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» 2017年03月10日 10時00分 UPDATE

地デジまで変わった! “自発光”を手に入れた東芝レグザ「X910」の実力 (1/2)

国内メーカーのトップをきって日本市場に投入される東芝の4K有機ELレグザ「X910」シリーズ。4K/HDRのUltra HD Blu-ray™はもちろん、情報量の少ない地デジもスッキリきれいに映し出す。AV評論家・本田雅一氏が自宅で徹底レビュー。

[本田雅一,PR/ITmedia]
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 いよいよテレビは有機EL(OLED)の時代。一昨年から実用化が進んでいた有機ELテレビは、ここに来て一気に複数のメーカーが日本で競合する時代になろうとしている。有機ELパネルが抱えていた諸問題も大幅に改善され、パネルに配置された画素自身が光る“自発光”の良さが際立つようになってきたためだ。

 東芝の4K有機ELレグザ「X910」シリーズは、そうした中でも真っ先に日本市場に投入される製品である。と、このように書き始めているが、真っ先に登場しつつも、有機ELパネルをレグザならではの機能でしっかり使いこなし、弱点を克服した上で、その良さを引き出している。

「X910」シリーズの65V型「65X910」

 ご存知の読者も多いだろうが、現在、大型の有機ELテレビに使われているパネルは全メーカー共通。しかし、まったく同じパネルでも、その使いこなしによって画質は驚くほど異なる。まずは、65V型のレグザ「65X910」を筆者の自宅リビングに持ち込み、実際の住環境の中でどのような体験が得られたか、インプレッションの紹介から話を始めることにしたい。

 筆者は書斎には4K液晶テレビを使用しているが、リビングルームはシアター兼用として、4K映像はプロジェクター、それ以外あるいは通常のテレビ番組はパイオニアのプラズマテレビ「KURO」(PDP-6010HD)を使用している。このKUROは「ファイナルKURO」といわれたバージョンではないが、コントラスト比や明部階調にはやや弱点を持つものの、暗部階調はファイナルKUROよりも豊かな、筆者お気に入りのディスプレイだ。

 近年のレベルからすれば、フルHDの解像度はもちろん信号処理面でも、プラズマディスプレイ特有の誤差拡散ノイズなども目立つが、高い動画解像度や自発光の明瞭(めいりょう)な映像は他に代えがたく、4K液晶テレビへの乗り替えをすることなく、また乗り替えたいとも思わないまま現在に至ってきた。

 仕事柄、毎年のように進化したテレビをテストし、その良さも熟知しているつもりだが、表示方式による本質的な“画の感じ方”による違いは決して小さくなく食指が動かない。消費電力や製品そのものの寿命も考慮するなら、いつかは買い替えを考えることになるのだろうが、なかなか踏み切れないでいるのだ。同じようにプラズマテレビからの買い替えを検討しながら躊躇(ちゅうちょ)している方も少なくないのではないだろうか。

 そんなわが家の環境において、方式は異なるものの同じ自発光の有機ELテレビを迎え入れるのだから、現代の高級液晶テレビだけでなく、過去に発売されたプラズマテレビの置きかえについても意識しながら視聴を始めた。

本田邸のリビングシアター。「65X910」の後ろにあるのが「PDP-6010HD」だ

 結論からいえば、昨年までの有機ELテレビに感じていた問題が解決し、さらにいえば映像マニアがKUROに求めていた“正確な映像作品の表示”といった部分もクリアしつつ、レグザらしい“美しく魅せる”というメーカーの意思を感じる映像処理、あるいは利便性の高い録画機能なども含め、いよいよ次の世代へと一歩足を踏み出せる。そんな製品に仕上がっていた。

方式の違いを実感させる4K/HDR画質

 昨年までの有機ELテレビは、動画応答性や純度の高い色、局所コントラストの高さなどなど良いところも多い反面、階調性の不足が映像を破綻させる部分も少なくなかった。具体的には暗部階調がリニアに表現できず、真っ黒と少しだけ明るい部分の間が抜け落ちてしまっていたのだ。

 この影響は決して暗部だけではなく、例えば“ほんのりと青がのった……”といった別の色を表現しようとしても、少しだけ青をのせることができないため、微妙なグラデーションの中で色相が不安定に揺らいだり、疑似階調が目立つなどの副作用が出ていた。画作りの面で、それを目立たないよう処理したとしても、表現力……いわば“絵の具の色が不足している”という面は隠しきれない。

明かりを落とすと、どこまでがフレームなのか分からないほど黒が沈む。発色も素晴らしい

 液晶と比べると低いピーク輝度(ハイエンドの液晶テレビ1000〜1500nitsぐらいに対して800nits程度)という面も指摘されることはあるが、こちらは店頭では差が大きいものの、実際のリビングルームではさほど気にならない。しかし階調性の確保は、有機ELテレビ最大のテーマだ。

 ではX910はどうか? といえば、階調表現に不安を感じる場面が見られなかったことに加え、輝度の面でもまったく不足することがなく、むしろ適応的にトーンカーブを変化させることで、キラリと輝くような表現でも優れた面を見せた。

 例えば4K/HDRのUltra HD Blu-ray™ソフト「レヴェナント:蘇りし者」。早朝、朝焼けのシーンでは遠くに昇る朝日と、まだ藍色に染まる夜空の間に広がるグラデーション、そして薄暗い雪原の様子が明るさの変化を伴いながら描かれる印象的シーンがある。この映画は全編自然光だけで撮影された映画で、そのダイナミックレンジは広く、自然な映像であるがために表現力の確かさを求められる。

 明るい朝日と薄暗い雪原、その両方に自然の魂を感じるのは、的確な階調表現が行えているためだ。階調表現に不安があると、単に黒潰れするだけでなく、こうした微妙なグラデーションの中で色が不安定になるが、まったくその傾向は見られない。もはや階調表現に優れている高級液晶テレビと比べても、大きな差は見出せない領域まで来たと実感した。

 一方、HDRの表現は「LEGOムービー」で確認してみた。この作品、所々でLEGO®で作られたキャラクターや乗り物の中に光源が置かれ、それがピカッと光って見える。あざといといえばあざといHDR表現なのだが、きちんと色濃度を失わずに光を描き分ける。

 同じくHDRらしい表現という面では「パシフィック・リム」も印象的だ。暗い中で怪しく光る鉄のロボットも印象的な表現だが、点光源に囲まれたコックピット内で主人公がロボットを操る未来的なシーンは、生半可な液晶テレビの領域分割バックライトでは表現しきれない。個々の画素が個別に光る有機ELならではの透明感、局所コントラストに優れた映像が方式の“違い”を実感させてくれた。

 HDR映像作品を実際のディスプレイに表示する際、ディスプレイ性能・特性に合わせて輝度カーブを変換する特性をEOTF(Electro Optical Transfer Function)というが、1000nits以上の輝度情報も持つUltra HD Blu-ray™の映像を800nitsに収めているとは思えないほど、しっかりHDRの良さを表現できる。

本体のパネル部は本当に薄く、背面の処理も美しい
前方に飛び出ないスタンド。背後にカウンターウェイトを設けたことで前面をすっきりとさせながら映像を邪魔することがない

 これだけの表現力を持ちながら、S/N感は非常にいい。もちろん、Ultra HD Blu-ray™だからノイズは少ないのだが、従来の4K有機ELパネルにあった3D表示用の偏光フィルムがなくなったことも、見え味にそうとう影響しているのかもしれない。本体の薄さもあり、まるで映像がそこに浮かんでいるように感じられる。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2017年3月16日