世界初の3Dプリンター&スキャナー複合機「ZEUS」がいよいよ日本上陸――PCいらずのカンタン3Dプリンターの実力とは?立体物をコピー!(1/3 ページ)

誰でも簡単に立体の造形物を作り出せる3Dプリンターだが、知識やPCの扱いなどでハードルが高いと感じる人も多いようだ。しかし、3Dスキャナーも一体化した「ZEUS」なら心配無用。その実力を試した。

» 2015年08月26日 10時00分 公開
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 誰もが簡単に立体の造形物を作り出すことができる3Dプリンター。メーカーのプロトタイプ作成や教育・研究用、個人による趣味での利用など、さまざまな分野から注目されているが、導入するにあたってよく聞かれる悩みが設置スペースの問題だ。3Dプリンターは立体を造形するものだけに広いスペースが必要で、おまけに3Dスキャナーも同時に導入しようと思ったら、さらに場所を取ってしまう。

 このような課題を解決するために生まれたのが、3Dプリンターと3Dスキャナーを一体化した“3D複合機”の「ZEUS」(ゼウス)だ。2Dではプリンタとスキャナーの複合機は珍しくないが、ZEUSは3Dプリンターと3Dスキャナーの両方を搭載することで、2台を別々に購入するのに比べて大幅な省スペース化を実現している。

世界初の3Dプリンター&スキャナー複合機「ZEUS」(ゼウス)

 ZEUSを開発した米AIO Roboticsは、2013年に創業された南カリフォルニア大学発のベンチャー企業だ。2013年9月にクラウドファンディングの「Kickstarter」において3D複合機のプロジェクトを起ち上げ、11万ドルを集めることに成功した。ZEUSは2014年に出荷を開始し、現在では世界44カ国で販売されている。そして日本でもいよいよ8月24日に、正規代理店のsantec(サンテック)より39万8000円(税抜)で市販が開始されることになった。今回は発売前にこのZEUSに触れる機会を得たので、そのレビューを詳しく紹介しよう。

PC不要で3Dプリント&スキャンが可能

 前述のようにZEUSの特徴は3Dプリンターと3Dスキャナーが一体となっている点にあるが、ほかにも単体の3Dプリンターとは異なる特徴がいくつかある。それは、PCを一切使わずに、この製品だけで3Dプリントを行える点だ。一般的な3Dプリンターは、PCに接続して専用ソフトなどを使い、プリント設定や印刷の操作を行うものが多いが、ZEUSにはそれ自身で3Dデータをプリントできる状態に加工する機能を内蔵しており、スキャナーで読み取ったデータをもとにすぐに3Dプリントを行ったり(3Dコピー)、データを入れたUSBメモリーを挿すだけで3Dプリントを行えることになる。なお、ZEUSが扱えるファイルは標準的なSTLまたはAIO形式のいずれかとなる。

サイドから見たところ(左)。7インチのタッチパネルディスプレイを搭載(右)

 このような3Dデータの編集や加工などをZEUS単体で行うため、ZEUSには7インチのタッチパネルディスプレイが搭載されている。このディスプレイはマルチタッチ対応で、スワイプで画像を拡大・縮小するなど、スマホ感覚で操作することが可能だ。

 本体のサイズは、549(幅)×377(奥行き)×388(高さ)ミリ、重量は21キログラム。3Dプリンターだけでなく、3Dスキャナーも込みとして考えると、かなりコンパクトといえるだろう。最大造形可能サイズは204(奥行き)×153(幅)×145(高さ)ミリとなる。単体の3Dプリンターと異なり、プラットフォームは角形ではなく円形となっている。これは3Dスキャナーが内蔵されているからで、ここに造形物を置くことで、さまざまな方向からセンサーを使って立体形状を読み取ることができる。

社内の各部署で連携しファクシミリのように使用することも可能

 前述したように、ZEUSの特徴は3Dのコピー機として単体で完結している点にあるが、もちろんPCと接続してPCで加工したデータをプリントするといった使い方も可能だ。対応OSはWindows、Mac OS、Linuxで、このほかにiOS/Android端末からの操作も行える。

背面インタフェースと電源スイッチ

 接続端子として、背面にLANポートおよびUSBポート(Type B)を備えるほか、前面にはUSBメモリーを挿すためのUSBポート(Type A)を2つ搭載している。ちなみにType Aポートが2つあるのは、そのうちの1つに、同梱(どうこん)される無線LAN用のUSBモジュールを接続するためだ。

 ZEUSを起動すると、ディスプレイのメインメニューには「scan」「print」「copy」「fax」の4つが表示される。ボタンが4つあるだけの極めてシンプルなUIで実に分かりやすい。このうち、「scan」と「print」はそれぞれ3Dプリントと3Dスキャンを意味し、「copy」は「scan」と「print」の連続動作となる。

 耳慣れないのは「fax」だが、これは離れた場所にそれぞれZEUSを設置し、インターネットを介して片方のZEUSで造形物をスキャンし、そこから離れた場所にあるもう片方のZEUSで3Dプリントを行うことにより、あたかもファクシミリのように使うことができる機能だ。3Dプリンターと3Dスキャナーの両方を搭載しているZEUSならではの機能といえる。ただし、ボタンは用意されているものの、現在は使用不可。今後、ソフトウェア・アップデートで対応されるということだが時期は未定となっている。

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提供:サンテック株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2015年9月3日

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