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» 2014年07月07日 10時00分 UPDATE

テクノロジー解説 <2>:扇風機のカタチを変えた革新技術「エアマルチプライアーテクノロジー」 (1/2)

ダイソンの“羽根のない扇風機”を実現したのが、特許技術「Air Multiplier(エアマルチプライアー)™テクノロジー」だ。一体どうやって風を起こしているのか。詳しく解説していこう。

[滝田勝紀,PR/ITmedia]
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 ダイソンから“羽根のない扇風機”の最初のモデル「エアマルチプライアー ファン AM01」が発表されたのは2009年9月のこと。それまで100年以上もの間、ほとんど形の変わっていなかった扇風機に大きなインパクトを与えた。それを可能にしたのが、独自の特許技術「Air MultiplierTM(エアマルチプライアー)テクノロジー」である。

ts_02dysontech01.jpg 最新モデル「ダイソンクール AM06」

 「Air MultiplierTM(エアマルチプライアー)テクノロジー」は、もともと扇風機を作るために研究開発された技術ではなかった。英国のダイソン本社では、多くのエンジニアが日々さまざまな研究開発を行っているが、決まったチームで特定の製品を最初から開発するといった一般的なスタイルではなく、何か研究成果が出たとき、その応用を考えるのだという。

 この「Air MultiplierTM(エアマルチプライアー)テクノロジー」も、最初はあるエンジニアがハンドドライヤーである「Dyson AirbladeTM(エアブレード)ハンドドライヤー」のために効果的に手を乾かす方法を研究していたとき、狭い隙間から空気を高速で送り出すと、シート状になった空気が周囲の空気を巻き込んで風量が増す現象を発見したことが発端だった。この現象を何かに応用できないかと考え、羽根のない扇風機のような製品が作れるのではないかと閃いたのだ。

 では、羽根のない扇風機はどのように空気を本体内で作り出し、どのような流れで風を産み出すのか、ここでは最新モデル「ダイソンクール AM06 テーブルファン」を例に順を追って説明していこう。

ts_02dysontech03.jpg 「AM06」台座部分のカットモデル。ミックスフローインペラーが回転すると、側面から空気を取り込んで上のループ部へ送り出す

 「AM06」の台座部分には、側面を360度囲むようにメッシュ状の吸気口がある。本体内でブラシレスDCモーターが「ミックスフローインペラー」と呼ばれる羽根を回すと、側面から毎秒28.5リットルの空気が吸い込まれ、内部の流路を通って丸いリングの内側に“たまる”。空気は唯一の出口である幅1.8ミリのスリットから、シート状になって本体前方へ押し出される。このとき、空気のスピードは秒速3.2メートルに達する。

ts_02dysontech05.jpgts_02dysontech06.jpg ループ部分のスリットはわずか1.8ミリ。ここから押し出された空気は翼の形をした斜面をシート状に流れていく

 実は、この1.8ミリという数字が非常に重要だ。例えば、このスリットが0.5ミリくらいで細すぎると、空気圧が内部で高まりすぎて、スムーズに空気が出てこない。逆に4〜5ミリになると、空気圧が内部で弱まりすぎて、空気が勢いを失ってしまう。適切な空気の量がスピーディーに出てくるように何度も調整し、導き出したのが、この1.8ミリというサイズだった。

 外に出た空気は、スピードこそすぐに落ちるものの、シート状のまま約16度の“翼型傾斜”を外側に広がりながら進む。するとリングの中心付近が減圧され、空気の“誘引”が起きる。つまり減圧された部分に本体背面から空気が流れ込み、大きな気流になるのだ。

 翼型傾斜を過ぎ、リング先端の大きな傾斜に差し掛かると、今度は外側に減圧が発生してリングの外側にある空気が巻き込まれる。風量はさらに増え、最初にミックスフローインペラーの回転で取り込んだ空気の十数倍もの風量になる。

ts_02dysontech030.jpg 背後の空気やリングの周囲にある空気が巻き込まれ、風量は十数倍にまで増える

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提供:ダイソン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月20日

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