花びらを描き分け、細かい葉脈まで立体的に再現していました。

ts_800ax07.jpg 微妙に異なる花びらの色を描き分ける

 もちろん、いくらカラーマネジメントが優秀でも、それを受け取るパネルの力が足りなければ正確な色を表示することはできません。AX800シリーズでは、バックライトに使用するLED光源の色再現範囲を広げ、カラーフィルターにも改良を加えることで、回路のカラーマネジメントで作成した色の再現をサポートしています。DCIの定義した色域のカバー率は、従来機が81%だったのに対し、AX800シリーズでは98%。これは大きなポイントですね。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2014年6月11日