中国株に対する投資家の関心は急速に高まっている。中国株を1993年から扱っているという東洋証券では、中国株のために開かれた口座の数が2001年の段階で約6千だった。それが、2002年3月末現在、すでに1万を超えているという。中国株取引を始めようという人の数はものすごい勢いで増えているというわけだ。
しかし、今なぜ中国株なのか? 東洋証券の本店営業部マネージャーを務める深堀敬三さんはこう答える。「まず、世界経済の動きが中国抜きに考えられなくなったということ。WTOへの加盟と2008年の北京オリンピック開催が決まったのも大きいですね」。
中国はここ数年、毎年7〜8%という高い成長率で経済を発展させてきており、安価で質のよい中国製品は「メイド・イン・チャイナ」として世界中のマーケットを席巻している。こうした驚異的な中国の経済成長は、WTO加盟と北京オリンピック開催によって今後ますます加速していくと予測されている。経済が発展すればそれにつれて株価も上昇していくのは常識だ。目ざとい投資家達が先物買いに走るのは当然だろう。「それから、従来、外国人しか購入できなかったB株が2001年2月28日から中国人にも開放されて、6月初めまでに全体の株価が何と3倍も上がったんです。それも中国株への注目が集まった理由ですね」。