連載2回目では、ルーターを使ってセキュリティを確保する方法について説明しよう。すでにご存知の読者も多いと思うが、家庭用のルーターは基本的には複数台のパソコンでインターネット接続を共有するために用いるネットワーク機器だ。ISDN用やブロードバンド用のルーターなどいろいろな種類があるが、この点は変わらない。2台以上のパソコンから1回線でインターネットを利用しているという人なら、もうルーターを導入していることと思う。
しかしこの連載では、たとえパソコンは1台だけしか使っていないというユーザーにも、ルーターの使用を強くおすすめしたい。ルーターはパソコンを不正侵入から守る機能を持っているからだ。パソコンにPPPoEドライバを入れてインターネットに直接つながった状態にするよりも、ルーター経由で接続する方が、数段安全な状態が得られるのである。
なぜ、ルーターを導入するとセキュリティを確保できるのか、また製品ごとの性能の差をどう見極めればよいのか。ここでは、そうした技術的な部分もわかりやすく説明していこう。
ルーターがパソコンを不正侵入から守れるのは、下に図示したように、インターネット側からルーターの内側にあるパソコンを見えない状態にしてくれるからだ。ルーターがあると、パソコンからインターネットにはアクセスできても、その逆、つまり、インターネットからパソコンへのアクセスができない状態になる。
もちろん、メールの受信やホームページへのアクセスなどパソコン側から開始した通信は、インターネット側からの応答をルーターがうまくパソコンに転送してくれるため、まったく問題なく動く。ルーターは、インターネット側からの不正なアクセスだけを止めてくれるのだ。
※「ルーターにはどんな種類がある?」「ウイルスの侵入とゲートウェイの役割」の項目は,現在発売中のYahoo! BB Magazine 2002年2月号の誌面でご覧いただけます